フロム・フレイム#後編

「ウォーク・オン・フレイム」第1話「フロム・フレイム」後編

前編はコチラ。 目次


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サイバーサングラスの奥でラットハッカー目が妖しく光る! するとどうした事か?「革命!進歩!闘そ……アイエエエエエエ!?」ウチコワシ兵の1人が突如悲鳴をあげる!身体の制御が利かず、手に持ったモロトフ・カクテルに意に反して着火! 「そのまま……撃てっ!」 ラットハッカーが叫ぶと同時、モロトフ・カクテル投擲!ナムサン、ラットハッカーは強力なカナシバリ・ジツの使い手なのだ! 「アイ……アイエエエエエ!?前進!?」「進歩?アバーッ!」フレンドリーファイアで隣にいたウチコワシ兵焼死!

「ヤッタ!うまくいきました!」「ヒュウ!やるじゃねえかラットチャン!!」「おやおや?決断的包囲が勝手に崩れ始めたんだが?」「ヌゥーッ!ジツ使いか!」焦るフラマブル! 「イヤーッ!」続けてラットハッカーはスリケン投擲!「アバーッ!」ヘロヘロのスリケンはしかし、奇跡的にウチコワシ兵の喉を直撃、死亡! 「あたった!やりましたよ!ボク!」「ワザマエ!実際成長の余地あるぜおまえ!」「やるなラットチャン!その調子で頼むぞ!」

「オヤオヤオヤオヤ?決断的包囲網があっという間にオマエ一人だぜフラクタル=サンよぉ?」煽るマーシレス! 「ヌゥーッ実際厄介!だが今は退廃的資本主義の豚の屠殺が優先だ!それと俺はイッキ・ウチコワシの戦闘的エージェント、フラマブルだ!」 フラマブルは走り出し……ナムサン、その先にはネコソギ・ファンド重役クゼ!「死ね!クゼ=サン!死ね!」「マズイ!クゼ=サン!逃げろ!」ニンジャの動きにモータルが追従できるはずもなし!クゼの胸元が裂ける!「グワーッ!ゴホッ……これでいい……私がコイツを引きつけている内に……妻と…娘を…!」致命傷には至らず。しかし限界は近い!

「護衛対象サンが!」マーシレスは一瞬逡巡するが「...ここは任せる!」決断的に隣の部屋にエントリー!部屋には女性と、彼女に抱きついて震える子供!「お姉さま方。オレが来たからにはもう安心だ」実際甘いボイス!「アイエエエ!? ニンジャ…ソウカイヤの方…!?」「アイエエエ!」娘は叫びながらも甘いボイスにメロメロだ! 「ハイ。護衛対象からの依頼を受け参上しました。イヤーッ!」 マーシレスがシャウトするとナムサン!彼の背後にボンズめいた姿が浮かび、奇妙な光弾を発射! 「革命!」「進歩!」「闘争グワーッ!」 部屋に迫りつつあったウチコワシ兵に直撃、死亡! 「アイエエエエエエ!」「ニンポ!ニンポだー!」「ニンポじゃないよ。これはジツだ」

「よし!これでガキ達は無事か……で、ニンジャの相手はオレと!悪いがラットチャンー=サン、ちょっとそのトロ粉末借りるぜ」ナムサン、アイソレイトの手にはいつの間にかトロ粉末が!そのまま駆け出す! 「アイエッ!?いつの間に!」「いたいけな子供からスリとは感心しないな。まあ緊急時だ。こういうこともあるから慣れるしかねえなラットハッカー=サン…」「アッハイ。実際大丈夫です。慣れてますから…。」ナード悲惨!

走り込んだアイソレイトはそのままクゼとフラマブルの間に壁のように立ちふさがる!「悪いが老人をいじめるヤツは感心しねーな。敬老精神だぞフラマブル=サン」「す、すまない…妻子だけでなく私まで」「そ、そーだそーだ!カエレ!」「黙れ!退廃的資本主義の豚に老人も子供もなし!存在それ自体が罪故に抹殺されるべきなのだ!」

「クソッ……旦那様!もうこちらは持ちません!」玄関の方からガードマンの声!正面からのウチコワシ攻勢を防いでいたのだ!BLAM!BLAM!ショットガンでウチコワシ兵を肉塊に変える!しかし「進歩的闘争を妨げる資本主義の豚め!死ね!」「アバーッ!」モロトフ・カクテル命中!火柱となって死亡! 玄関からウチコワシ兵が突入してくる!

