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フリーランスになる前に知っておきたいこと

2014年にブログに書いていた「社員がフリーランスになる前に教えておきたいこと」の、アップデート。

1: 収入の一定パーセントを貯蓄しよう

収入の10%〜20%を、お給料日に自動振り込みで貯蓄する。お金持ちになる唯一の方程式は「収入>消費」。この状態が強制的に維持されるように、仕組みを作る。これが人生を安定させるために一番重要なことです。


2: 生活資金を半年分ためよう

無収入状態でも3〜6ヶ月生存できる貯金を作る。生活費の安全バッファは、大型案件や、お金にならないチャンス案件を手に入れる最低条件。安全バッファがないと生活費のために、自分を切り売り仕事しつづけることに… チャンスが来た時に、今月の家賃代が理由でチャンスを見逃さざるを得ないとか悲劇です。また案件トラブルでの一発ゲームオーバーを防ぐ、セーフティになります。


3: キャッシュフローの重要性を学ぼう

キャッシュフロー(というか瞬間に捻出できるキャッシュ)の意味と、確保の仕方を学ぼう。50万円必要になった瞬間に、50万円を用意できること。これは自営業の必須スキル。もし用意できなければ、クライアントの支払いが滞っただけで破産します。よい借金や、レバレッジ、当座の現金の作り方を学ぼう。


4: 目先のお金で仕事をしない

10万円の仕事を探していたら、10万円の仕事しか来なくなります。目先の利益につられると、それが自分の限界点に。直近のお金目のための仕事を減らしましょう。数年後の自分のチャンスやスキル、立場を最大化する案件を優先する。1-3番のお金の話は、すべて4番を可能とするため。


5: 仮説、利点、欠点、リターン、リスクを説明できるようになろう

クライアントへのあらゆる提案、行動からフィーリングを排除していく。色、レイアウト、実装方式、採用技術あらゆる提案に対し、仮説、利点、欠点と、採用時のリスクとリターンを即座に説明できるようにする。世のデザイナとエンジニアの99%はこれができない。これができるだけで、大きなアドバンテージが手に入る。


6: 伝説やサクセスストーリーを真似ない

サクセスストーリーは、現実にはまず起こりません。サクセスストーリーは実在しないからこそ、物語として価値がある。映画で大量生産されている「たった1つの真実の愛の物語」とかと同じです。真に受けてマネをすると基本的に失敗します。どうしてもサクセスストーリーが欲しい人は、鉄壁の座組みでまず滑らない成功を目指しましょう。そのあとでプロモ用に、エモいストーリーを演出すべきです。


7: 作品と商品がイコールでないことを学ぼう

自分が天才か巨匠でないかぎり、作品と商品の違いは常に意識しよう。クライアントはパトロンではありません。クライアントが求めているのは通常、「支払った金額に見合うリターンがあるか?」「お金を払うだけで問題が解決するか?」「安心をお金で買えるか」といったこと。どうしてもワガママを通したい作品は、余暇に自費で自由にやりましょう。


8: クライアントとユーザーの世界観で考えよう

プロジェクトで望まれるもの、問題点、疑問、メリット、リスク、利害など…あらゆる要素を、「クライアントとユーザーの視点」から俯瞰しよう。説明も、クライアントとユーザーの言葉で説明できることが大事です。他人の視点からものを説明できるようになること。それができて、ようやくチーム内で意見を通す事ができます。


9: モチベーションの維持の仕方を学ぼう

思い通りにならない案件との、折り合いの付け方を学ぼう。商品を作品と考えている限り、提案が却下されるだけで心にダメージを受けます。風向きの悪くなった案件だからといって、こなし作業にしては損しかありません。むしろ、ダメな案件では「ライブラリの最適化」、「字詰め」、「ショートカット憶える」など自分テーマを決めて、「クライアントからお金をもらいつつスキル練習できてラッキー!」と時間を有効活用することが重要。


10: 賞味期限の長いスキルに投資しよう

スキルや自己投資には賞味期限があります。「明日から使えるクールなCSSエフェクト30」みたいなものに投資をするのはやめよう。それは消耗品のスキル。優先すべきは多分野で応用がきくような、賞味期限の長いスキルです。プレゼン力、学習プロセス、思考の組み立て、意思決定、観察眼の精度・・・そういったものに投資をしよう。極論すれば、明日から農業や車のセールスを始めるとしても使える、「現在のジョブから遠い分野で転用できるスキル」を優先して学習すべき。


11: コミュニティに貢献しよう

一番大事なことです。ブログ、オープンソース、勉強会・・・etc。なんでもよいので、業界とコミュニティに明解な形で貢献しよう。スキル、経験、情報、チャンス、仲間、仕事、あらゆるものが貴方の周辺に集まります。与えたものは必ず何倍にもなって返ってきます。主要なオープンソース・プロジェクトの有力コミッターで、職に困る人などまずいません。退職するまえに、コミュニティに確固たる地盤を築きましょう。


2014年にギルドのメンバー向けに書いた記事ですが、今でもしっかり機能すると思います。独立を考えてる人は、数年まえからこんな感じで仕込んでいくとよいのではないかと思います。

いただいたサポートは、コロナでオフィスいけてないので、コロナあけにnoteチームにピザおごったり、サービス設計の参考書籍代にします。