新国立競技場のネガティブな評判に物申す!ー天皇杯決勝を振り返ってー
6年ぶりに戻ってきました、元日の国立競技場。
天皇杯決勝、ヴィッセル神戸対鹿島アントラーズ。
久しぶりの国立競技場での開催です。
スポーツイベントでのこけら落としとなります。
FJまりこ、Football Junkieを名乗っておいて、 行かないわけにはいかないでしょう。
1月も中旬に差し掛かって、1月1日の話題。今更感があるかもしれません。
しかし、私にはどうしても言いたいことがあります。
「新国立競技場、評判ほど悪くありません!」
確かに、座席の間隔は狭いです。誰かが通るたび、立ち上がらないと通れません。
通路も狭いです。体格の大きな人が横並びで通ろうとすると、もしかしたら同時には通れないかもしれません。2、3人で結構いっぱいいっぱいの幅。
片方のゴール裏にマラソンゲートがあるのは変です。サポーターが分断されてしまいます。場所によっては、見切れ席が発生しているようです。
カップホルダーはあるものの、場所がよい位置にありません。倒す危険性が高まります。
お手洗い、場所によってはありえないほど混むようです。
陸上競技場なのでトラックがあります。サッカーを観るには、ピッチが遠く、臨場感に欠けます。
この他にも、新国立競技場ひどい!という意見をいろんなところで見かけました。
スタジアムが完成してしまった以上、元には戻せません。ここで、東京オリンピックを開催するしかないのです。
その後も、改修などはできますが、大枠としては変えずに、レガシーとして活かすしかありません。
ここまで来てしまったからには、ネガティブなところをあげて、非難するよりも、ポジティブなところを探してより楽しめる空間にする方が大事だと、思います。
だから、新国立競技場はそんなに悪くなかった、ということを伝えたいのです!
私が行ってきた元日の天皇杯を、できるだけ新国立競技場のよいところを思い出しながら振り返っていきます。
①スタジアムの周辺情報
新しくなった国立競技場は、どれくらい入場まで時間がかかるか、予測ができません。
指定席を購入していましたが、開門より少し前に到着するように出かけました。
開門は、キックオフ3時間前の11時35分予定。千駄ヶ谷駅に11時に待ち合わせをしていました。久しぶりの千駄ヶ谷駅。
移動中、ふと思いました。繁華街や電車の人の少なさ、対照的な百貨店や家電量販店の福袋を求める人の多さ。対照的。
ここ数年、海外で年末年始を過ごしていたので、東京での元旦は新鮮です。
千駄ヶ谷駅の様子も、新国立競技場の完成に併せてか、以前とは少し変わっていました。
たまたま待ち合わせは千駄ヶ谷にしましたが、銀座線が通常運航していたら、外苑前駅でもいいですし、信濃町駅からでもいいです。
都心にあり、かつ数駅利用できる立地は、やはり新国立競技場の魅力です。
新国立競技場とあわせたかのような、木を使った外観がおしゃれなホテル(三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア)も、千駄ヶ谷門出てすぐのところにできていました。外観から想像すると、結構高そうです。それでも、既にオリンピック期間中は予約で満室なんだろうな、と思います。
千駄ヶ谷門に到着し、第一ゲートでチケットを見せると、開門前でも中に入れました。
第二ゲートのところでチケットごとの入場になるようで、第一ゲートはチケットさえ持っていればどこからでも入場できるスタイルでした。
せっかくなので、一周してみます。
ヴィッセル神戸のグッズ売り場は、引退を表明しているビジャ選手のグッズがたくさん並んでいました。
なかなかセンスがいい感じ。売り場に行列ができていなかったら、うっかり買ってしまったかもしれません。危ない、危ない。
「杜のスタジアム」と題し"木"を取り入れた、周辺環境と調和するスタジアム、と謳われています。
しかし、屋根の部分は近くで見ると、すのこに見えます。
100円ショップで作る収納感が出ていて、少しだけ安っぽい感じがします。ま、遅かれ早かれ、見慣れるでしょう。
②旧国立競技場の面影と新名所
かつてメインスタンドにあったギリシャっぽい壁画は、ガラスに囲まれているものの、残っていました。
以前の国立競技場の面影を見つけるとなんだか嬉しくなります。
スタンドから見える新宿のビル群と富士山は、屋根でぐるっと囲まれているため、見えなくなってしまいました。残念。
新国立競技場の、新名所。
浮き上がって見える「国立競技場」のモニュメントももちろん写真撮りました。
一部の入場ゲートには門松も飾ってありました。日本のお正月感があっていいです。
スタジアムの周りを、1周回ると、いい時間になったので、ゲートに向かいました。
③入場のスムーズさ
私が取っていたチケットはSB指定席。5000円+手数料の一番安い指定席です。
バックスタンド上段になります。
サポーターが集まる自由席については、多少列ができているのを見かけましたが、開門すぐの私たちの指定席のゲートは待ち時間なし。バーコードでピッとかざせばすぐに入場することができました。
かなり、スムーズ。これなら、オリンピック本番、開会式や閉会式で超満員の観客が押し寄せても大丈夫そうです。
入場を管轄するスタッフの会社が、天皇杯決勝とオリンピックで違うかもしれませんが、システムや流れとしては、よくできていました。
入口でトートバックをもらって自席を目指します。
噂に聞いていた、スタンドまでの通路の狭さ。確かに、ここに一気に人が集まると将棋倒しの危険がありそうな気もします。
ただ、通路が狭い代わりに、出口・コンコースへと向かう通路はたくさんありました。
通路を広くして、出口が狭いよりも、通路を狭くして、出口へ向かう経路を増やす方が人が流れやすくなるというのを見たことがあります。
もしかしたらそれを意図しているのでしょうか?
