フォー・フーム・ジ・オイラン・ダンシス #後日談

#後編  #目次

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3人のソウカイニンジャが捕縛したアウフグース――未だ気絶している――を連れ立ってトコロザワ・ピラーの詰所に戻ると、そこにはアースクエイクがいた。多数の管制オイランも詰めており、実際忙しそうだ。アースクエイクはこちらに気づくと手を止め、アイサツしてくる。

「ドーモ、直接合うのは初めてだな……アースクエイクです」「ドーモ、アースクエイク=サン。ブルータルウルフです」「パイルスロワーです」「ブラックドールズです。何か…あったの…?」

「実際今日は騒がしい夜だった。お前たちが戦っている間、マルノウチでザイバツと大規模戦闘が発生した」そういうアースクエイクは、所々手傷を負っている。「ドラゴン・ドージョーのゲリラやらイッキ・ウチコワシの襲撃やら、ソウカイ・ニンジャを派遣せねばならん事案が多かった」

「なんと…」(((アノデカブツがボロボロたぁ…すげーイクサだったンだろうなァ…))) 「傷がまだ…アースクエイク=サンがこれほどのダメージを負うほどの相手だったのですね」「オツカレサマドスエ」

「実際油断ならぬ敵だった。だがザイバツは我々シックスゲイツが中心となって撃退したので安心しろ。現在停戦条約を詰めている所だ」「流石です」

「さて、今夜はヤクザクランの一斉蜂起もあった……その1つの鎮圧をお前達に命じていたな。報告を聞こうか」 ブルータルウルフが前に出て説明する。「違法オンセンの騒ぎは鎮圧…オーナーもこれからは支払いも滞りなくさせました」 「実はそこのオイランがニンジャになって…それで…コレ…」ブラックドールズが捕縛したアウフグースを指差す。「大変結構。……何?ニンジャが居たのか。増長して支払いを渋っていたワケか?」「カナシバリ・ジツを使用できた事も増長の一因と考えられますドスエ」


「その…話し合いでスカウトさせました…チョット暴れたけど……出来たらでいいんですケド…この人を配下というか監視下に置けないですか…?…3対1でも…戦ってたから結構ツヨイし戦力になる…かも…」 アースクエイクは一瞬逡巡した。「……フム、貴様らが捕縛したニンジャだ。配下にするのは一向に構わんが。ソウカイヤのスカウト部門に引き渡せば報奨金として1人あたま5万をくれてやることも出来る。どうする?」

「我々が責任持って叩き直しますので、なにとぞ」「「オネガイシマス」」 3人は頭を下げた。 「……よろしい。好きにせよ」 「ありがとうございます、アースクエイク=サン」「あ、アリガトウゴザイマス!」「アリガトゴザイマス」 3人は最敬礼オジギ!

アースクエイクはひとつ鼻を鳴らした後、3人達を見据えて話し出す。「さて。ザイバツは我々シックスゲイツが撃退、ドラゴンドージョーは目下追跡中、ウチコワシも撃退……。そしてお前たちが片付けた他にも反乱ヤクザ共は粗方鎮圧済みだ。こちらが被った被害も小さくなかったが、面倒事をまとめて片付けられたのも事実。当分ゆっくり出来るだろう。よってお前たちには万札:15 と5日の休暇を与える。養生し次のイクサに備えろ。以上だ」

「これでしばらくは平穏が…ハハーッ」「ハハァー」「アリガトウゴザイマス!」(((ヤッタゼ—!)))(((理想的だ!)))((((ウフフーッ!)))

3人がトコロザワ・ピラーを出た所で、アウフグースが目を覚ました。「ムググーッ!」猿ぐつわを噛まされており話せない! 「オハヨ」パイルスロワーが無表情に語りかける。「貴女は我々の部下になることに決定しました」「ムグーッ!ムグーッ!」アウフグースは悔しさで涙を湛えながら暴れる。

「そ、ソウカイヤとしてよろしくね…」(((バストが豊満だぜェー)))(((いいですね)))(((可愛がってやるぜェ…))) ブラックドールズが静かに語りかけ、「ドーモ、元気かな?」 ブルータルウルフは優しくアウフグースの頭を撫でた。しかしそこにパイルスロワーが無感動に「オイランとしても鍛えますドスエ。レズビアンオイラン調教も出来ますので安心するドスエ」と続けた。なんたるアメとムチか!

「……!?」 絶望するアウフグースの顔に困惑の色が浮かぶ。その豊満なバストにはブラックドールズの手! 「……ハッ私は何を!」(((役得だ!)))彼女のニューロンの住人が興奮する! パイルスロワーは構わず続ける。「痛い事や恥ずかしい事はまだしないから。そののちカラテを仕込むドスエ……」

ふとブルータルウルフはタユウからもらったメイシを取り出してみた。そこには「宿泊も可」と書いてあった。一先ず自分たちが身体を休め、そしてアウフグースを調教する場所としては丁度良いだろう。「せっかくだからタユウ=サンにも協力してもらうドスエ。薬物より遥かに良いドスエ」「ムググーッ!(アイエーエエエエエ!)」 「アウフグース=サン…あきらめも肝心だぜ」 「まあいざとなったら、私たちが止めるから…変な事は考えるなよなァ…」 ブラックドールズは狂気の浮かぶ顔でアウフグースの顔を覗き込んだ。

「ムグーッ!」 泣きながら暴れるアウフグースを抱えながら、3人は再び"自由な肉体文化"へと向かった……。


「フォー・フーム・ジ・オイラン・ダンシス」END

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