「貴様らの奇襲攻撃は中々大したものだったがこちらの進歩的包囲戦術のほうが一枚上よ!」勝ち誇るフラマブル!「クゼ=サン!早く逃げて!イヤーッ!」「資本主義の豚は豚らしく丸焼きになって革命闘士の糧に…グワーッ!?」ラットハッカーのカナシバリ・ジツ!しかし「……抵抗!フハハ、革命闘士の不屈の精神を甘く見るな!」ナムサン、ニンジャのニューロンを乗っ取るのは容易ではないのだ! 「アイエエ!やっぱりダメだ!…イヤーッ!」ヤバレカバレのスリケン! 「グワーッ!」油断していたフラマブルにスリケンが突き刺さる!「貴様ーッ!青っちろい資本主義の豚のくせに生意気な!」「アイエェ……」物陰に隠れるラットハッカー!

「革命の炎にまかれて死ねーッ!」怒ったフラマブルは拳から超自然の炎を吹き出す!「敵もカトン使いかよ……!ブツメツだぜ!イヤーッ!」アイソレイトは身体の前で腕を交差し……振り払う!炎霧散!背後のクゼも無事!「何ーッ!」「悪いが炎の扱いには慣れてるんでね……ちょっと最悪の予感が頭をよぎったが」

「イヤーッ!」マーシレスの背後に現れたボンズより放たれる二発のカラテミサイル!「これを食らって少しは懺悔しろフラマブル=サン!」「戦術的後退!」フラマブルはバリケードの陰に隠れ回避!

「お前の相手は俺だ。カトン使い同士仲良くやろうぜ?」チャカ・ガンを取り出すアイソレイト!「喰らえよ!」……だが狙いはフマラブルではなく、突入してきた後ろのウチコワシ兵!「前進!包囲!殲め……アバーッ!?」 額を撃ち抜かれ崩れ落ちる! 「おっと、狙いが外れちまった。流れ弾に当たった不運な部下がいたみたいだな。悪いな、フマラブル=サン」「コシャク!よくも同志を!」 しかし突入者は1人ではない!フラマブルの陰からウチコワシ兵がモロトフ・カクテル投擲、アイソレイトに直撃!炎に包まれる!「グワーッ!?アチ!アッチィ!」「って大丈夫かアイソレイト=サン!」「アアー!アイソレイト=サン!?」

「前進ヤッター!」歓声を上げるウチコワシ兵!「革命ボーナス倍点だ同志!このまま豚どもを焼き尽くすぞ!」「クソ、やっぱ今日はブツメツだぜ……!」「なにしてくれてるんだ!バカ!スゴイバカ!」怒ったラットハッカーがフラマブルにカナシバリ行使!「イヤーッ!」「ファシスト共の悪意に決断的抵抗!そうやすやすと通じると思うなよ小娘がーッ!」しかし耐えるフラマブル! 「もう!バカ!」ヤバレカバレのスリケン投擲!紙風船を投げたかのようなヘロヘロの弾道だ! 「貴様ら資本主義の豚の退廃的ジツはもう見切っ……アブナイ!」勝ち誇り油断していたフラマブルはギリギリ回避!

「なんであのヘロヘロスリケンで相手まで届くんだ……!?」「これが彼のヘロヘロ・スリケンなのかもしれん」「ジツの一種ってことか……やっぱラットチャン=サンって呼ぶか……」「なっ…ちが…全力です!」 「1度ならず2度も冷や汗をかかせやがって!もう許さんぞ小娘ェーッ!」ラットハッカーに向かって突進するフラマブル! 「ぼ、僕は男だ!」「そいつは男だぜ!性別も見切れねえほど脳味噌赤く染まってやがるのか?」 アイソレイトは沈黙!自分も最初間違えたからだ!

「その貧弱・薄弱なナリで男だと?笑わせる!」ラットハッカー、マーシレス、さらにクゼをも巻き込んだカトン・ジツ!「ワアアァァ!もういやだぁ!」慌てて物陰に隠れるラットハッカー!「甘いマスクが焦げちまうぜ…」マーシレスはクゼを庇って炎を払いのける!無傷!「コワかったら逃げてもいいんだぞ」「ダ、ダメです。チーム、なんでしょ?リーダー?」「...肝備わってるとこもあるじゃねえか」マーシレスは笑い、カラテミサイル発射!

「グワ…アバーッ!?」突入ウチコワシ兵死亡!これでウチコワシ兵は全滅だ!「革命同志が……全滅…!?」動揺するフラマブルに忍び寄る者あり!それは近くのバリケードに飛び乗ると、しゃがみ姿勢からイアイを繰り出す!「オイオイオイ、お前の遊び相手は俺だって言ってるだろ?相手してくれよ」その影は…アイソレイト!「イヤーッ!」

アイソレイト:4B6>=4
NJSLYRBATTLE : (4B6>=4) → 1,3,1,3 → 成功数0

「アイエッ!?」バリケードに飛び乗った瞬間にバランスを崩し斬撃軌道が逸れる!「アイエーッ!」「オイ...そういうとこだぞオマエ…」 ナムサン、これにはブッダも笑う!

