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詩| 羽

待ちくたびれたような青
明日こそ私も空を飛べたら
ありふれた悩みに薬はないから
ありふれた夜に物語はないから
夜が明るければ
もっと強く
翼があったならば
もっと清く
生き抜ける類の猛禽類
加害者であること
咎められず
被害者であること
同情されず
生に責任はなく
死に責任もなく
空を飛ぶ海を渡るビルに遊ぶ山に眠る

昨日も明日もなかったら
飛べたんだろう