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ADHD マリオとゲーム内外の感覚のズレ:物理法則が適用されないのが気持ち悪い

最近、"ADHD マリオ"という現象がYouTubeをはじめとするゲーム配信プラットフォームで注目を集めています。

ADHD マリオとは、特定のマリオゲームのプレイヤーが、ADHD(注意欠如・多動症)のようなユニークなプレイスタイルでゲームを進めることです。このプレイスタイルは、通常のプレイヤーでは考えられないようなミスや、予想外の方法でゲームオーバーになることが特徴で、その予測不可能さが大きな魅力となっています。

その結果、多くの人が彼らのプレイ動画を切り抜き、共有し、ソーシャルメディアでトレンドになっています。

私自身は、普段ゲームをあまりしないタイプですが、このADHD マリオについて話したいと思い、筆を取りました。私がゲームに対して持っている興味は限られていますが、ADHD マリオのプレイヤーの行動には、どこか共感を覚えます。

おそらく、彼らのプレイに見られるADHD的な傾向が、私自身にもあるのではないかと感じています。この記事を通じて、ADHD マリオの魅力と、それが私たちに何を教えてくれるのかについて考えていきたいと思います。

ADHD 傾向とゲームプレイの独特な関係

ADHD マリオのプレイ動画を視聴していると、その多動症や注意欠如症の特徴がゲーム内でどのように表現されるのかが明確になります。これらのプレイヤーは、普通ならば気づくべき場面で気づかず、多くのミスを犯します。この振る舞いは、典型的なADHDの傾向として解釈できます。

特に注目すべきは、「やりたいことをそのまま実行してしまう」性質です。理性的に考えれば避けるべきアクションを、衝動的に実行してしまい、ゲーム内でのマリオが命を落とすシーンにつながることがあります。この自制心の欠如や、不適切なタイミングでの行動は、ADHDとして認識される特性です。

このようなプレイスタイルは、多くの人が「ADHDらしい」と感じる要素を持っています。冷静な判断が求められる状況での即座の行動、そしてその結果としての予期せぬ失敗は、ADHDの特性をゲームプレイを通じて表現していると言えるでしょう。これらの観察は、ADHDの傾向がゲーム内でどのように現れるか、そしてそれが視聴者にどのような影響を与えるかについての理解を深めるのに役立ちます。

ただ、もう1つ別の指標や視点があると感じたので今回のテキストを作っています。

ゲームの物理法則 vs. 現実世界:感覚的違和感の源

私がアクションゲームに苦手意識を持つ大きな理由の一つは、ゲームの物理法則と現実世界の物理法則の間にある乖離にあります。この乖離は、ゲームプレイにおいて直感的な違和感を生み出し、しばしばストレスの源となっています。

例えば、ゲーム内で物を投げると、それが現実世界ではあり得ないような挙動を見せることがあります。ゲームでは直線的に飛んでいく物体も、現実では重力の影響を受けて速度が落ち、やがて地面に落下します。

特にマリオのようなゲームでは、ジャンプや止まる動作が現実の物理法則と異なり、ゲームのルールとしては理解できても、それが現実感と大きくかけ離れているため、違和感を感じざるを得ません。この「何でそんな動きするんだよ」という違和感は、プレイを通じて常に伴います。ゲーム内で定められた操作がある特定の動作を生み出すと頭では理解していても、現実の感覚との間にギャップがあるため、違和感を感じ続けるのです。

この現実とゲームの物理法則の不一致は、ただのルールとして割り切ることが難しく、ゲームプレイに対する耐性を次第に削いでいきます。私がマリオのようなゲームをプレイする際、頭で考えている動きをゲーム内で正確に反映させることができず、動きたいように動けないというフラストレーションを感じます。この感覚的な違和感は、ゲーム体験全般に影響を及ぼし、楽しむことを難しくしています。

ADHDと自然界の法則:狩猟採集民族の遺伝子?

ADHDを持つ人々が自然界の法則により強く引き寄せられる傾向があるかどうかは定かではありませんが、ADHDの特徴が狩猟採集民族の生活様式と関連しているという仮説が存在します。

この視点からすると、ADHDを持つ人々は、農耕民族と比較して、自然界の法則に対する意識が強いと言えるかもしれません。彼らは、人間が作り出したルールやシステムを、本能的に受け入れにくいと感じることがあります。このことは、ADHDの人々が、自然界での生活に適応していた狩猟採集民族の特性を引き継いでいることを示唆しているのかもしれません。

また、ADHDの人々が強い正義感を持つと指摘される研究もあります。これは、自然界での生存に必要な直感や判断力が、現代社会では「正義感が強い」という形で表れているのかもしれません。自然界では「正しい」と感じる行動が、人間社会のルールとは必ずしも一致しないことから、ADHDの人々は社会的なルールを受け入れることに抵抗を感じることがあると考えられます。

目的: ADHD は主に反社会的行動と関連していますが、ADHD の影響を受ける人は顕著な正義感受性を示すことがよくあります。この仮定を調査するために、著者らはADHDの参加者と健康な対照者を比較した。方法:社会正義に関連する決定を調査するために実験的なゲームが使用されました。アンケートを使用して、正義の感受性の 4 つの側面 (観察者、暴利を得る者、加害者、被害者の感受性) を測定しました。
結果: ADHD の参加者は、対照群よりも観察者と暴利者の感受性において高い値を示しました。加害者の感受性には差がなかった。アンケートの結果、不注意サブタイプは、多動性/衝動性サブタイプおよび複合サブタイプおよび対照群よりもあらゆる面で高い正義感受性を示したことが明らかになりました。
結論:この結果は、正義感受性が ADHD 患者、特に不注意サブタイプで実際により顕著であることを裏付けています。顕著な正義感受性は、適切な社会的行動を推測するための対処戦略である可能性があることが示唆されています。

https://journals-sagepub-com.translate.goog/doi/10.1177/1087054712466914?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc

このように、ADHDを持つ人々の行動や感覚が、古代の狩猟採集民族の生活様式と連動している可能性は、非常に興味深い研究分野です。自然界の法則に根ざした直感や行動が、現代の社会的ルールとどのように関わっているのか、さらなる研究によって明らかにされることが期待されます。

まとめ:ADHD傾向がゲーム体験に与える影響

具体的なデータや統計に基づいた証明はまだありませんが、ADHD傾向を持つ人々がマリオやロックマンのようなアクションゲームに苦手意識を持つことは、一つの興味深い仮説です。これらのゲームではキャラクターを走らせたりジャンプさせたりする操作が必要ですが、その物理法則は現実世界とは異なります。この違いが、ADHD傾向のある人々にとって特にプレイしづらい原因となっている可能性があります。

この話題について、自分自身の経験やゲームに対する得意・不得意がある方は、ぜひ共有していただけると嬉しいです。皆さんの体験をシェアすることで、この仮説に対するさらなる理解を深めることができるかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。ゲーム体験に対するADHD傾向の影響についての探求は、今後も続くでしょう。読者の皆さんからのフィードバックや体験談が、このトピックに対する理解を深める貴重な一歩になります。

動画版:


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