江戸モワゼルを数分ぐらいでギブアップした話。

はじめに
クソ素人が脳内に飼ってる『クソにわか知識でマウントとってくるオタクくん』がツッコミどころ多すぎて憤死したので、遺書がわりになんか認めとこうかなって思ったので書きました。タイトル通り1話すら見切っていないので批評とすら名乗れない弱者です。先に謝ります。

まず年始あたりから徐々に見かけるようになったCM。『江戸モワゼル』と言う名前のドラマが始まるらしい。へー。
女優さんのお顔があまりに現代メイクすぎて違和感やべーけどまぁ、忠実に再現しすぎてもあれだもんな、仕方ない仕方ない。
そんな気持ちになりつつ、まぁ見ることもないだろうなって思ったので記憶の隅にポイっとして数日。

録画かリアルタイムかは不明だが、家族が見始めたところにたまたまいた為暇潰しを金で隣で鑑賞をすることにした。

結果としましては『カフェで男性の手に触れた』時点で心の花魁オタクが死んだので観るのをやめました。
私は一体何分くらい耐えられたんですかね?
知ってる人は教えてください。


なぜイマジナリーオタクくんは死んだのか。

いろいろあります。
あります、と言うかだいぶ序盤からツッコミをしていたのですけど、私の中の花魁知識が『ごの゙びょ゙ゔじゃ゙ばだだじぐな゙い゙(この描写は正しくない)!!!』と場面が変わるごとにツッコミ通り越してキレ始め、途中で血管が切れたからです。
死因は出血多量です。サヨナラ。

いやね?「時代劇じゃないんだから多少のことには目を瞑れ」と言われたらその通りなんですよ。
なんならこちら、原作コミックの方があるようですがそちらは『正しい描写』なんでかなぐり捨てた作風であることが目に見えてわかるんですよ。
てか一巻が無料で読めたから読んだよ!!!!漫画おもろいやんけ!は??????漫画に忠実にやれや!!!

ごほん。まぁ、まぁ、まあ、ね。
実写化に伴い原作からあちこち弄られると言う現象は銘々よくあることでございますのでまぁそこはこれ以上ツッコミはしませんことよ。ぇぇ。

ちなみに漫画の方では、現代人が普通に作画、タイムスリップした方々は浮世絵風にと完全に分けて描かれていました。
それによりそう言う細かい事柄には目がいかなかったという感じもあったのかもしれない。

というか原作は結構花魁ネタもりもりだし、平吉くんとか一緒にタイムスリップしてきてた子とかもめちゃくちゃいいキャラだったからこそ面白かったんじゃない???と思いました。

でもそこはツッコミませんよ。
わたしはもう見ないので今後の展開とか内容はどうでもよろしいのですよ。
ただただ花魁というものの細かな描写がなってない!!というところに文句があっただけですので!!!!


それではツッコミを開始します

まず登場シーン。
あれなに???なんなの?罪人?

花魁って基本位の高い人物なんですよ。
江戸のどの時期かにより前後しますが少なくとも漫画内で「三回会いに来い!」という発言を行なっているので太夫か格子のはずだし…いや、でもこの二つは花魁とはまた違うんだったけ?
とにかく浮世絵で名が残ってて語り継がれるレベルは確実に散茶かそれ以上のまじの高嶺の花で間違いないんだよ。

それがな?なんであんな簡素な手引き荷車に乗っているのか?
高級遊女なんてそもそも外に出ることはほぼなくてね?基本は廓の中で過ごしているんだよね。
それこそ外を歩くなんて身請なんかで花魁道中するのが最後レベル。

なのになんであんな罪人スタイルで唐突に引かれて現れたの???
これが一番わからない。
あとその時に現れた謎模様何?チラ見しかできなかったけど二十四山?というかたぶん六壬式盤を参考にした感じの謎模様じゃなかった?なんで?
陰陽系のSF(すごくふしぎ)現象に見せたかったのかもしれないけど普通にダサいし演出的にも唐突で意味わからんってなりました。

シュールギャグとしてなら成功なんじゃない?知らないけど。


次、彼女のお化粧

あまりにも現代すぎ。
目元の紅薄すぎ。口紅塗りすぎ。ファンデももっと白系を選べ。ナチュラルメイクを中途半端に寄せたせいで不細工やぞ。
あ、いやまぁダサメイクでも顔が良ければ綺麗に見えるという新しい知見を得たんですけどもね。美人サイコーやったー!

