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嘆き全集

12
短編小説集
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2022年7月の記事一覧

痴呆

紫紺色の鬱汁をスプーンですくい、それを一滴づつ緩慢に、しかし狂いもなく正確に垂らす。音もなく湧き出るその泉が枯渇することはない。私はそれを毎日繰り返す。

ある日、私は本能がそうするようにあたりを見回す。当たり前のように、皆はそこからいなくなってしまったことに気づく。刹那、湧き出る紫紺色は消えてなくなり、かつての色を失った古びた花崗岩が姿をあらわす。私は、何千年にもわたる内省の末、何も疑問に思うこ

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手術

「これは君のためだけではなく、君の周りのみんなのためでもあるんだ」

と猫背の医師は男を念押しするように諭す。

「これ以上君が人の心を慈悲もなく破壊し、腐らせないようにするために」

男は「わかった、わかった」と医師の話を遮る。オペ室の看護師は、血の染み付いたサメの刃を持つ電動鋸を携え、床に落ちた食べ物を見るような、同情と憐れみ、若干の軽蔑の混じった目で男を見つめる。

「でももう大丈夫だ」と医

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