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「Web3.0の教科書」の感想

この本を読んだので、良かった点と悪かった点について感想を書きます。Web3.0の本を読んで感想をWeb2のnoteで書くのはどうなんや・・・と思いつつ、millorとかHIDEより圧倒的に書きやすいので離れられません。Web3.0はUI/UXが悪いというやつ。

筆者はブロックチェーンメルマガで有名なのぶめいさん。
粗探しを推奨しているので、難癖をつけたいがために購入した面もあります。炎上マーケティングかな?


良い点1:中立的な立場で書こうと頑張っている

のぶめいさんが本書を執筆するに至った経緯にもなっていますが、web3系の本はポジティブトークが大なり小なり入っていて、正しい情報が得られにくくなっています。
また事業的ポジションではなく、思想的ポジションの偏りで分散最高!中央集権はカス!みたいな意見になりがちなので、フラットに書こうと努めている本は貴重です。


良い点2:Web3は2の上位互換ではなく、「新たな選択肢」であることを強調している

昨年、伝説的になったツイートを見ればわかりますが、Web3に新規でのめり込んだ人は現在のものがすっかり置き換えられると思っている節があります。祭りは祭りだし、国家という存在がある限り、通貨も銀行も影響力が残ります。(これはポジショントークで本気でそう思ってる訳ではないとは思いますが・・・)
本書では、Web3.0の分散志向は新たな選択肢であり、中央集権ならではのメリットがあるWeb2とは並行して存在することを強調しています。


良い点3:おじさんに優しい

Web3キラキラベンチャービジネスマンの書く情報は、〇〇ニティとか特に英語化する必要ねえだろみたいなコンサル・ベンチャー文化丸出しで書かれていることが多く、一般人にはとっつきにくいと常々思っています。それが当たり前になっているため、違和感すら感じないのかもしれません。「バリュー出てる?」ってなんだよ・・・

本書は元々は上司に読ませるために書かれたためか、メルマガ用に表現を練る訓練を積んだためか、あまりそういう傾向はありません。
なるはやでよしなに!とか言っちゃう40代50代にも優しい本。
ただし、技術を語る以上横文字は出てきてしまうので、カタカナを見ると蕁麻疹が出るレベルの人には厳しい。

良い点4:ブロックチェーン界隈の集合知

純粋な最近のWeb3トレンドだけではなく、日本人はノーポジションのつもりでも日本円のポジションを持たざるを得ない「日本円ロング」問題や、新規でトレードに参入した投資家が狩られる「新人研修」イベントを取り上げたりと、これまで界隈で議論された内容が詰まっているので、新規者の気づきとなる要素が多いです。
Web3.0界隈というと結構キラキラベンチャーを指すことが多いので、あえて古来からのブロックチェーン界隈と書きたい。


悪い点1:ガチ初心者にはとっつきづらい

悪いという程ではないのですが、4ー5年分の情報量でぶん殴りにかかってくるので、とりあえず読んだろ!という軽い気持ちで読むとパンクします。
それぞれの単語の説明はしようと努めているものの、膨大過ぎて追いきれないので言葉の雰囲気だけ知りたいガチ初心者は、「教科書」に対しての「参考書」がいるかもしれません。
技術論である第3章のブリッジと第4章のBaaSは特に鬼門なので、一回metamaskでも触ってみないとわからない節はあるかも。


悪い点2:NFTに対する意見に偏りがある

マーケティングに力を入れて思考停止BUYを促すいわゆる「絆NFT」に対する苦言を述べていますが、トップダウンで展開して有名ブランドとコラボするBAYCは良いものとして、絆NFTは悪いものと批判するのは矛盾を感じるところがありました。コミュニティ主体か、販売者が主体かという点が分ける点かと思われますが、Punkだろうが猿だろうが岩だろうがKevinだろうが高値で売りたい仕掛け人の意志ありきなので、区分は難しいです。

価値のないものを売るミームと、価値のないものを売る詐欺との区別はもう少し明確に定義してほしかったです。

NFTをコミュニケーションツールと定義したことは本質を捉えていると思いますが、絆もコミュニケーションの一環ではあるので、どこで良否を判断するべきか。
マーケティングが鬱陶しいからVR系メタバースからWeb3系メタバースから嫌われたり、情報商材詐欺として捉えられるので叩きたくなる気持ちはわかるんですがね・・・

疑問点:ビットコインではなくイーサリアムの消費電力で語るべきでは?

Web3.0の課題として消費電力で環境圧迫するんじゃね?に対してビットコインはゴールドより電気を使ってないという反論をしていますが、スマコンで信用レスの話題が散々挙がったのならイーサリアムなどの電力で語るべきではないかと思います。(DYORしろと言われればそれまでだが)

この記事によるとPoW時点でビットコインの7%にも満たないようです。去年のアップデートでPoSになったため、0.02%程度になる見込み。語るまでもなかった。NFTなどの取引が活発化しても余裕で賄えそうですね。

https://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/blockchaincourse/1326645.html



終わりに

難癖つけるために悪い点をあえて挙げましたが、トータルで見ると良書なので、買って損はないと思います。これまでのWeb3.0のネット情報は人の意見をそのまま垂れ流しているだけで、自分の言葉で説明できていないものが多く見られました。(某OpeanSeaとETH島のように、独自説明がおかしいものもある)

本書はすんなりと腑に落ちやすい表現で書かれており、そこそこディープにWeb3.0に入りたい人が最初に読む本、そこそこブロックチェーン技術を追ってきた人がこれまでの振り返りとして読む本としては非常に良かったです。


誤植を見つけたので図書券FTください

P232のコラムで「暗号”試算”取引所」になっています。
報告したら1MONAくらいもらえないだろうか・・・



おまけ:儲かるには何買えばいいんや問題

仮想通貨の本買う奴なんて資産100倍!ガハハ!したいのが99%で結局何買えば儲かるのかを知りたいというのが本音。
本書から考察するなら、本格的に遊べて、金銭的インセンティブ以外の価値を付加できるBCGの台頭がキーポイントになると思われる。

度重なる延期とパトロンのFTX死亡でオワコンになったStar Atlasくんが頭をちらついて、思い切った買いは永久にできなさそうだが、BCG情報はウォッチしていけば2025年には100倍になる銘柄を見つけられるかもしれない。
もしくは脳死でBUY BITCOIN。

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