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蛙太郎
2021年9月4日 16:17
駅に降り立つ。甲斐性なしを宥める匂いが膜となってへばりつく。おかえりと鳴く湿風も気のせいなのに。歩道橋を駆け上がる。純然たる筋肉が己の所在を叫んでいる。導べを務めたランドセルも気のせいなのに。茂みをかき分ける。一度潜ったトンネルは跨いで越えねばならぬ。凱歌を唱えるリンリン虫も気のせいなのに。ただいまなどは気のせいだ。気のせいではない道程だ。いってきますの原動力は、さよ