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無観客試合なのにサポーターの力を感じた不思議 withコロナ時代のブンデスリーガ

「待っているのは最高の週末だ」

かつてスカパーがつけたキャッチコピーだ。サッカー好きに響く、今でも色褪せない優秀なコピーだと思う。

Jリーグはまだ再開が決まっていないが、ドイツのブンデスリーガが欧州各国に先駆けてリーグを再開した。

最高の週末が、私たちの日々に、ほんの一部だけど戻ってきた。

先週開幕したKリーグを見た時も、少しそう思ったが、今回はさらにその実感が加速した。

サッカー界のメインストリーム、ヨーロッパの4大リーグの1つが再開されたのだから言うまでもない。

ちなみに、この再開までにどんな経緯があったのか、リサーチが足りていないのであまり大きなことは言えないが、先週リーグを開幕した韓国、まだ再開の判断ができない日本に比べて、ドイツの新型コロナウイルスの感染者数は、圧倒的に多い(5月16日付新規感染者数、Google検索調べ。韓国:13人、日本:44人、ドイツ620人)。

それでも、無観客とはいえ、再開の決断をした。その背景には、いろんなことがあるのだろう。

このあたりのこと、追ってリサーチできるところはしておこうと思う。今なら少し時間に余裕があるのだから。

今回は、単に試合を見て思った感想レベルのことだけど、気づきを記しておく。

今回、スカパー!が太っ腹にも無料生中継をしてくれたので、ドルトムントvsシャルケ、フランクフルトvsボルシアMGの2試合を見た。

ありがとう、スカパー!さん。冒頭のキャッチコピーを思い出したのも、この太っ腹な対応があったからだ。

■ピッチ上の選手、監督以外はマスク着用

さすがにマスクをしたまま、プレーはできない。なので、ピッチ上の選手はマスクなしだ。監督も同様、指示を送れないという理由からマスクなしでOK。

ただし、ベンチの選手はマスク着用が義務付けられている。しかし、アップするときは、息苦しさもあるからか着用なしでOK。

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審判もピッチ上にいる主審はマスク着用なしだが、ピッチ外の第4審については、マスクを着用していた。

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ブンデスリーガは試合前にPCR検査を義務付けていると聞いている。リザーブメンバーもアップをしているときは、マスクをしていないので、その拡散予防効果については疑問があるが、少しでもリスクを減らすということなのだろう。

新規感染者数がまだまだ多いので、仕方のない措置なのかもしれない。

ただのマスクではなく、各クラブエンブレムをつけているのがよかった。おしゃれ。

ドルトムントは、黄色と黒色があるのかな?

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ドルトムントのECサイトをのぞいたら売っていた。値段もお手頃。4.99€。afterコロナ時代、サポーターの必須アイテムになるかもしれない。

フランクフルトはエンブレム&文字入り。文字は解読できず。アイントラハトって書いてあるのだろうか?スポンサー名(indeedなど)で、もし追加でスポンサーを獲得していたら凄すぎる。

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■ベンチメンバーもソーシャルディスタンス

1試合目のドルトムントvsシャルケは割とピッチに近いところ。2試合目のフランクフルトvsボルシアMGは少し階段を上ったところ。

場所は違えど、今までは近くにいて、時折会話する姿等も見られたリザーブ選手だったが、きっちり距離が保たれていた。

ベンチでも、大事なのは、ソーシャルディスタンス。

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■ゴールパフォーマンスもノー接触

今まで各選手が喜びを爆発させ、いろんなネタを仕込んできたゴールパフォーマンスは非接触で行われた。afterコロナの新潮流。

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手のひらでなく肘タッチ。

試合後の挨拶も同様。今までを知っているからこそ、少し寂しい気もするが、これが普通だと思う日が来るのかもしれない。

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■やっぱり意味はあるのか?マスクの疑問

日本と比べてマスクをつける習慣がなかったドイツ。

口が出ていたり、鼻が出ていたりするシーンが何度か見られた。

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マスクは予防効果というより、飛散防止効果を期待して着用すべきものだ。

鼻や口が出てしまったら効果がないだろう。

水を飲む時も大変そう。今までと違い、ボトルはマイボトルになっていると実況で言っていた。管理も大変そう。

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■無観客の中で感じたサポーターの力

報道関係者・スタッフについても、人数をかなり絞って運営されたと聞いている。カメラの設置数が減ると、今まで見ていたいろんな角度からのシーンが見られなくなってしまうのは当然だ。

その中でもストレスのないカメラワークだったのは素晴らしかった。

関係者が最小なのはもちろん、無観客試合なので、いつもはスタンドにいるはずのサポーターの姿はなかった。

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ボールがネットを揺らす音がかなり大きく聴こえるのは印象的だった。

ただ、今までの試合だったら、もう少し聞こえてきそうな選手同士の声はそんなに大きくは聞こえてこなかった。制限があるのかもしれない。

ディスタンスを意識しているのか、練習が思ったようにはできていないのか、両試合通じて、ディフェンスラインが乱れての失点やカウンターによる失点が多かった気がする。

先制点を献上しても、すぐに追いつこうと選手たちを鼓舞するサポーターはスタンドにはいない。

たまたまだったのかもしれないが、立て続けの失点が多かった印象。

サポーターが試合の結果を左右することってほとんどないと私は思っていた。あくまで、頑張るのは、選手であり、監督であり、スタッフなのだから。

でも、無観客試合を見ていて、少しだけその考えは変わった。

状況が悪い時、もちろん自分たちで立て直しを試みるだろうけど、心が折れかけたときに、外からの応援があると自力ではなかなか出せないもう1歩というのが出るのではないか?

もう1歩だけでは、試合の結果は変わらないかもしれない。ただ、その1歩が積み重なれば、大きな変化が生まれるのではないか?

この2試合だけかもしれないが、観客のいないはずのスタンドに、サポーターの存在を感じた。

もし、サポーターがいたとしたら。この試合の結果は少しだけ違ったものになったかもしれない。


おまけ
カバーに使っている写真は、昨年の10月にドルトムントにほんの少しだけ立ち寄った時の写真。その時、本当は長谷部選手と鎌田選手の試合を観る予定だったんだけど、金曜開催になって観られなかった。急遽別の試合を観たのもいい思い出。早くヨーロッパを旅できるようになるといいな。ヨーロッパのスタジアムが恋しい。放送もいいけど、やっぱりスタジアムは格別。


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