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詩| 惑星交信

もしもし
幸せを捨てちゃって、悲しみを拾ってきたような人。
あなたが捨てた幸せを拾った、幸運な人もいるようです。
感謝も同情もされないあなたが、ラブソングを口遊む時、
太陽系第九惑星の、核でうごめくものがあります。

もしもし
四畳半の窪みにはまって、5ミリの雨を聞いていた人。
部屋の隅にはホコリと一緒に、アジアの戦塵が煌めきます。
ゴミ捨ても支払いもこなすあなたが、白い目で見られるのであれば、
私は紫陽花をかじって、雷管に火をつけます。

もしもし
雲の切れ端に乗って、ただ一色を目指し行く人。
心の穴と親和するのは、晴れた青だけと知ったでしょう。
私もあなたも何かしらはおかしい。それは決して罪ではないから、
はんぶんこした月の無線で、通信を試みましょう。

もしもし
夢の中だけで笑っていて、笑顔が一等いじらしい人。
つっけんどんの二の句を継ぐ、周期彗星は発見されて、再三見過ごしてしまいました。
もしもし。もしもしは、繋がってから解けるまじない。