見出し画像

ピアノ を 食べる

「わがままが出るようなときは、もっと自分を信用するといい。わがままを究めればいい。僕の中のこどもが、そう主張していた。」


何にも興味が持てなかった主人公外村は、体育館で調律師の板鳥と出会い、ピアノの虜になっていく。
調律師となった外村は、お客さんの求める音と、自分が良いと思う音、つまり現実と理想の間で悩み考える。
羊はフェルトハンマーの羊毛、鋼は弦。森は、ピアノの音色を追究しながら進み、迷う場所を意味する。
森をさまようような日々の中で外村は、正反対のピアノを奏でる双子に出会う。
しかしとあるアクシデントから妹・由仁はピアノが弾けなくなってしまい、姉・和音はふさぎこむ。
双子の復帰、それぞれの夢。
「ピアノを食べて生きていくんだよ」
「私もピアノで生きていくんです」
板鳥、先輩の調律師、双子、様々な人と関わる中で、外村は調律師として成長していく。


羊と鋼の森 /宮下奈都



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?