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【VOGUE KOREA】TOMORROW X TOGETHERが今没頭している世界

「TOMORROW X TOGETHER」が輝く瞬間。(2021年11月26日公開)

スビン「ノスタルジア」

 スビンはノスタルジアに浸っている。彼は小・中学校時代に好きだった音楽を聴きながら夜明けを迎えたりする。「昔の歌を聞くとあの時の自分、場所、考えが自然に浮かびます。 イヤホンをして登校していた当時の僕のところへ連れて行ってくれるのです」スビンは幼い時からK-POPの熱烈なファンでアイドルのアルバムを集めていた。実家にあったアルバムたちを最近宿舎に持ってきたが、それらを見るたびに不思議な気持ちになる。それはK-POPで学生時代の空白を満たした彼が、現在は直接聴かせる当事者になったから。「アーティストとしての目標を聞かれたら、よく賞をもらったり、大きな舞台デビューを言いますよね。それも良いですが、私たちの音楽を聴くファンが後になって、当時を回想する時に幸せになってくれたらと思います。僕がそうだったようにね」スビンは音楽だけでなく、10代にやっていたゲーム、当時欠かさず見ていた芸能番組も再び楽しんでいる。「依然として面白いコンテンツがあふれていますが、『思い出補正』(昔体験したゲームやアニメの内容が美化され今の作品より面白いと感じる現象)に勝つのは難しいですね」スビンはますます多くの物事が消えていくことに残念でならない。先日訪れた学校前の軽食店も閉店してしまった。そこはスビンが友人と1,000ウォンずつ出し合ってトッポッキを買って食べた所だ。「思い出が一つ消えたと思うとなんだか不思議な気持ちになりました。どんな時代にも行けるタクシーがあるのなら、僕は中学生の時を目的地にします。 友達と楽しい思い出がたくさんあるからです。 今でも連絡しながら嬉しいこと、大変なことを一緒に分かち合っています」その日は、スビンがロールケーキを買い、母校の恩師を訪れた日でもあった。あまりお目にかかれず申し訳ないと伝え、当時の思い出話に花を咲かせた。スビンはデビュー後も引き続き先生たちと連絡を取っている。先日、PCに保存された2012年から現在までの写真を見た。昔の写真であるにもかかわらず、いつどこで撮ったのかがはっきりと思い浮かぶ。「だから私はたくさん写真を撮っているんだと思います。 撮影現場で食べたご飯、メンバーたちの面白い表情のように素朴な日常を捉えるんです。忘れていく記憶を写真に残せばそれは思い出になるから」スビンにとっては現在も大事だ。なぜなら現在も未来の自分にとっては振り返るべき過去になるのだから。「今は懐かしい中学生時代が、当時は辛かったです。 友達と喧嘩したり勉強するのに苦労しました。しかし時間が経ってからそれらがどんなに大事なことだったのか悟りました。 今TOMORROW X TOGETHERとして活動するのは忙しいですが、二度と戻ることのできない時間であり、人生の貴重な一部であることを知っています。 だからこそ、現在にもっと没頭しながら一生懸命生きたいのです」

ヨンジュン「ファッション」

 ヨンジュンにとってファッションは、挑戦であり自信であり表現法だ。「世の中の多様な服に挑戦して、自分のやり方で着こなせば面白いです。何よりも僕は人それぞれ持っている世界を大事にしています。音楽、ダンスだけでなく、服もその人の世界を紹介するメディアです」ファッションは、ヨンジュンを変化させた。「僕はもともと主観のはっきりしている人ではありませんでした。しかし、ダンスと音楽を習いながら成長し、またファッションに親しんだことで価値観が明確になりました。自己主張だけするのではなく、状況を広く柔軟に見つめながら、その中で僕自身が何を望んでいるのかを理解し守るようになりました」ヨンジュンは最近歓声を上げて観た映画『クルエラ』を例に挙げた。「主人公のクルエラがファッションに出会い、自分自身を見つけていくという内容も印象深かったです。特にダンプトラックから大胆なドレスを着て降りてくるシーンに圧倒されました。やはりファッションはその人のアイデンティティであり、自信ですね」そのため、ヨンジュンにはこれといった「スタイルアイコン」がない。デザイナーや周りの友達からファッションの刺激を受けたりもするが、ファッションのインスピレーションは自分から生まれる。ヨンジュンは中学生の時から本格的にファッションに関心を持つようになった。当時は「ペンキがついたような水色のズボンに赤いオーバーサイズのニット」を着たりして、その時から決して平凡なことはなかった。ヨンジュンはダンスと歌を練習してからファッションも大きく成長したと言う。今、彼のスタイルはメンバー全員が認めている。それは彼にファッションアイテムをプレゼントすることができないほどだ。代わりにヨンジュンは、メンバーや友達、練習生に服をよく買ってあげる。「その友達にはどんな服が似合うか悩む時間が楽しいです」ヨンジュンが服を着るのに一番好きな季節、冬がやってきた。ヨンジュンは暖かくて素敵に冬を過ごせるボンバージャケットとフードブレザー、手袋などを購入した。しかし、最近手に入れた最高のファッションアイテムは別にある。ヨンジュンの大好きなおばあちゃんがネックレスを譲ってくれたのだ。それはハート形のペンダントが付いた金のネックレスだ。「おばあちゃんの時間と愛が込められたネックレスなので、なおさら意味があります。まだ一回しか着用できていないんです」ヨンジュンはいつかもう一度服をデザインしてみたい。まだ決まってはいないがこれだけは明らかだ。「どんなものであっても普通ではなく独創的になるでしょう」

