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大連に行ったらPCR検査を受けることになった話

中国青島在住の藤田です。題名で全てが終わってますがせっかくなので書いておきたいと思います。

時事ニュース的なものは省きますので適宜けろっとさん等のツイッターをご覧になっていただければと思います。


先々週あたりに大連に行く用事があって大連に行きました。最近は北京で少し感染者が出たものの中国国内の新型コロナウィルスの状況は比較的落ち着いてきており、都市を跨いだ往来も結構行われています。

我々が大連に行った飛行機もほぼ満席でした。(もちろん便数はいつもより少ないのだと思いますが)

それで大連で一泊して普通に青島に帰ってきたんですね。そしたらそのほんの数日後に「大連で新規感染者発生」というニュースが出たんですよね。

ただし新規感染者の出た場所は我々の行動範囲とは大きく異なっていましたので、まあ一安心と思ってその後しばらく普通に過ごしてたんですね。

そしたらですね、かかってきたんですよ、電話が。
*本当は他の人に電話がかかってきたんですけど、話の進行上その辺はめんどくさいので自分にかかってきた感じで書きますね。(適当)

電話の相手は公安の方です。もちろん用件は「あなた直近大連行ったよね?」と。

「行きましたけど関係ありますか?感染者の発生した場所とは離れてますよね?」って返しますけどその辺はやはり問答無用ですね。

というかまずそもそもなんで我々が大連行ったって知ってるんですかね?って感じですよね。
*どうでもいいですけど中国語で「そもそも(少し相手を責める意味合いを持った『本来』の意味)」に該当する言葉ってなかなか難しいみたいですね。同僚が中国人同士で話しているのに、中国語の間に「そもそも」を差し込んでいるのをよく耳にします。いや、相手日本語わからんけど。

それでなんで公安の方が我々が大連行ったのを知ってたのか?って話ですけど、中国は誰がどこに行ったかをトレースする「健康コード」なる仕組みが良くも悪くも発達しているので、まあそれでわかったのかなって思ったんですよね。山東省のはこんな感じです。

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それでも気になったので一応聞いてみたら「大連のホテルの宿泊者名簿をもらって山東省在住の人を探して電話かけてる」とのこと。結構アナログ。

そんなこんなでその時はどこに行ったかだけ聞かれて電話は切れたんですね。


明くる日会社に行ったら総務の人が「ちょっと面倒なことになりそうです。」と。なんですかね。

我々の行った場所は感染者の行動範囲からは離れていたのですが、山東省(の公安?)は「とりあえずお前らPCR検査受けろ」と指示していると。

「いやまじですかそんな大げさな」とか思うんですが、そこは中国、もう仕方ないんですよね。

それで行きましたよ。PCR検査に。人生初PCR検査。

検査は全部で2種類3回。血液検査とPCR検査×2。

血液検査は普通の血液検査です。血抜くやつ。

そしてそれが終わるとようやくPCR検査本番。どんなところで検査するのかと思ったらなんとこんなところ。

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遠景なのでわかりづらいですが、写真中央左の青いテントです。ほぼ外なんですね、外。

まあ確かに考えてみると室内は感染リスクが高そうだし外でやるのが合理的ですよね。

行ったら3人くらい並んでましたね。なんでも入院する人とそのお見舞いに行く人はPCR検査必須なんだとか。どおりで大きな荷物を持ったおじさんがいるわけだ。

検査自体は流れ作業ですね。インフルエンザの検査とおんなじなんですか?僕はもう20年くらいインフルエンザにかかったことがないのでインフルエンザの検査の方がどんなものかわかりません。

とりあえず二本の長い綿棒を、完全防備のお姉さんが容赦なく鼻と喉に一本ずつ差し込んでくるんですね。意外と入る入る。クックックッ、オエッ、みたいな。汚くてすみません。

我々の前で検査してたお母さんは痛いらしくて泣きそうでした。かわいそう。

検査自体は30秒くらいで終了。「明日の朝8時までにはSMSで結果が通知されますから。」と言われてそこでその日はおしまい。2回目のPCR検査は次の日、1回目の検査から24時間後以降らしいです。

