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ニューヨーク市の夏、意外に高温多湿

 ケッペンの気候区分に照らすなら、アメリカの東海岸は日本と同じく温暖湿潤気候、かつニューヨーク市の緯度は約41度です。つまり、ニューヨーク市の夏は、おおかた青森市の夏と同じような気候なのかな、と大雑把に予想できます。
 夏が来る前に、私がそう考えていれば、高温多湿であることを意外だとは感じなかったかもしれません。とはいえ、私は夏に東北地方へ行ったことがありませんので、いずれにせよ初めて体験する夏の様相ではあるのです。というわけで、ニューヨーク市の夏を実感した出来事を、書き留めておこうと思います。

初めて、日焼け止めが眼に沁みる

 ニューヨーク市に住む日本人の方々が数多の記事で書かれている通り、陽ざしが強いです。快晴の昼は白い道に反射する日光が眼に焼き付きそうです。そのうちサングラスを買おうかな、買うなら眼鏡に付けられる形態のにしようかな、と考えているうちに、眼より先に肌が焦げそうだったので、日焼け止めを買いました。
 それまでの私にとって、日焼け止めを買うとは、スーパーのレジ横に吊ってある保湿効果の高そうなものを買い物かごに放り込むことでした。このときも私は、薬局に置いてある手頃な値段のものを購入して、いそいそと帰宅した訳です。これまで通り、適当に掌に取って、いい加減に顔に塗布。
 これが沁みたんだ。涙が止まらない。
 慌てて検索したら、同じ悩みを抱えた人が沢山いるようでした。販売地域やブランドに限らず、日焼け止めを使う際にはよくあるトラブルみたいです。主原因たる成分は特定されていない、というより紫外線を吸収・散乱する成分はどれも眼に触れると沁みるらしく、とにかく日焼け止めが眼に触れないようにする (例えば、汗で落ちにくいものを選ぶ、瞼の端までは塗らない、等) というのが主な対策になるそうです。
 参考にした記事へのリンクを以下に貼っておきます。

 浅く検索しただけでは、なぜ日本で使っていた日焼け止めは沁みなかったのに、渡米後に買った日焼け止めは沁みたのか、というところまでは解りませんでした。成分がかなり異なるようなので、私にとって沁みやすいものと沁みにくいものがあるのかもしれません。検討を始めると長くなりそうなので、またの機会に詳しく調べてみようかな。きっと個人差の大きい話になるので、改めて記事に起こすかどうかは謎です。
 化粧品の類に全く興味のなかった私をして、日焼け止めと真剣に向き合わせるほどの、ニューヨーク市の陽ざしの強さ、侮れん。

湿気に潮が香る

 晴れている時には目と肌とで夏を感じる一方、曇っている時には鼻で夏を感じます。雨が降る少し前に立つ、濡れた土のような匂いです。ニューヨーク市での雨は、急に降って急に止むことが多いので、滅多に嗅ぎませんが、街中を少し外れると、たまにその匂いを感じることがあります。
 それが潮っぽい。
 盆地育ちの私にとって、雨の匂いと言えば土の匂いに草や木の匂い。ところが、海沿いの都市ではトップノートに潮の香りが立つんですね。初めて嗅いだ際は、かなり新鮮でした。東京や横浜の海岸付近でも似たような香りがするのかしら。日本に帰ったら、天気の良くない日に訪れてみたいです。
 始終どこかしら工事中の道路や、市営地下鉄の駅などでは、時々ガスやゴミの臭いに鼻をつまみたくなることもありますが、公園や遊歩道での街路樹や海の匂いは好きです。カバみたいに鼻の穴を自由に開閉できたらいいのになあ、とぼやきたくなりますが、このごった煮な感じこそ、ニューヨーク市らしさなのかもしれません。

"Are you OK?"

 先日、買い物がえりに道を歩いていたら、横から突然 "Are you OK?" と声を掛けられました。驚いて振り向くと、見知らぬおじさんが眉根に皺を寄せて "Are you OK? Do you need a water?" と。どうやら心配してくださっているようだったので、にっこり笑顔で "No, thank you." と言って去りました。ノーサンキューよりドントウォーリーの方が幾らか礼儀正しかったかしら、などと考えながら。
 おそらく、暑い中で重い荷物を肩にゆっくり歩いていたのが、なんだか倒れそうにみえたのでしょう。そうでなくとも、寝不足でぼんやりしているとか、考え事で空中を見つめているとか、そういう自分にとっては何でもない時によく「大丈夫?」と訊かれます。日本でも親しい人に気を配られることはありましたが、ニューヨーク市に入ってからは特に色々な人から心配される機会が増えた気がします。その度に、ありがたい気持ちと申し訳ない気持ちが半分ずつ起こります。御厚意には甘えつつ、心配されすぎないように、夏バテに負けず元気に暮らしたいですね。英会話にも慣れたい。
 以上、私から見たニューヨーク市の夏について、語ってみました。当初ぼんやり思い描いていたより蒸し暑いですが、これまで暮らしてきた地域よりは月平均5℃くらい温度が低く、過ごしやすいです。これからも暇に飽かして、徒然と雑感を綴っていこうと思います。楽しんで下さったなら幸いです。
 それでは、また。


Today's Keywords (もとい、こぼれ話)

  • dermatologist : 皮膚科医。なんとなく買った日焼け止めでしたが、皮膚科医の推奨するブランドだったようです。確かに、目には沁みましたが肌は荒れていません。これからも丁寧に使っていこう。

  • sunscreen : 日焼け止め。サンオイルと同じ棚に置いてありました。サンオイルの方が占有率が高く、手に取りやすかったので、粗忽な私は危うく小麦色に染まるところでした。どちらにせよ紫外線を防止する効果はあるらしいです。違いは何なんだろう。

  • humidity : 湿度。知り合いの婦人に、これからもっと「ユミディティ」が高くなるからつらいよ、と言われたのですが、聞き取れず聞き返したところ、空気中に含まれる水のね、と丁寧に説明してもらいました。解った、「モイスチャー」みたいなものでしょう、と私が返すと、少し違うと言いたげな表情をされました。ちゃうんかぁ。まだまだ勉強不足です。