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ノラカドウ_発見17 「見た事が有る」と「見た事が無い」の間

今回の物件をノラカドウとすべきかどうかで迷ってます。なんとなく発見10の物件と同じように見えるけど、実は違う。そんな気がしてならない。いずれも放置された自転車に植物が絡んでという事なんだけど何かが違う。そこが引っかかる。この二枚の写真を意味解きor意味付けすると、なんだか主題となるところが違います。発見10の主題は生起している状況で、今回の物件の主題はキレイに咲いた朝顔ってことみたい。発見10では、その状況に意味を読み取ってノラカドウとしたわけですが、今回の物件は朝顔が発散するものが強すぎて、なんだか当たり前の花の写真としての物語しか読み取れない。紋切り型で安心できる構造です。どこかで見た事が有る感じです。ところで「見た事が有る」ってのは曲者です。「見た事が有る」と「見た事が無い」の間に、たぶん面白さというものが有るんだと思います。完全に「見た事が有る」ようなら、それは出来のいいコピーと言うかパクリみたいなもの。一方で「見た事が無い」ものは、実は認知されにくい。認知していない状態から認知する瞬間で観察者はなんらかの跳躍をする。それがノラカドウ認定における重要ポイントだと思います。この手の話は脳科学者なんかがキレイに解説してくれそうだけどね。で、まあこの物件に「認知される瞬間」は有ったの?と考えてみる。実はこの物件、いつもの通勤路で発見したもの。夜型人間の常で、世間に較べればのんびり出勤のせいか、朝顔が咲いている時間にここを通ることがない。たまたま早朝の時間に朝顔が咲いているのを発見した。で「見た事が有る」景色を切り取ったというわけです。でもね。それって「認知していない状態から認知する瞬間で観察者はなんらかの跳躍をする」ってことでもあるでしょ?だから迷うのです。これを「朝顔が咲いていて奇麗だった」で済ませたい気持ちと、それじゃノラカドウじゃないんじゃね?ってのが入り交じった気持ち。まあ無理矢理でノラカドウ度20%ぐらいの物件なのかな~? 家元としてはこの辺のブレ具合は見逃していただきたい。てゆうか、この先この手の物件が出てくるとなんだか悩ましいのです。


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