最近のよかったこと

最近ちょっと忙しい。でも触れている作品やら何やらはすごくいい。
でもでも、社会の状況は辛すぎるからやってられないよって気持ちが強いので、今週は楽しかったことだけちまちま書きます。

ここふたつきほど『G線上のあなたと私』を観ながらテレビの前で転げ回ってる。んきゃぁ〜〜って。
これを書くために携帯のメモ帳を見返してたら、1つ前の回の「人間関係の種類が愛とか恋とかだけだったら悲しいと思わない?」ってセリフがメモられてて、シーンを目撃しながら痺れた自分を思い出した。すごくいいセリフだし、すごくいいシーンだった。
それに続く今週のG線も最高で。
会社で水曜日に、「観ました? 昨日のG線」って聞かれて、「え〜〜今週リアタイ逃して観られてないです!」って話をして、急いで木曜日の夜に観て金曜日に「観ましたよ!!! ほんとめっちゃよかったです!」って話をした。ひとしきり盛り上がった。
こう、火曜日に話したことをきちんと覚えていて、金曜日に話をするというような、遠い時間の間で会話のボールをぽーんぽーんと投げるのが好きなので、嬉しい。ここまで含めてドラマは楽しい。

ドラマは『時効警察』もいい。反復していくと面白さが増すドラマなので、後半の回に行けば行くほど楽しい。空気階段が出てる回、めちゃくちゃよかったし(趣里を密かに推してるのもある)、最終回もすごい豪華だったな……。
最後の最後の「こーひーいれろぉい」のシーンは良すぎて、こういう深夜のズラしコメディなテンションのドラマで、ああいう煌めきのあるシーンを差し込まれるとクラっとする。ずるい。

最高といえば『いだてん』は本当に素晴らしいドラマで、あともうほんの少しで終わりなのが悲しい。もっとずっとずっと観ていたい。
製作陣が奮闘し、記録を集め、史実を導き、そこから限りなく現実に肉薄したフィクションを紡いで、今現在に放映する意味がものすごくある作品に仕上がっている作品なので、自分の元に届くまでを想うだけで胸がいっぱいになる。
実を言うと3週間分くらいまだ溜め込んでるので、まだ6本くらいはあるけど、悲しいなぁ。
悲しいから、徹底的に分析して向き合って文章に書き残したいな、と思う。

胸がいっぱいになるドラマといえば、私の好きな脚本家の坂元さんがひっそりと自筆イラストのトートバック発売していて、それが届いた。謎麺バッグ。
会社がフリーアドレスなので、社内用の荷物入れに今まではロロのいつ高のトートを使っていたけど、印刷がぽろぽろ取れ始めていたのでちょうどよかった。会社で使っている。ロロの方は家で大事に保管。
ええい、仕事がしんどい、と思ってもちらりとPC画面から目をそらすと坂元さんのイラストがあって、『カルテット』のこととか思い出せる。最近『カルテット』のありすちゃんみたいなあり方が肯定されること、この世ですごく救いだなと思う。したたかに生きて「人生ちょろかった〜〜!」て叫ぶ人生。したたかに生きよ、って思う。

あとはひさびさに、穂村弘のエッセイを読んでた。最近なんというか、世界からこぼれ落ちてしまう人の、世界への憎悪が誰かをさらに傷つける連鎖がTwitter上で目につくなって思う。
ぐぐぐぐ……って、もう何もかも見たくなくなる。
ほむほむ(なんか、わたしは普段穂村さんのことをほむほむと呼んでいる)もまたこぼれ落ちた人間でありながら、さらに誰かを傷つける連鎖に自分がいることに自覚的なので、ちょっとほっとする。
そして、ほむほむの文はその苦しみの感覚ををきちんとわたしの中に染み込ませてくれる。人のことはわからないし、わかったつもりになっても直ぐに忘れて、不必要に傷つけてしまうことがある。だから、読むことで他人の中身にはこういうものが転がっているかもしれないってものを思い出させてくれるものは有り難い。

今から振り返ると、現実世界には入れない私にとって、本屋は世界の玄関のような場所だったと思う。世界のなかで自分が辛うじて身を置くことのできる唯一の場所。私は、玄関で靴を脱ぐことも思いつかないまま、ぼんやりとそこに二十年近く立ち尽くしていた。
三十歳を超えたとき、あ、そうか、と思いついて靴を脱いであがってみた。それから十年かけて、廊下を二歩ほど歩いてみる。
今、四十二歳だ。この廊下の先はどうなっているんだろう。人々の声が聞こえる。笑っているみたいだ。みんなはそこで何をしているのか。私はもう少しだけ先に進んでみようと思う。だが、手には靴をもったまま、何か怖い目にあったら、すぐに玄関に引き返すつもりだ。

これは穂村さんの『本当はちがうんだ日記』の一部分。結局わたしは、こういう玄関から廊下へ進むことを喜ばしいことだと思っていて、『勝手に震えてろ』のヨシカが世界とのつながりを持てることや、星野源がエッセイを経ていくごとにこの世との関係を紡いで広げていくことに感動してしまうなぁと思う。

そしていま、ラジオで星野源のANNを聴いている。
ワールドツアーの話をしていて、あまりにもそれが尊かった。上海のライブに来ていた中国のファンの人からのお手紙や、日本から上海のライブに来たファンの人のお手紙がめちゃめちゃに良くて、星野源とファンとが通じ合っていてライブや作品を通して大きなコミュニケーションが繰り広げられている。

緩くて、でもちゃんと通じ合っている関係性を少しずつでも築いていきたいなと思う。
そういう行動のための第一歩と思いながら昨日、鳥公園のクラウドファンディングのパトロンになった。
身近なところでも、なるべくゆるゆるとコミュニケーションしていきたい。

#日記 #エッセイ

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