ボムギュ「写真」

 ボムギュはカメラのレンズを通して世界を見ている。「レンズを通して見ると目で見るよりはっきりしています。技術的な部分もあるでしょうが、より美しく表現されたりもしますね。もちろん夜空の星のように、カメラが完全に表現できないこともありますが」ボムギュはフィルムカメラの持つ感性が好きだ。現像を待つ過程も写真の一部だと思う。ポラロイドカメラも好きだ。シャッターを切り、フィルムに対象物が現れるまでにかかる数秒の待ち時間も一つの楽しみだ。ボムギュは練習生時代、メンバーたちとアメリカに行った時から本格的に写真に関心を持っていた。「もともと自然が好きだったのですが、今まで見たことのない異国的な風景だったので、写真として残したかったんです」ボムギュのカメラには主に自然風景が収められる。「まだ遠出したり旅行することはできませんが、身の回りにも美しい風景が多いじゃないですか。最近は夕焼けが本当にきれいです。手元にカメラが無ければ携帯電話でも残します」彼は自分の写真には「撮影した人の心が確実に表れている」と付け加えた。彼が魅了された自然の風景は音楽としても表現される。ピンク色の空を眺めながらリラックスしている今の気持ちを曲で表現するのだ。ボムギュも人物の写真を撮るが、その主人公はもちろんメンバーだ。写真の中のTOMORROW X TOGETHERは、親しい人が撮影したからこその表情だ。「メンバーたちは嫌がるふりをしながらも、僕が引っ張っていって写真に残すと感謝してくれます。 スビンさんも最近ポラロイドカメラを買ったので互いに写真を撮ったりしますね」ボムギュはたまにその写真をファンに公開する。大規模な展示に足を運ばなくても、ファンと疎通できる今が良い。ボムギュはこれからもTOMORROW X TOGETHERの姿を写真でもっとたくさん残したい。「来年からはウィズ・コロナでMOA(ファン名)の方々に直接会えるじゃないですか。そうしたらもっとたくさんの思い出を写真で残せますね。待ち遠しいです」ボムギュが未来に残したい写真がもう一つある。「10年後の私の家族写真を撮影したいです。写真の中の30歳の私がまともな人間になっていることを願っています」