花魁さんがいた時代はね、そりゃもう色が白けりゃ美人って評価で、顔はもちろん、喉首筋はもちろん胸元ギリギリまで白粉を叩くんですよ。
今だと舞妓さんがイメージとしては近いのかな?
ぶっちゃけあそこまでやっても綺麗だからやっちゃえばいいのに(予算?)(あぁ…)
んで紅っていうのも今でいう口紅のようなパキッとした発色したもんではないんですね。

紅花っていうお花から抽出しためっちゃ貴重な赤色の染料だったんです。『笹紅』とも呼ばれるそれは乾燥すると玉虫色と言われる不思議な光沢の緑になるんです。
参考リンク:https://www.isehanhonten.co.jp/beni/

上記のリンクをばーっと読んでもらったらわかると思うんですが、抽出もめちゃ大変、量もちょっとしか取れない、しかもこの乾くと色が変わる原理が今でもわからない(マジの不思議物質)
それを口に、爪に、目元に塗ってんの。
もうそりゃもうべったりと。 紅を惜しげなく使う女ほど注目されたからね。
高いけどそれでも付けたい!って庶民の女の子たちが似せた色を出すために墨を塗ったりしたらしい。(紅の下地に墨塗ると似た発色になるんだとかなんとか)

とにかく、それくらいの憧れの美しさなの。
それが!!!!
なんだ!!!!!!
あのべったりした真っ赤なルージュ!!!!!!!

綺麗だけどぉ!!!!!!!
どうせならそれっぽい発色出せる口紅もってこいよぉ!!!!!アイシャドウも持ってこれなかった!?!?!?ねぇ!!!!!!!

せめて赤の上に重ねたりできない?調べたら結構出てくるが???黄味がかった明るい若草色したパールルージュ??????

あとなんかやっぱ肌色強いからか目元だけに紅刺すとなんか野暮ったいね。
どうせなら目元から頬にかけて淡く紅のグラデーションつけたほうがまだマシだったよ。そこまで行くとフィクションとして許容できるから。あるいは白粉を付けてからやれ。
おちょぼ口にしろ!!!!!!というキレ芸は飲み込んどいてあげますがもう少し薄紅にしたほうが花魁ぽいよ。


次、履物

なんであんなうっすい下駄履いてんの?
ここまでいうといちゃもんでしかないんだけどさぁ「あっ、おこぼちゃうんか」って思いました

おこぼなら女の人だと成人式に履いた人いるんじゃないでしょうか?
踵は分厚くて、つま先に向かって薄くなってるやたらバランス悪い履物なんですが。
あれ、江戸時代の町に住んでるような人の一般的な履物なんですね。花魁さんの付き人や世話人の女の人もこの履き物を履いておりました。

もちろん花魁さんなら花魁下駄なんでしょうけども。
なんかあんな登場されたらもうそこまで望むのは酷かなって…だいぶ譲歩してもおこぼなんですがそれですらなかった時点でこの番組に違和感を申すのは無駄なんだなあってだんだん察し始めたよね。

というのも江戸時代ってね、そりゃもう階級制度がどえらい厳しかったんだよね。
それこそ身分不相応の履き物履いたの見られたら鞭打ち(まで行くかはわからないけどめっちゃ怒られるのは確か)だし、高階級の人が逆のことしたら身分下の付き人にすらうっかり「はしたない!」って言われるかもしれない。
だから髪型、お着物はそれらしくしているにもかかわらずどうしてそこで手を抜くんだ!!!!とここからツッコミがガッカリになり始める。


