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想いでの記憶

久しぶりにノートを書きたくなって。

自分がいつも辛いときに思い出す出来事があるのです。

小さいころから1人で居ることが多かった私。
唯一大好きな場所があって
それが祖父の家だった。

小学校6年間という短い期間の休みのほとんどを
私は片道1時間かけて電車とバスを乗り継いで行くようになった。

お盆は「おしょろいさん」とかよく聞いたけど、
先祖の位牌をたくさん出して、1つ1つにたくさんのごちそうを
置いて、1日4~5回入れ替えをする。
お団子を一緒に作る。

お正月はお餅つきをして

春には「おこしもん」というお雛様のお菓子を作る。

それが無い日は祖父が水族館に連れて行ったり
動物園に連れて行ってくれたり、
好きな本を買ってくれたり。

祖母の内職の工場で裁縫をしたり、おままごとを庭でしたり
本当に大好きだった。

その中でも一番自分の中で記憶に残っている出来事がある。

小学校6年生くらいの時に
祖父と出かけていた時に、6車線ほどある大きな交差点の信号を渡っていた
知的障がいの30歳くらいの男性がいた。

その瞬間!

その男性が、
5センチくらいに切ったチラシの紙(何かわからないものだった)
をたくさん持っていて

それが風で30枚くらい吹き飛ばされたのだった。
その紙を飛ばされた男性は
「ぼくのー!!ほくのー!!いかないでー!!」って叫んでいた。

と、祖父は

青信号になった交差点(車が動き出している)に迷わず走っていき、
「おー!!大変大変!!」って
拾っていた。

もちろん、車にはクラクションを鳴らされている。
だけど、たくさん拾って、その紙を男性にどうぞって渡してあげていた。

祖父は本当に優しい人だった。
何度思い出しても
その優しさは溢れているだけで。枯れなかった。

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想いでは「複利」なんじゃないかと思う。
大好きだった祖父と祖母は、もうこの世に居ない。

でも、自分が大人になって思う。

祖父も、祖母も心の中に居る。私の中に。

想いでは色あせないし、大きくなってきて本当に辛いときに支えてくれる。

そして、私も子供たちにそんな想い出をたくさん残してあげたいと思う。


いつも見てくださりありがとうございます😊