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お弁当にエールをこめて
長女(仮称アナゴちゃん)から、塾から帰るよコールがあると、いつも家の近くのコンビニまで迎えに行く。
コンビニから家までの5分ちょっと。話をしながら歩いて帰る。
アナゴは高校1年になり、某大手K塾の映像授業を受け始めた。英語だけは、リスニング対策を含め早めにやっておいた方がいいのかなと考えたからだ。
塾の授業はどう? と聞くと
「いまいち身についている手応えがない。」
そうなのか。
「学校の授業でわからない所は教えてくれないし。」
「映像授業が、あまり向いてないのかも。」
え?
それはそもそもの話?
そもそも映像がダメなのか…
「中学の時の塾の方が教え方が良かった。」
確かに、中学生の時に通っていた地元のS塾の先生方は熱かった。
家に帰ってからやる事を考えるのではなく、今日やるリストをいつも作っておくこと。
朝10分時間を作って、英語長文を1問解いてから学校に行く習慣をつけること。
そんな勉強の方法から教えてくれたし、叱咤激励でモチベーションもあげてくれた。
でもね。宿題の量もハンパなく多くてスパルタで。部活の後に塾に行って、帰ってから学校の宿題と塾の宿題で夜中の2時まで寝られない、なんて事もよくあったのだ。
アナゴちゃんのがんばりと、スパルタ塾のおかげもあって、アナゴは第一志望の高校に入学出来た。
その高校でやりたい部活に入る。
その夢は実現した。
伝統あるその部活は活動時間も長い。だから、予定をフレキシブルに組める映像授業の塾を選んだのだけれど…
2020年春、コロナがはじまった。
猛勉強の後の、長い長い春休みで、気持ちは完全に一旦切れてしまったんだと思う。
その後もたび重なる緊急事態宣言で、部活は放課後1時間だけ。土日は休み。
部活も中途半端
少なめを見積もった塾も中途半端
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そんなこんなを帰ってからコタツで話していると
「あー、部活やりたいよ。何で出来ないんだよ。部活がやりたくて高校入ったのに。」
アナゴは、コタツ布団に潜って、泣いた。
彼女は本来明るくて気持ちが安定している子。というよりも、器が大きくて、オトコマエっ!な感じの女の子なのに。泣くなんてホントに珍しいんだ。
泣くなよーって頭をなでると
「泣いてないし!」
って言い返してくるけど…
今回の流行り病は、あと1年くらいで収束するのだろうか。
51才のおばさんにとっては、今のところ
「はー、お客さんテレワークで連絡つかないし。温泉旅行にも行けなくてクサクサしちゃう。」
なんてくらいで日々をやり過ごしているのだが
10代の子の、アオハルな2年間は、密度が違う。
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子供が高校に入ってから、私は毎朝お弁当を作る。
学校ではお弁当は個食、黙食。
席でもくもくと食べているそうだ。
そんな些細なことの積み重ねも、コロナ世代という運の悪さで、一括りにされてしまっているんだよね。
せめて、おかずは全部アナゴちゃんの好きなものにしよう。
ミニハンバーグのみそケチャ煮込み
ちょっと甘い卵焼き
チーズ入りハンペン
インゲン胡麻和え
「お弁当なにかなー♡」
って楽しみにして欲しいんだ
ふたを開けたときに喜んで欲しいんだ
そんな事しか、してあげられないけど
がんばれ
がんばれ