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事業の方向性をデザインの力で支える

こんにちは、ふじけん(@kenshir0f)です。
普段はモバイルアプリやWebのUIデザインをメインで担当しています。

ユーザーの体験設計にフォーカスしてUIデザインしていると、ふと目先の目標に追われていることが多くなっていると感じたため、自分自身の振り返りも兼ねて事業の方向性を整理しました。その結果、自分だけでなくチーム全体を巻き込んで事業成長について考えることになったので、今回はその時の取り組みについてご紹介します。

事業責任者の頭の中を理解する

僕が開発に携わっている Komerco は、「モノで料理を楽しく」をコンセプトに料理が楽しくなるモノをクリエイターから直接買えるサービスを展開しています。ただ商品が購入できるサービスを目指しているのではなく、毎日の料理が少しでも楽しくなるような世界を作るために日々改善に取り組んでいます。
もちろん商品が購入されないと事業が成り立たないため購入率という大きな指標はありますが、Komercoをリリースしてから「購入後の体験」でユーザーがどう料理を楽しんでいるかが見えていない課題がありました。

モノが購入されてご自宅まで届けばそこから料理につながるのはなんとなくイメージできますが、Komercoというサービスにおいては「商品が購入されてクリエイターから発送された」以外の事象が可視化できていません。
商品が届いてから料理をするまでのアクションをKomercoにどうやって反映するのか、いきなり解を見つけるのではなくまずは事業責任者が描く未来を探るため、少しずつコミュニケーションしていきます。

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↑事業責任者の頭の中を探るため雑に送ったDM

事業責任者が描くビジョンをサービスに反映するために、話しを聞きながら図をベースにしてイメージをすり合わせていきます。

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商品が購入される前後、購入したユーザーはどんな体験をして、出品しているクリエイターには何がどうやって届くのか。たたき台を作りながら何度もコミュニケーションし、パッと見て理解できるよう図の精度を上げていきます。

チームの共通認識を揃える

ある程度サービスの方向性をまとめるイメージがつかめたので、次はチームメンバーに共有していきます。というのもチーム全体で共通認識を持って同じ方向を進まないと、ユーザーに価値を届けるベクトルがずれてサービス開発を加速させるのは難しいと考えました。
事業の方向性に関する話を僕自身からすることは多くないですが、自分が切り出した話なのでチームが納得できるよう全員に話していきます。

説明にはサービス成長モデルを図示して現状と理想について共有しました。

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この図はGo Andoさんの記事にある成長サイクルモデルを参考に、「今できていること」「今できていないこと」「できると回ること」を意識して作っています。
モノのクリエイターと購入ユーザーともにWin-Winになり、かつKomercoが実現したい世界はこうなのでは?というのをチームで議論し、優先的につなげたい道はどこなのか、チームでの共通認識を作っていきます。

この図のおかげで次にやる施策が見やすくなったのと、施策の成果指標が目標と一致しているか判断しやすくなりました。
チーム全体でサービスの目指す方向が見えてきたので、次に事業部として提供したい価値の優先順位を決めていきます。

UIデザインに落とし込む

優先順位が固まったら、次はユーザーに価値をどうやって提供するか、サービスに当てはめたときのイメージをデザインモックで示しながらチームで議論します。ようやくデザイナーとしての見せどころです。
モックで価値と体験を検証しつつ、アプリやWebでの見せ方やリリーススケジュールを考慮に入れてUIをデザインしていきます。

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チーム全体で事業成長の認識が揃っているため「目標を達成しているか」という観点で誰もがデザインレビューできるようになり、デザインする側としてもいろんな視点から意見をもらえると抜け漏れが減るのでありがたいです。

おわりに

事業成長の方向性をチームで考える機会を作った取り組みについてご紹介しました。
指標に追われたりものづくりに熱中すると、なんのためにデザインしているか見失うことが多いので、日頃から広い視点でサービスの方向性を捉えながら素早くユーザーに価値を届けていけたらと思います。

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ではでは👋

うちのごまお(ブリティッシュショートヘア)のおもちゃとチュールになります🐈