キセルのお話

確認した原作はちゃんと描写がしっかりしてたので声出して笑ってしまった。いやでもこれはそんな怒ってない。
ただ煙管語りしたいからするね。

花魁さんの煙管はね、位が高ければ高いほど長いの。何がって羅宇が。
羅宇ってのは先っちょの葉を詰めるとこと、口をつける部分の間にある筒のことね。
ちなみにここが木製だと味がマイルドになり、さらに長差でも味が変わります。
ニコチンやタールの影響もタバコより優しくて値段も浮くらしいのでスモーカーの人は是非キセル吸ってみてね。
閑話休題。

で、花魁さんの客取りのひとつに貼見世っていう格子越しにお客さんを呼び込む方法があります。
テレビでよく映る吉原のイメージってこれなんじゃないかな?
建物が立ち並ぶ道を男が歩いて、そこに格子越しに女が声かける。時代劇とかでよく映る吉原。
多分東山の金さんとか水戸黄門とか長七郎天下御免とかでみたような気がする(あやふや)

まぁ、そういう席にいるお姉さんがね、自分の好みの男を見つけた時にキセルの先を着物に引っ掛けるんですよ。
んで「中であそんでいきなんし」って笑いかけるわけ。ころりよ。最高だね。これで振り解く男はよっぽどの性癖持ちか不能に違いない。

まぁこれはわたしの私情が篭っておりますけど。

で、その呼び込みも男前とかが通ったときたら押し合いへし合い。四方八方から煙管が伸びる。
でも格子なんてそんな広いわけでもないから花魁も押し合いへし合い。押しのけられたら届かない。
だけど羅宇が長ければ?多少のけられても届くわけです。
それこそ花魁が気に入ったら煙管の先じゃなくて口元を差し出すこともあります。
思い浮かべてもらえますか?

四方から貴方に手が、声が、煙管が伸びる。
艶やかな鈴の呼び声が手招く。さて、どの女にしようか。貴方はよりどりみどり。
そんな中、目の前に吸い口が差し出された。
薄く濡れた吸い口の先。淡く移った玉虫色。

伸ばされた先を見上げてみたら、格子と多くの艶やかな華の更に奥。1人優雅に座敷に座って、タバコ盆をゆるりと撫でるたおやかな手。妖しく色を変えた紅の口が小さく動く。

『さあお吸いなんし。』

緩く薄めた目元の紅が誘う。


吸っちゃうでしょ???
ちなみにこの誘い方は花魁が特に気に入った殿方にする手法なので滅多にないよ。でもセクシーだなぁ。間近で「ああ色男は大変だなぁ」って見つめたい。

いやわたしの性癖の話になってきた。

そうじゃない。ええと。
とにかくそう言う側面と、あと単純にお着物を汚さない、焦がさないために長いって言う理由もちゃんとあるよ。
少なくとも花魁さんの煙管は最短で50センチ、長いもので1mを超えるものもあるとか。やば。肺活量すごそう。

だから画面に映った時は(30センチくらいかな、まぁ長いけど花魁にしてはみじけーな)と思いました。持ち方も羅宇の中心付近を持っていたのが気になりました。そんな短いのだったらもっと吸い口の近くを持つよ。
まぁこれは画面に入る長さで見栄えが良い長さなんだろうなと思ったからそんなにキレてないよ。わたしが煙管フェチなだけで隙あらば自分語りしたかっただけだよ。


さいご、カフェの一幕

この辺でツッコミに疲れて虚無りながら見てたから他の突っ込み部分に目がいかなかった(実際色々やかましかった気はする)(でも終始煙管の話を家族にしてたような記憶はある)

お客さんが「ホットコーヒー頼んだのにアイスきたんだけど!?」みたいなキレ方をしてるとこ。
花魁さんが手を握り、「わっちが温めてやろうかい?」みたいなことを言った瞬間。

わたしの中のマウントオタクの身体中の血管がブチギレて死亡した。

おまえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
高位の花魁が!!!!!!!!!!!!!!
気安く男に触れるな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

男が触れにいけ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(実際同じセリフ言ってキレてた)

