たびにっき。その1 いきあたりばったり熊野古道

たびにっきって書くと、がんばれゴエモン臭がするよね。
まぁそんな事はどうでもよくて。
世間はお盆休み真っ只中。今年はコロナの影響もあってイマイチ外に出るのを憚られる感じだけど、折角の9連休。何か自分でイベントを起こさないとダラダラとただ無駄に9連休を過ごす事になると思い、どこか少し遠い観光地に行きたいと考えつつ色々検索。
それで見つけたのが熊野古道。家から電車で4時間、しかも帰りは18時発の電車に乗らないと当日中に家に帰れない。……たまにはこんな強行軍のいきあたりばったりでもいいかと思い、ジョルダンの乗換案内と那智駅から熊野那智大社への簡単な地図を写メで取って前日はおしまい。

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そして、当日。
朝早く目が覚めてしまい、くろしおが来る迄1時間程早く来てしまったのでコンビニで朝食を買って駅のホームで軽い朝食を取りつつ時間を潰して電車に乗車。南紀白浜とかもあるからもう少し人は多いと思ったが、自粛ムードで乗車率は60%程度。仕方ないね。そして白浜を過ぎると人は殆どいなくなる。まぁくっそ暑いしわざわざ熊野古道を電車で行く人はそんなにいないよね。

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んで電車に揺られつつ上のジョルダンの乗換案内を見ていてあることに気づく。太地から乗り換えを待つのに1時間。那智駅迄は約7km。ただ1時間待っているのは時間が勿体ない。しかも路線図をよく見てみると太地駅じゃなくて紀伊勝浦の方が那智駅に近い。歩くのであれば紀伊勝浦駅迄の特急券を買えばよかったと思いつつも太地駅で下車。この山道7kmを歩くか、電車が来るのを1時間待つかと考えていると那智駅行きのバスの停留所を発見。しかもバスが来るのは11:30…!これは僥倖と思いつつ、バスに乗車。バスに揺られつつのんびりと街の風景を眺めていると辺りの店はマグロ丼ばっかり。スマホで調べてみると此処は港も近く、近大マグロの養殖でも知られている場所なんだとか。やっぱり紀伊勝浦駅で降りればよかったとちょっとブルーな気持ちになりつつも那智駅に到着。時間は12時ちょうど。当初の予定よりも1時間も早い。しかも疲れてない!これは幸先いいなと思いつつ。那智大社&那智の大滝を見学に行く熊野古道散策スタート。

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さて、那智駅に降りたのは良いものの誰もいない。せめて2.3人は熊野古道へ歩いてても良いのではないかと思いつつも一人寂しくさっき上の方に貼ったpdfの地図を見ながら歩いていく。暑い……。舗装されたアスファルトの道とはいえこの上り坂を5km以上を歩かないといけない。しかも写メで撮ったPDFを見てみると大門坂迄で約1時間半。これは……大門坂に到着するまでに身体が限界を迎えてしまう……!そんな事を考えつつ歩いているとバス停発見!しかも大門坂迄行ける。コレは渡りに舟だと思いつつ、バスに乗車。乗客を見渡して見るとどうやら同じ目的の人がちらほら。……これは大門坂迄歩くのは明らかに愚策だったようだ。

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遂に大門坂に到着!※バスで。
まずは近くの駐車場で水分を購入………めっちゃ車あるやん。
そう。やっぱり那智駅から歩くのは相当無茶だったようだ。バスで来てよかったと思いつつ大門坂を登りはじめる。


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夫婦杉の間を抜けつつ石畳を登っていく。大門坂は木々に囲まれていて殆ど日陰なのはありがたい……ありがたいけど、中々な上り坂。しかも石畳はキレイに敷かれているわけではないので結構足腰を使う。オッサンがひーひーはーはー言いつつゆっくりと石畳を登っていく間に小学生ぐらいの子がひょいひょいと登っていく。子供は元気だなぁ、そして俺は年取って衰えたなぁとか思いながら必死に登っていく。汗だくになりながら石畳を登る事30分。ようやく登れた。が、那智大社はまだまだ登っていかないといけない。ちょっと心が折れそう。

