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140字小説

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お題有りも含めて、140字で楽しめる作品を集めてみた結果。
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記事一覧

140字小説 『手放せない』 【夏の星々③】

母の口癖は「買うのは高いから」で靴下の裏が滋賀県だとしたら琵琶湖くらいの穴が空いた物を繕…

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3週間前
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140字小説 『地に足を』 【夏の星々②】

昔ならクリスマスケーキと呼ばれる年の娘。仕事が楽しいのもいいけど浮いた話を聞かないのも母…

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1か月前
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140字小説 『米寿』 【夏の星々①】

あるおじいさんが88歳で亡くなった。 一家の大黒柱だからとおじいさんの亡骸の傍で豪勢な葬儀…

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1か月前
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140字小説 『発砲通報プロ』#毎週ショートショートnote【ハートボイルド編】

パァアン! 小気味よい音が空高く響き渡る。さすが令和のゴルゴ13。見事な腕前だ。しかし、彼…

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1か月前
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140字小説 『好きな色の紫陽花を』 #シロクマ文芸部【花咲く一週遅れ】

紫陽花を植え咲いた花を見た娘が思っていた色と違う!と憤る。 「土壌によって色が変わるのよ…

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2か月前
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140字駄洒落小説 『山岳カルマ』 #毎週ショートショートnote【反省の色編】

「悪い行いをした者も山頂で懺悔すればチャラになる」という言葉にほだされた俺は新歓で既に後…

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3か月前
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140字小説 『細面の』 【春の星々③】

「最近はシュッとした細面でかっこいい子が多いわね」 と俳優を見て母が言う。 「それがどうかしたの?」 「あの人を思い出しちゃって」 「今でも好きなんだ」 「やあね、あの人はただの末成りの瓢箪よ」 もしかして私の名が駒子なのは、今はなき父の趣味が将棋が由来だというのは嘘…? そういえば授かリ婚…  末成り顔とうりざね顔の響きが似ていて、勘違いしていたことに気づいた、そんな瓢箪から駒のような話🙈

140字小説 『あこがれ』 【春の星々②】

昔から細部までこだわられたミニチュアに憧れていた私は遂に自分で作るようになった。まずはド…

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3か月前
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140字小説 『こえだめ』 【春の星々①】

痩せ信仰を見直すため、ダイエット禁止との校則が加わり、いつでも学食が利用できるようになっ…

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4か月前
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駄洒落140字小説 『三日月ファストパス』 #毎週ショートショートnote【はらいたい編】

 腹痛ぇ…と思いながら病院に行くか悩む。 今年から試験的に開始された三日月ファストパス。…

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5か月前
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駄洒落140字小説『突然の猫ミーム』 #毎週ショートショートnote【B面】

私は突然の猫ミームに弄ばれていた。 湯たんぽのような温かさに、ふわふわとした手触り、ほん…

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5か月前
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駄洒落140字小説 『突然の猫ミーム』 #毎週ショートショートnote【A面】

俺は突然の猫ミームに襲われていた。 高熱、炙られるような喉の痛み、涙が滲むほどの咳で我が…

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5か月前
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140字小説『突然の猫ミーム』 #毎週ショートショートnote【肉編】

書類を記入していたら、突然の猫ミームが朱肉の上を澄まし顔で通り抜け肉球判子をぽんと押した…

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5か月前
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140字小説 『秘めた想い』

 私の秘めた想いはちゃんと届いたかな?と考えていたら 「柏木が緊急入院になった」 朝のHRで担任が彼の名を告げた。 「どうやら腹の中に異物が見つかったそうだ。心当たりがあるやつは後で言いに来い」 無理よ。素直に打ち明けられるなら、そもそもチョコレートボンボンに恋文を入れたりしないってば。  チョコレートのお題が多く、他の方の作品も見たので、そこからふと思いついた感じですね。ちなみに彼の名前は由来は以下を参考に。 ・柏→柏の花言葉の「永遠の愛」かつ、新芽が出ないと古