呪術廻戦 完結。意志と夢は繋がれ、時代は廻る
2024年9月30日
大好きな作品「呪術廻戦」が最終回を迎えました。
あと5話で終わるとカウントダウンが始まってから、「あと5話でどうやって終わるの…?」というところからの怒涛のクライマックス。
感想を書かずにはいられなかったので、記しておきます!
あくまで、私の心の内なのでご容赦ください。
そして2024年9月30日発売の週刊少年ジャンプ本誌のネタバレを含みますのでご注意ください。
繋がれた五条の意志
「もうあの人1人でよくないですか」
「五条悟だから最強なのか、最強だから五条悟なのか」
高専時代に突きつけられた孤高の最強では呪術界は変えられないという事実。
そこから、「俺1人強くてもダメらしいよ」
「強く聡い仲間を育てる」と教師になった五条。
虎杖との回想シーンで、「今の僕が僕の終わりだったとして…」など一見弱気な発言に思えるかのようなことを五条は言うのですが、自身の生徒である次世代に全信頼を置き「期待してるよ、悠仁」という言葉に五条の100%の意志も夢も乗せて伝えられたと言うことが、自分の命がどうなったとしてもその後のことは自身が天塩にかけて育てた生徒たちがやってくれるから大丈夫だという「これ以上ない強気」発言だったのだなと…
「強く聡い仲間」はしっかり育っていたわけです。
土から風の移行と呪術廻戦
少し占星術に当てはめて考察してみます。
新宿決戦が行われたのが2018年。
2020年12月に水瓶座のグレートコンジャンクションを皮切りに、風の時代へ移行していきます。
これまでの土の時代は組織・秩序・目に見えるものを大切にする時代。
一方風の時代は個々・精神・目に見えないものを大切にする時代。
風の時代は体裁・建前で繋がっていた人間関係はどんどん淘汰されていきます。
御三家の崩壊、呪術界上層部(通称腐ったミカンども)が五条によって抹殺された出来事は、まさに、土の時代の終焉を彷彿するものでした。
風の時代は誠の魂の繋がり・絆が最優先されます。
そんな時代へ突入する2年前に、五条はすでにそんな仲間作りをしていて、自分が第一線に立たなくても呪術界の新時代を築ける体制を構築していたわけです。
また、この最終回が公開される少し前2024年9月22日に秋分を迎え、その秋分図がまさに「継承」を彷彿させる天体配置で…
目には見えないけど、今世だけに留まらず輪廻転生を超えて壮大なものを継承する・されていくというような配置でした。
「教師」五条悟の想いも、「呪術師」五条悟の夢も虎杖悠仁だけに留まらず、その次の世代へと繋がれたと思います。
虎杖悠仁の土台を揺るがし強固にした吉野順平が継承したもの
ラスト2話というところでとある呪詛師による事件にフォーカスが当たります。
1年生3人で調査しに行く様子は八十八橋の事件を彷彿とさせて、廻るなぁ…と感じたシーンでした。
主に恵の推察と作戦のおかげで呪詛師はあっさり捕えられるのですが、
この呪詛師と虎杖の会話が、真人によって命を落とした吉野順平の想いを継承していたように感じました。
「きちんと反省したら今度は俺らの仕事手伝ってよ」というセリフが、
真人に呪殺される前に「順平も高専行こうよ」と吉野を誘った虎杖と重なり、私個人は一番の泣きどころでした…
失敗したって人生は何度でも立て直せる
芥見先生は仏教にとても精通してらっしゃる印象ですが、最終回でその真骨頂が表現されていたなと感じました。
好きな女性に数百万するバッグをプレゼントしたのに振り向いてもらえず呪詛を仕掛けた呪詛師が最後に出てきましたが、
それに対して虎杖は、
「間違えたと思ったんなら大丈夫だって!」と伝えるんですね。
釈迦の教えは、過去の過ちは考慮しません。
過去どんなに悪と言われる行為をしたとしても、今をどのように生きているかだけを見ます。
人生は何度だってやり直せることを伝えてくれていると思います。
百葉箱で始まり百葉箱で終わる
そもそも、虎杖が呪術界に流れるように関わるようになったのは、高専入学前に通っていた高校の百葉箱の中に両面宿儺の指が隠されていたところからでした。
最終回の最終ページ、虎杖の欠損した指はまたあの百葉箱で今度こそ魔除けとして納められたような描写がありました。
今度は誰にも受肉しないよう祈るばかりです。
最初と最後が綺麗にループし、まさに時代が廻ったラストでした。
⚠️個人的感想 五条悟のその後
私は五条の女なので、どうしても五条が亡くなったのか否かはっきりと描写してほしいというのが個人的意見でした。
ですが、最終回の中で五条自身が、
「もう五条悟とかどーでもよくない?」
「僕のことを忘れて僕とは全く違う強さを持つ人間がいた方がいい」と発言したことが、作者の五条に対する考えなのだなと。
意志も夢も現世を生きる仲間に繋がれて、親友と南へ旅立った五条が全てで、もしかしたら生きて南へ行ったかもしれないし、あの世で南へ行ったかもしれないけど、
そこはもうあなた方読者の判断に委ねます。ということなのでしょう。
(私はあなたを忘れません)
「呪術廻戦」から学んだこと
私は「呪術廻戦」という作品から、呪術・呪い・結界…あらゆることをダウンロードさせて頂き
お仕事にも反映でき、「この作品がなければ今の私はいない」と断言できるくらい生涯において大切なものの一つになりました。
芥見先生、あなたの魂の内側を惜しみもなく世に出して表現してくださり本当にありがとうございました。
ゆっくり休まれて、また痺れる作品を生み出されることを願っています!
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