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ちょっと近くの売店で休憩。汗を拭いて空調の効いた休憩所で数年ぶりにカキ氷を食べた。身体の疲れもあったのだと思うが、生きていた中で一番美味しかったカキ氷かもしれない。

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カキ氷のおかげでだいぶ体力も回復した。此処からはちゃんと舗装された階段を登っていく。大門坂と違い日差しをモロに受けるが、先程よりかは楽な気がする。先程自分の遥か前を歩いていた小学生達はじゃんけんグリコ(じゃんけんをしてグーで勝ったらグリコで3段をのぼる。チョキで勝ったらチヨコレイトで6段。パーで勝ったらパイナツプルで6段登る遊び)で楽しそうに階段を登っていく。その様子をオッサンは微笑ましく眺める……余裕もなく死にそうになりつつもただひたすらに無心で階段を登っていく。

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那智大社の鳥居が見えた。ふと後ろを振り返って見てみると目の前にきれいな夏の山の景色が見える。気持ちの良い風景を眺めていると少し体力が回復したようであと少しの道を頑張る。

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大門坂からスタートして約1時間。ようやく1つ目の目的地に到着。正直なところ那智大社の事を全く知らずに此処に来たのでよく分からずフラフラと辺りを散策する事にした。子供の身長ぐらいはありそうな日本一大きいおみくじを引く。結果は小吉。人生コレぐらいが丁度いいと感じつつ記念に財布へとしまうと更に散策を続ける。

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此処へ来た記念に胎内くぐりというものをやってみる。願い事を書いた護摩木を持って写真の樹齢850年の木の中をくぐる事でその書いた願いが叶うらしい。

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更に散策を続けると今回の旅の目的地、那智の大滝が見えた。ゴールは近い。身体は結構ヘタってきたがあと少しで辿り着く。その気合で歩を進めていく。

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ようやく辿り着いた那智の大滝。日本三大名瀑の一つで毎秒1tもの水が流れているらしい。最初は何も考えずただ漠然と熊野古道行ってみるかー、だけで始まった突発的なプチ旅行だったがこの滝を見た瞬間此処に来てよかったと心の底から思った。もしかしたら家でyoutubeでこの景色は見れるかもしれない。けど、この景色は疲れて自分の身体に鞭打ってこそより良い景色になるんだと思った。

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さて、帰ろうと来た道を戻りバスでショートカットして紀伊勝浦駅まで戻るか、大門坂を頑張って気合で降りるかの2択を選ぶことになった。結果はバスでショートカット。来てよかった、この疲れがあったから良かったとさっきは言ったが、かなり疲れている。もう正直山道を歩きたくない。何を言ってるんだと思うが、オッサンの身体はもう限界に近い。なのでバス停で30分バスを待っていると……豪雨。バケツの水をひっくり返したかのような豪雨。さっきまで普通に晴れていたのがあっという間に天気が悪くなってしまった。ものの20分ほどで天気は回復したのだが……歩いて戻る選択肢を取らなくて良かったと心の底から思った。

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頑張ったご褒美にお滝餅なるものを頂く。薄くて平べったいアンコの入ったお餅で薄っすらと焼いていて美味しかった。

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さて、バスで紀伊勝浦駅へ戻って来たのは良いが、時間は16時。次の電車は18時。2時間ほど時間が空いてしまった。朝バスでこの辺を見た時はマグロ丼の店があちこちやっていたが、夕方のこの時間はシャッター街のような雰囲気でどこも空いていなかった。……大きなため息を漏らしつつ散策を続けると温泉を発見したので、そこで時間を潰すことにした。

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時間は18時。終電と言うには幾分か早い時間だが場所が場所だけに仕方がない。
紀伊勝浦のマグロ丼に思いを馳せつつも近くのコンビニで買ったネギトロ巻きを食べつつ今回のプチ旅行は終わりを告げた。