私の席は3階層の最上階でした。眺めは最高。昔だったらここから富士山が見えていました。
傾斜があるので、かなり見やすいです。座席の狭さは聞いていた通り。人が通ろうとすると、立ち上がらないと通れません。
また、1ブロックが切れめなく、かなり長く続いているので、真ん中くらいの席の人は、かなり多くの人に声をかけて、通り抜けないと端っこまで行けません。
シートの横幅についても、大きめの体格の方は、1席で足りないかもしれない狭さ。
オリンピックが終わって、客席間引いたら少しはマシになるのでしょうか?
途中でトイレに立つ、飲み物を買いに行く、そういったことはできる限り、避けた方が良いかもしれません。
もしかして、観戦することに集中してほしい、という意図がある?
さすがに深読みしすぎです。
③サクサクWiFi
まだみんなが使っていないからでしょうか?つなぐと、かなりサクサクでした。ポータルページもシンプルで良い感じです。時間制限もありませんでした。
速度制限が気になる人も安心。海外から来る観光客にも親切。私自身、海外のスタジアムでWiFiが飛んでいて、助かったと思うことが何度もありました。
おもてなし、として素晴らしいです。願わくば大人数が使う状況でもこの速度が保たれますように。
④お手洗いにウォシュレットがない問題
お手洗いは大混雑だったという話題も見かけましたが、私は混雑には遭遇しませんでした。
ただ、動線的にどこが空いている個室なのか分かりにくかったです。
右手奥に個室が続いているのですが、一方通行なので空いているかどうか判別できません。
等々力競技場のメインスタンドなんてかなりわかりやすいのに参考にしなかったのでしょうか?
あと、トイレのがっかりポイントとしては日本が世界に誇るウォシュレットがなかったこと。
嘘か誠か?
オリンピックには海外からかなり体格のいい人が来る可能性があるので、その方が座った時に誤って押さないように配慮している、という話を聞きました。
たしかに、そういう方が座って便座が壊れてしまったときの交換も、ウォシュレットやウォームレットがない方が簡単に交換できるかもしれません。
単純に経費削減なのか、それとも本当に意図があるのか?どうなんでしょう。
⑤フォトジェニックスタジアム
帰り道も、裏道など使わず、正攻法で千駄ヶ谷駅へ向かいました。
途中少し混雑したところもあったものの、埼玉スタジアムから浦和美園駅のような大混雑はありませんでした。ストレスなし。
ふとスタジアムを見上げると、新宿のドコモタワーが見えました。
フォトジェニック。
そしてやはり交通の便が最高。自宅からドアtoドアで30分以内で着くスタジアムなんて最高です。
都心が近いと飲みに行く場所もたくさんあっていいです。
試合の前や後も、全て楽しんでこそのスタジアム観戦です。
つぶやきにちょこっと書きましたが、東京オリンピックのときはこの形状なのですが、ゆくゆくは球技場としてトランスフォームするようなことがあれば最高だな、と思います。
東京オリンピック開幕まで、200日を切りました。もしかしたら、一生に一回かもしれない、自国開催のオリンピック。
その象徴となる、スタジアムが新国立競技場です。
ネガティブなところもすべてひっくるめて、誰かのオリンピックではなく、私たちのオリンピック。
自分ごととしてめいっぱい楽しんだもの勝ちだと天皇杯で新国立競技場に行って、思いました。
新国立競技場、そんなに悪くありません。
本編は以上です。
おまけとして、一生に一度、こけら落としで楽しんだ○○会のことについて書きます。
天皇杯決勝では行けなかったあの場所。今度行くときには行けるかな?
そして、実は座席が狭いのは新国立競技場だけではありません。
最近行ったあのスタジアムも激狭だったことを報告しておきます。
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