見出し画像

ハウステンボス諸博物館録

 3/26-27でハウステンボスに行ってきたので、そこでの美術館・博物館備忘録です。

 テーマパークだしまとめなくてもいいかな~と思ってさぼってたんですけど、やっぱ美術館は美術館だし、調べたらちゃんと博物館相当施設だったので……(博物館については法律で厳密な規定があるので、そこで認められてるということはしっかりした施設と言える)。あとまあすごく興味深い展示も多数あったのでせっかくだしまとめておきます。

テディベアキングダム

 めっちゃ大量のテディベアを見た。

 かわいかったです。テディベアの歴史とか触れる機会がなかったので面白かった。テディベアの名前の由来とか知らなかったし……セオドア・ルーズベルトからきてるんですね。

 あとは会社ごとにぜんぜんテディベアのお顔が違うのもおもしろい。同じ会社(シュタイフ社のものが多かったですが)でも型によって体型が違っていて……ちょっと手の長さがかわるだけで印象変わりますね。ぬいぐるみって奥が深いな~

 一番かわいいと思ったシュガーくん。手が短いのが好きらしい。


カロヨンファンタジア

 見てくださいこのベルの展示を……!

 一番テンション上がった展示です。正確には博物館ではなく展示施設なのですが、こんなにたくさん遺物があるとそれだけでわくわくしちゃいますね。

 時代も地域も様々で前11世紀のものもあるしアフリカやインドネシアのベルも……。メディアのベルがあったのが個人的にお気に入りです。メディアといえばアッシリア帝国を滅ぼしたものの60年程度の短命に終わった王国ですが、その時期の遺物がピンポイントで残っていることに驚きを感じますし、それがドンピシャで「メディア時代のもの」とわかる人間の考古学的知識に感銘を受けます。

 あとアフリカのベルとかおもしろくないですか? 顔ついてるんですよ。アフリカの美術っていいですよね。興味深いです。


ギヤマンミュージアム

 ガラスの美術館。箱根でガラスの森美術館に行けなかったので代替のような感じで笑、すごく楽しかったです。

 色ガラスにもいろいろあるんですね。金属の酸化物をガラスに調合して作り、青はコバルト、緑はクロム、赤は金や銅……銅はなんとなくわかりますけど金でも赤になるんですね! びっくりしました。

 エナメル彩は低温で溶ける色付きのガラスの粉で絵付けするから模様がぜったい落ちないとか、すごくないですか? 人間っていろんなこと考えますね。

 ルネ・ラリックの作品もあってびっくりしました! 初めて見た。言い方下品ですけど得した気分です。まさにアール・ヌーヴォーという感じですてきだ〜。あとセイレーンというテーマでこんなに可憐な作品が作られているところにファム・ファタール的モチーフの成熟を感じます。1920年ですから、世紀末の残滓と言えるんでしょうか。

 完全に余談ですけど私はギリシア神話が好きなので、セイレーンも神話で描写されているとおりに怪鳥の姿で描かれた作品が好きです。ウォーターハウスがすてきな作品を残しているので是非検索してみてください。やはり信じられるのはウォーターハウスなのよ……


ポルセレインミュージアム

 ここがめっちゃよくて……! ぜんぜん磁器興味なかったんですが(ミュージアム制覇するぞ〜!て思ってたので問答無用で入りましたけど)見てみるととても興味深かったです。

 以前オーストリアのシェーンブルン宮殿を訪れたときに、添乗員さんが「日本は磁器を作れる技術があったから『陶磁器』ってひとまとめにしちゃうけど、ヨーロッパでは磁器ってすごく貴重で……」というようなお話をしていたのが印象に残っていたので、改めて磁器と陶器の作り方の違いなど知ることができたのはすごく面白かったです。

 そもそも磁器って半透明なんですね!? 知らんかった〜人間はすごいものを作るなあ

 古伊万里とか柿右衛門とか鍋島とか窯にいろいろあるのさえ知らなかったのですが、見比べてみるとそれぞれ違いがあって面白かったです。中国の景徳鎮などの磁器もあって比較がはかどる。

 すごかったのはやっぱりフリードリヒ1世の「磁器の間」の再現。再現するのもすごいですけどこれだけの磁器を集めてコレクションするのもすごい。

 全体的に学芸員の方の気合いの入り具合がすごくてめちゃくちゃキャプションが詳しくて楽しかった!


ハウステンボス美術館

 テーマごとの展示で、多様な展示物があっていろいろ考えながら見ました。

 おもしろかったのがこれ。左の壺は磁器じゃなくて陶器なんです! そう言われてみれば確かに透光性がない。全然磁器とは見え方というか光沢? が違うんです。ポルセレインミュージアムでたくさん磁器を見たあとだったので、磁器と陶器ってこんな違うの!? よう陶磁器ってひとまとめにしようと思ったな!? てびっくりしました。

 これも面白かった。発注元のオランダ人が「醤油入れたいからわかりやすく『JAPANSCHZOYA』て書いてもらお!」と日本人に依頼したものだと思うのですが、これが文字だと理解できない日本人が気を利かせてJAPANSCHZOYAを反転させてしまっているんですよね笑。そりゃ説明されなきゃデザインだと思いますよね。おもしろい。

メスキータ《ハト》1937年
ロイスダール《旅人のいる風景》1645年

 見られて嬉しかったのはメスキータとロイスダール。出会えると思ってなかったのでテンション上がりました。


 あともう一つの展示施設パサージュにも行きました。オルゴールがたくさんあって興味深かったです。人間て本当に不思議なものを発明しますね……(何回目?)


 そんな感じで興味なかった分野も見てみたらやっぱおもしろいよねみたいな、知的好奇心刺激されまくりの旅でした。ハウステンボスにでも行かなきゃ見なかったものをたくさん見られたので大満足。

 美術館備忘録なので博物館関連施設ばっかりまとめてますがハウステンボス自体楽しかったです〜チューリップ満開の時期に行けたのでとてもハッピー。

 やっぱり美しいものは定期的に摂取しないと……。また行きたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?