(PCR検査って鼻と喉に綿棒を突っ込む作業のことでいいんですよね?血液検査と鼻と喉に綿棒を突っ込む作業×2の一連をPCR検査っていうってことはないですよね?知りませんけど)

感染してないだろうと思ってても結果が出るまでは結構ドキドキですよね。

そしたら検査の2〜3時間後にすぐSMSがきました。

「あなたの検査は完了しました!」

え?陽性なんですか?陰性なんですか?どっちなんですか?

結局次の日の朝に陰性の証明書みたいなのが発行されて1度目の検査は陰性だったことが確認されました。

そして次の日もだいたい前日と同じ時間に2回目の検査。まあ2回目の検査は慣れたもんですね。

「また結果が出たらお知らせしますねー!」と保険会社の方に言われてその日も終了。その日は人がいなかったのもあり本当に一瞬で終わりました。20秒。

そうするとまた2時間後くらいに「あなたの検査は完了しました!」とのSMSが。

いやだからどっちなんだよ!!

でもそのへんで流石の私も思い至るわけですよね。陽性だったらとっくのとうにいろんな人がたくさん来てすぐ病院に連行されているってことに。あれですね、便りのないのは元気な証拠みたいなやつですね。

そんなこんなで陰性だったことが確認されてよかったですねめでたしめでたし。

とならないのが中国ですね。

陰性が確認された次の日、普通に過ごしていたら、大連に同行した一人から連絡が。

「健康カードが黄色になってる!」

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健康カードというのはその人が感染者と接触した可能性があるかどうかの安全度に合わせて緑→黄→赤と色が変わるんですよね。
(QRコードの下に、「あなたは直近1週間でPCR検査陰性だったことが確認できません」、的なことが書いてあります)

近くのスーパーも会社の建物や工場も健康カードが緑になっていることが入場の条件で、黄色や赤だと即入館拒否なんですよね。

もちろん陰性の結果をもらっているので問題ないのですが、黄色になったことがある人なんて青島にはほとんどいないので、職場の同僚は珍しがって大騒ぎですね。

総務の人は「陰性結果の証明書持ってますので、それ見せれば問題ないですよ、どこでも入れます」なんて涼しい顔で言うんですよね。

いやそうですよ原則論はね。だけどね、外国人たる我々は知ってるんですよ。身分証出せって言われてパスポート出すと必要以上に時間がかかるとか、HSK(中国語検定みたいなもの)のテストに「ビザの更新中ですのでこれがパスポートの代わりですよ証明」を持って行ったら「原本でないと不可」と言われて試験を受けられなかったとか、ざらですよざら。

そんなこんなでその日は外出は諦めて昼はデリバリー、夜は自宅へまっすぐ帰りました。

一応推測としては、「大連に行ったという情報と、陰性の結果がうまく連動しなくて間違えて黄色になったのでは?」という感じなのですが、なぜそうなってしまったのかは結局はわからずじまいのままです。

と、そんな顛末を本当は1週間前くらいに書こうとしたんですが、まさかまさかの、日本にいる私の妻の職場で感染者が出てしまったとかで、少し藤田家近辺がざわつきまして、これまであまり書けなかったということになります。

ちなみに妻も日本でPCR検査を受けましてもちろんめでたく陰性でした。

しかしながら妻の方は受けたくても保健所から受けさせてもらえず自力で受ける等、日本と中国の対応が大きく異なることを改めて思い知らされることとなりました。
*私は素人なので、日本のやり方がいいのか、中国のやり方がいいのかは判別しかねますしそういう議論は専門家の方にお任せしたいと思います。

そんなこんなで日中にいる夫婦が揃ってPCR検査を受けることになったけどどっちもとりあえず大丈夫だったよ、というのが今回の話です。

まだまだ日中の往来は簡単にはできない状況ですが、頑張って生きていきたいと思います。

僕からは以上。

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