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【映画】 TheSon 息子


見終えた後、何とも言えない無力感に襲われた。「なぜ息子(ニコラス)は亡くなってしまったのだろう」という疑問しか残らない。家庭環境が少し複雑だとは思っていた。昨今の日本の家庭でも両親が再婚をしているケースは多いと思う。

主人公ニコラスはどうしても父親と母親を独り占めしたい葛藤に悩まされ続けたのだ。不登校もリストカットもそれが原因だったと思う。父親は親なりに息子と向き合った。だが、どうしても分かり合えない部分があった。

ニコラス自身が内に向かってしまう性格も追い打ちをかけたように思う。外交的であれば、交友関係や興味あることにエネルギーを使えたであろう。両親と子供の距離感というのは難しい。それは息子でも娘でも変わりない。

自分が10代の頃は、両親が何もかも分かり切ったような口調で言うのがうっとおしいと思っていた。立場が変われば自分も親と同じようなことをやりがちである。今一度、思い直すきっかけになった。

この物語を伝えたいという思いがあまりにも強く、他の映画のことは全く頭になかった。

心の問題には必ずといっていいほど、恥、罪悪感、無知が伴う。
  
しかし、そのような感情やレッテルは、 重要な会話の妨げとなってしまう。
   
この映画が、心の病に関する様々な対話の きっかけとなることを期待する。

フロリアン・ゼレール(監督・脚本)


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