テヒョン「スポーツ」

 テヒョンはスポーツ精神で人生を送り、競技と選手から受けた感動を音楽で表現する。「とても運動が好きで、実際たくさんしています。暇があれば、バスケットボールやサッカー、アイスホッケーから格闘技、ボクシングまでくまなくチェックします。本がいっぱい並ぶ書店を通り過ぎると、なんとなくそれらが心の糧になるように、運動映像を見るだけで喜びが湧いてきます」彼がスポーツに熱心な理由は3つある。「スポーツと僕の今いる分野が似ています。まず、ファンの歓声があります。第二に、技量の後ろに多大な努力が隠れています。第三に、ずっとうまくいかなくても、大器晩成した彼らは、それ自体が美しいのです」テヒョンも幼い時、ボクシングをした。小学校の時に出場した全国大会がテヒョンにとって万人の前に立った初舞台だ。「いくつものリングで同時に大会が開かれているのに、なんだかみんな僕を見ているようでした。最後に審判が僕の手を上げて勝利を告げた時を今でも鮮明に覚えています」いつも熱心に取り組むテヒョンの態度は運動をしてこそ形成された。「子供の頃、先生の携帯ケースについていた亀の意味を聞きました。 亀はまっすぐに最後まで突き進むからだと言いましたね。僕も諦めない人になりたかったです。 ボクシングも、振り付けも、歌も頑張れば頑張るほど、良い結果が出ると信じています。スランプが来ても、2倍頑張って勝ち抜きますよ」テヒョンは2012年のロンドン五輪の時のレスリングのキム・ヒョンウ選手の言葉を引用した。「『私よりも多くの汗を流した選手がいれば、金メダルを獲得してもいい』僕も誰よりも頑張ってきました。かつて僕は生まれ持った才能が少ないと感じていました。今では才能はこの努力する姿勢だと誇りに思っています。よく『一生懸命』を熱い情熱で表現しますが、僕にとっては冷静な冷たい世界だと思います。落ち着いて持続的に頑張らなければならないですから」テヒョンの努力はこのエピソードにも表れている。彼がブルーノ・マーズの『When I Was Your Man』を歌ったとき、ボーカルの先生は彼に長文のメールを送った。「普段は何もおっしゃらない方なのに、『壁にぶつかっても挫折せずに挑戦する姿がすごい、お前が愛弟子1番だ』と言ってくれました。 今後も失望させたくありません」テヒョンはスポーツで受けた感動を公式に発売されていない楽曲「汗」に反映している。「汗はそれ自体が持つ物質的な意味を超えたまさに努力の証明です。選手たちが汗を流す姿に観客が感動を受けるでしょう。同様に、成長していくTOMORROW X TOGETHERも誰かに感動を与えているのではないかと思いました」彼はまだ多様な経験を積んではいないが、人生の大半をボクシングとステージへ捧げ熱心に生きてきたので、これからもその話を音楽で伝えてくれるだろう。

ヒュニンカイ「メロディー」

 ヒュニンカイはいつも楽器と一緒だった。生まれて初めての楽器はギター。父がいつもギターを弾いていたこともあり、3歳の時その小さな手で初めてギターの弦を触った。父の教えでヒュニンカイと姉は子供の時、一緒にギターを演奏したりした。今でも思い出せば心が温かくなる幼い頃の思い出だ。楽器はヒュニンカイにとって日記帳の代わりだった。心沈む時は演奏曲を聴いたり、静かなところで一人でクラシックギターを弾いたりした。演奏している中で自然に曲が完成することもあった。小学生の頃には既に「スマイル」をテーマにみんなで笑って幸せになろうという歌を作った。自慢大会が開かれると、堂々と楽器を演奏したりもした。「その時から人前で音楽をすることに少しずつ慣れたようです。中学校の時はバンド部を作ってくれと先生に頼みました。とてもやりたくて熱心にお願いをしたところ練習場まで貸してくれました。学園祭に立つほど、友達も喜んでくれました」ヒュニンカイはギター、ピアノ、ドラムなどをよく演奏する。7年ほど習っていたが、中学生の時に止めてしまったピアノを昨年から再び練習している。「いつかは曲を聴いただけでコードや流れを読み取り、僕だけのやり方でアレンジしたフリースタイル演奏をしたいです。その時には自分の空間にグランドピアノがあればもっといいですね」ヒュニンカイは新しい楽器も楽しんで学ぶ。この前挑戦した楽器は短簫で、ヴァイオリンやヴィオラのような弦楽器にも関心がある。ヒュニンカイが楽器を学ぶやり方は同時に彼の人生観でもある。「少しずつでも毎日練習しなければなりません。練習してもすぐには上達しない時があります。それでも練習して眠れば、次の日に実力がついています。楽器だけでなく、他の分野も同じで、根気強さが最も重要です」ヒュニンカイは演奏曲を作り続けたいと思っている。「1曲を完成させるためにはたくさんの投資をしなければなりません。その中でも演奏曲は歌詞無しで感情を伝えなければならないので難しいですが、楽器が好きななのでより楽に作業することができます。もちろん一番幸せな時は完成した曲を誰かに聴かせる時です。TOMORROW X TOGETHERとして活動をしている時も、僕たちの曲を聴いて喜んでくれる方々を見る時が一番嬉しいです」

最後に

 5人の言葉と第三者の語りが静かに進行していくこの記事がとても素敵だと思ったので今回訳してみました。それぞれが没頭する世界が今後彼らから生み出される作品にどれだけの良い影響を与えてくれるのか今からとても楽しみです。かなり意訳した部分がありますのでご意見等ございましたらお気軽にお寄せください。最後まで読んでくださりありがとうございました!



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