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【007FP-4Plk-4】Pelikan IBIS 130 DF (1953年)

こんにちは。漂流する文具垢です。今回はほとんど誰の役にも立たない誰得過ぎる紹介です。Pelikanの戦前~戦後にかけてエントリークラスの万年筆として1956年まで販売されていたものです。今回はその中で割と後期にあたる1953年の物を入手したので書いていきます。
まず基本スペックから。全長115mmでバレル長は93mm、直径は11mmと現行で最小のクラシックシリーズよりも一回り小さいです。非常にコンパクト。

ちっちゃいですがちゃんとIBISのマークが付いています
缶のケースです。ヴィンテージ感強め

販売されていた時の箱です。よく見るとPelikanの字体やロゴマークが現在のそれと少し違うのがわかると思います。また販売時期が戦後の物は戦前の物と区別するために130の呼称がつけられています。

どシンプルなニブ

ニブは14C-585。このタイプは1951年から55年辺りまで製造されたものです。1955年には模様が付き、ヴィンテージペリカンの中では定番な140や400NNといった製品に付いているニブと同デザインの物が採用されたようです。

本来ならニブに刻印されている字幅表示

ニブはDFというちょっと特殊なニブです。当時カーボンコピーをする際に万年筆の使われる場面が多々あり、その時の強筆圧に耐えられるよう特殊なニブが製造されていた時期がありました。ペリカンに限らずモンブランも出していたらしく、ノーマルのニブと区別を付けるためにDをつけていたそうです。実際ヴィンテージによくあるしなるようなペン先では無く、かなり硬めのペン先でした。

ロディアのメモパッドに

エレバンのインクを少し付けて書いてみました。正直Fでは無く国産EFの線幅だな…?前のオーナーの人が研いで貰ったのでしょう。書き味に関しては何も引っかかるものはなくスラスラと書けます。

洗浄後なので尻軸を回した状態で乾かしています

本体軸をよく見ていただければ分かると思いますが、黒色の所に線筋が入っています。これは黒色セルロイドの色抜けで経年劣化による仕方の無いものです。とはいえこれが70年前のものであると考えればむしろ良い状態でしょう。

今回は軽めの紹介としました。そうそう手に入る機会もありませんし、手に入れた所で…となるようなものなので誰得な記事ですね。お読み頂きありがとうございました。

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