ちなみに原作の花魁さんは許せるの。
理由としては彼女の性格がわかっているから。
彼女は若くして廓入りして、また高級遊女ではあるがマジの高嶺の花…と言うわけではない?というか多分江戸後期のもう少し気安くなった時代の花魁さんだというのがよくわかったし、彼女が何故花魁として生き、身請を断り続けてるのかなど、彼女の美学に多く触れることができる。
それこそ1話2話目で。

私がドラマ版の彼女に抱いたイメージは「最高位高級遊女」でした。
口数少なく、ずっとすましている。
かと思えば急にオーバリアクションになり騒ぎ散らす。
よくわからんキャラだと思ったんだよね。
だから男に触れた時に気安く触れるな!とキレたんです。キャラをぶれさすなと
で、漫画読んですぐそうやって男をたぶらかしちゃう癖のある気安い花魁様というのを知り「だからあんなシーンがあったのかぁ」と理解したのですよ。

ここまで書いて思ったけど原作で物語を補完しなければならないドラマってなんやねん。
いやもしかしたら変な知識なければなんの違和感なかったかも。いやもう私はわからない。
みんなはなんも変に思わなかった?是非教えてくれ。
ちなみに「女優さんが可愛いからOK😍」っていうひとには「じゃ、しゃーないね😉」って返事しときます。


ついでに文句。

主人公と思われるキャラクターが気持ち悪い。
いやとにかくきもい。
なろうによくいるようなクール系と達観系と厨二系と童貞キョロ充とイキリ中学生を行ったり来たりしてるキャラブレ隠キャという感じのキャラ。
寒くて無理だった。
わたしの中のマウントオタクが死ぬ前にまずこいつが原因で見るのやめるレベル

いいなって思ったところ

女優さんが可愛い。
俳優さんの顔がいい。
ギャグシーン?と思われるスマホ向けられたシーンの木札のデザインがいい。
カフェの雰囲気良さげ。
それくらい。

わたしはただ叩きたい人間と思われるのは嫌なので、できれば何度も見返してどこがダメかとか改善案とか良いところとかを見つけたいんだけど、単純にわたしに合わないんだよなぁ…。

今回はカフェのシーンでギブアップしましたが、とりあえず1話だけはいつか絶対完走したいと思います。
その上でいいとこ悪いとこ、うろ覚えで言及してたとこなど追記でまた書こうかな。


ここまで書いといてなんだけど

読んだ限りでは原作漫画は普通に面白いです。なんなら下記リンクから一巻まるまる無料で読めるので最後まで付き合っていただけた方で時間のある人は是非こっち読んでみてね。

コミックシーモア より
▼江戸モアゼル(1) | キリエhttps://www.cmoa.jp/title/73753/


 また最後にわたしのうろ覚えを補強するために調べ直し、参考にしたリンクを貼っておきますので、このnoteで花魁にちょっぴりでも興味を持った人おられましたら是非飛んでいってくださいね!


舞妓・花魁体験処京都 葵 より
▼昔の花魁のメイクって?
https://kyoto-aoi.com/blog/oiran/6928/

伊勢藩本店 より
▼紅とは
https://www.isehanhonten.co.jp/beni/

花魁体験のスタジオ撮影なら「やまと桜」 より
▼花魁豆知識②「花魁と煙管」について
http://nara-oiran.com/blog/oiran-trivia2/

jamming より
▼【初心者必見】煙管入門ガイド【おすすめの種類から吸い方まで】
https://jamingu.com/entry/kiseru-nyuumon/#i-13

歌舞伎美人 より
▼歌舞伎の逸品を手に入れる ~下駄編~
https://www.kabuki-bito.jp/special/stage/tepco-ippin/post-ippin-35/2/

以下、Wikipedia より
花魁-https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%B1%E9%AD%81
二十四山-https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%9B%9B%E5%B1%B1
ぽっくり下駄-https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%BD%E3%81%A3%E3%81%8F%E3%82%8A%E4%B8%8B%E9%A7%84


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