2020年12月の記事一覧
あれ以来、火傷の少女の姿は見ていない
「自由になりたくないんです。この靴をはいたまま、標本室で、彼に閉じ込められていたいんです」
主人公は、働いていたサイダー工場で薬指の先を欠損させてしまう。
肉片はサイダーの中に沈んでいった。
サイダー工場を辞めた主人公は、「なんでも標本にする」という弟子丸氏のもとで働き始める。ー楽譜の音、鳥の骨、火傷の傷の跡、火事のあとに生えたきのこーなど、繰り返し思い出し、懐かしむための品物を持って来る人は
君の前前前世から僕は
壁画を描いていたクロマニョン人の私。
強制収容所で餓死したドイツ人の私。
そして現代の東京に生まれ変わった私。
生まれ変わり3人目である井上由祐は、ようやく運命の恋人キャロラインホプキンスに出会う。
彼女は井上のいう「堕ちた女」で、その更正の途中に出会った高橋陽平から「人類は今三周目にいる」といわれる。
人対自然であった一周目。
人対人であった二周目。
では三周目は人対?
何回生まれ変わって