【映画】百花
豪華メンバーということもあり、百花を見に行った。全体的には、トーンの低い映画だと思った。初めの映像は、一輪挿しから始まる。どんなストーリーになるかは、全く想像できなかった。
題名は、花の一輪挿しからきたのだろう。主人公(菅田将暉)の母親(原田美枝子)のピアノの演奏は、シーンごとに何か物悲しく響いていた。映像は、主人公が幼い時に遡っていて、過去と現在がオーバーラップして写し出される。
一番印象的な場面は、海辺の花火を親子で見に行き、母親を探していたら、海辺?湖にいたのを見つけたシーンだ。二人のやり取りが続いたが、認知症が進行し始めたこともあり、何かイライラして、主人公が今までの気持ちを吐き出す場面だ。
老いていく母親に対するはがゆさや、主人公の複雑な心境が伝わってきた。「なんで俺を捨てたんだ?」という言葉が刺さった。
話が進むにつれて、母親の「半分の花火」って何だろうと思った。海?湖に写るから半分なのだろうか?と思ったが、最終場面で「あ~この自宅から見た花火のことか~」となった。
母親は息子がずっと怒っていて許してくれないと思っている。それでも後悔はしていない。
主人公の母親に一番に愛されたかったという気持ちが端々で伝わってくる。
主人公がこの半分の花火の意味が分かった時に、母親を許す気持ちになったように思う。子供の頃の気持ちがよみがえり、安心感に包まれたエンディングは平和な気持ちになった。
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