「いいかげんかかってよ!イヤーッ!」気を取り直してラットハッカーがカナシバリ!「 革 命 ! 懲りない奴らだ!」耐えるフラマブル!「ハァ…ハァ…だめか…」続いて投擲されたヘロヘロスリケンはフラマブルの足元に落ちる!

「……しかし」フラマブルは腕時計を確認する。時刻は22時!「……目標達成!これより戦略的撤退を敢行し革命戦力を回復だ!オタッシャデー!」反転、窓に向かって走り出す!「エ?エ?」「ナニ?」「フザケンナ!お前はここで死ねや」叫ぶマーシレスに置き土産スリケン飛来!回避! 「だったら俺もオキミヤゲだ!イヤーッ!最後にちょっとは懺悔しやがれ!」カラテミサイル発射!彼のカラテミサイルには懺悔を促す効果がある!ディバインカラテだからだ!

「懺悔? 我々は正義の進歩的闘争組織イッキ・ウチコワシ!悔いる事など何もないわ!」しかし一目散に逃げるフラマブルには当たらない!「おい戻れよクソコミュニスト!革命が後退していいのか!?」追いすがろうとするアイソレイト!「逃がすか……!」連続側転!

アイソレイト:4B6>=5
NJSLYRBATTLE : (4B6>=5) → 3,2,1,2 → 成功数0

「あっ」偶然そこにあったバナナで足を滑らした!床に顔面を強打!「アイエエエエエ!!」「ダーッ!ホントオマエそういうとこだぞ!そういうとこだぞ!」「アイソレイト=サン!?」「ブッハハハハハハ!退廃的資本主義の豚は足元のプロレタリアートに足をすくわれるという良い例だな!」 ナムサン、これにはブッダも大笑いだ!

「クソが!」アイソレイトは涙目でチャカガンを取り出し、射撃!しかしフラマブルは難なく回避!「クソッ! クソーッ!ラットハッカー=サン!カナシバリだ!頼む! アイツは許せん!個人的に!!」

「わ…わかりました……!」サイバーサングラスを外しフラマブルを睨みつける!「グワーッ!き、貴様……まだやるか!」 目鼻から血を流す!フラマブルの精神も最早限界が近い!実に4度もニューロンに攻撃を受けているのだ! ラットハッカーはそのままスリケンを投げつけるが届かず、その場にへたり込む!こちらも限界だ!

「実際そちらも満身創痍…退廃的資本主義の豚にしてはよく戦ったな。しかし貴様らの戦いは無駄であったと知るだろう……いつの日かな!」フラマブルは窓から脱出!

「次は覚えとけよ」その背中にキツネサインを向けるアイソレイト。「オツカレサマ」マーシレスはフルフェイスメンポを着けながらラットハッカーを抱える。「……悪ィ、熱くなった。無理させて悪かったな、大丈夫かラットチャン」アイソレイトは使わなかったトロ粉末返却。「アッハイ。スミマセン…」「気にすんなって。三枚目なんかよりずっと役立ってたぜ」「あーくそ、悪かったよ!」「へへ…ヤッタ…褒められた…」抱えられたまま気を失うラットハッカー。

「次までにはもっとワザマエ磨いとけよアイソレイト=サン!」「ヘイヘイ。なんかこう上手くいかねえんだよなあ……?」言いながら、散乱した死体からカネを集めるアイソレイト。実際彼とラットハッカーには借金が有り、近日中に帰さねばブッダデーモンでも恐れる取り立て屋の手によってどこかに連れ去られてしまうのだ。

「あー……と、まあ、当然、山分けだよな」アイソレイトはラットハッカーを見る「山分けだな」2万円をラットハッカーのポケットにねじ込む。「そりゃそうだ。全部貰いに行ったら後ろからカラテするからな」「マッタク、ボンズみてえなこと言いやがる……」ボンズという単語にギクリとするマーシレス。「...帰るぞ!ラットハッカー=サンを休ませなきゃなんねえし!」

ヘリには無事に乗り込めたクゼ一家の姿が。「お兄ちゃん達ー!ありがとー!」娘は元気に手を振り、夫婦は奥ゆかしく一礼した。……ヘリが飛び立ってから暫くして、ニンジャ達を迎えにリムジンがやってきた。


後日談に続く

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