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🧠オーストラリアで居候してた話
紆余曲折あって知らないおじさんちに1ヶ月居候した話をしようと思う。
時は2010年にまで遡る。
20代半ばの働き盛りにワイはワーキングホリデーでオーストラリアにいた。
計画性?なにそれ美味いの?状態のアホなワイは日本で十分なお金を貯められず手元にはなけなしの10万が握りしめられていた。オーストラリアの地を踏んだ時には99880円にまで所持金が減っていた。空港でジュースを買ったのだ。
そんな状況にも関わらずなんとか帰国出来たのは偏に心優しいオージーのおじさん(シャレじゃないよ)の存在があったからだ。
おじさんとはアサートンという農村に向かうバスでたまたま隣同士の席になった事がきっかけで連絡先を貰った。
電話番号が書かれていた紙には「何かあったら連絡してくれ」といった内容のメッセージが添えられていた。
9万そこそこしか所持金のないワイが“何かある”までにそう長い時間はかからなかった。
早速電話し、たどたどしい英語でヘルプを頼むと、おじさんはすぐにケアンズのダウンタウンまで車で迎えに来てくれ家に連れて行ってくれた。
おじさんは一人暮らしで仕事で家を空ける事が多いらしかったが、娘や孫がちょくちょく遊びに来るので寂しくはないと言っていた。
居候のワイもまだ5歳の孫のシッターとして貢献したので娘さんからは大層喜ばれた。ちなみにこの娘さんはシングルマザーだそうだ。
隣家には小学生の子供のいる家族が住んでいて、日本人が珍しかったのかよく近くのスーパーなどへ遊びに連れて行ってもらった。
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おじさんの家では鶏を何羽も飼っており餌をあげるのがワイの日課になっていた。庭にはプールもあり暇な時はそのプールで泳いだり、時々おじさんの息子さんのツテで個人宅のハウスキーピングのバイトをしたりと割かし充実した日々を過ごしていた。
しかし、ある日を境にそんな平和な日々が一変してしまうこととなる。
あれは2010年大晦日だった。
おじさんと孫とワイの3人はクリスマスの余りのローストチキンを頬張っていた。
夕飯も食べ終え寝室に向かおうとするワイをおじさんが呼び止め、大事そうに抱えていたある物をワイに見せてきた。
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それはかなり古びた日本のAV、つまりアダルトビデオだった。
おじさんの意図を汲み取ったワイは危機感を覚えた。ここにいつまでも滞在するのは危険すぎる。ノーと言える日本人だったワイはその場をなんとか切り抜け部屋の鍵を閉めて眠りについた。
そして翌日2011年1月1日の良き日にワイは合鍵をおじさんに返し家を出たのであった。
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当時は裏切られたという気持ちがあり酷く傷ついたが、今にして思うとギブアンドテイクだもんなぁという気持ちの方が大きい。見知らぬ外国人を招き入れるギブに対してワイが返せたのは孫の世話くらいなもんで、それじゃ等価交換になっていない。
下心があったにせよ、あの時おじさんに助けられてなかったら一体どうなっていたことか。
最終的には喧嘩別れみたいになってしまったがおじさんも含め良くしてくれた皆が幸せに過ごせていますよう願うばかりである。
めでたしめでたし
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