「J2の誇り」歴史的勝利に立ち会った夜ーヴァンフォーレ甲府の懐の深さが生んだJリーグ連合ー
「うおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーっ」
長谷川選手のゴールが決まった瞬間思わず叫んだ。
国立競技場が揺れた。
叫びすぎて酸欠でちょっとくらっときたような気がする(危ない)。
歓喜の先制点が決まって数分後、ヴァンフォーレ甲府はタイの王者ブリーラム・ユナイテッド相手にJ2チームとして初のACLでの勝利を手にした。
前人未到の記録。この記録が破られることはない。
歴史的瞬間に立ち会った。
私はこの日、甲府サポのべーやーさんが発起人となって集まった普段はいろんなJリーグのチームを応援しているサポーターたちと一緒に観ていた。
言うならば「Jリーグ連合」のエリアだ。
普段日本代表戦の時によく一緒に応援しているメンバーだが、その時と違ってそれぞれがサポートチームのユニフォームに身を包んでいる。
カラフルなので、ピッチからも、他の席からもよく見えたらしい。
日本代表戦とは違う。でも、普通のJリーグの試合とも違う。第三の応援の空気を感じた。とても楽しく、唯一無二の空間だった。現代のトレンドである多様性を反映した場所だったな、と思う。
記憶だけでなく、記録に残しておくべく、noteに記しておく。
■ヴァンフォーレ甲府の懐の深さが生んだJリーグサポーター連合
ヴァンフォーレ甲府のホームスタジアム、JIT リサイクルインク スタジアムは、ACLのスタジアム規定(施設・照明など)を満たしていないので試合を開催することができない。
その代替として白羽の矢が立ったのが国立競技場だった。
山梨県在住のサポーターにとっては遠いし、交通費など金銭的負担も大きい。
チケット価格が押さえられていた(最安値2000円)のはそういったサポーターへの配慮もあったようだ。
ただ、国立競技場の使用料はかなり高額だ。3試合開催のうち、各試合6000人以上集まらないと赤字になってしまう。
#甲府にチカラを
とJサポーター全員に呼びかけることで、ACLの第二節日本で開催された試合の中で一番多くの入場者数を記録する試合となった。
都内近郊で働く人たちにとって、新宿区にある国立競技場は平日でも足を運びやすい便利なスタジアムだ。
どこで見たか覚えていないし、探しても見つからないのだが、この試合「各サポーターは各チームのユニフォームを着てきてよし」というのをクラブが出していた(と思う)。
私は、それに対して「懐の深いクラブだな」と思った。
そこに対してX(旧Twitter)などでは、一部批判の声も上がっていたようだ。
ただ、べーやーさんはゴール裏の甲府サポーターに配慮し、ある程度距離のあるところ(別のブロック)の席を取ってこのJリーグ連合の席を確保していた。
本当はべーやーさんだって、いつものように甲府の応援の中心で応援をしたかったかもしれない。
ただ、そこをぐっと堪えて(!‽)Jリーグ連合を作ってくれたおかげで、もう一つの大きなムーブメントを作ることができた気がする。
最後の甲府サポーターとJリーグ連合のハイタッチが物語っていたように国立競技場では、各チームのユニフォームを着たサポーターに対して全くネガティブな雰囲気や意見はなかった。
(結果もあるだろうけど、皆が笑顔の最高の空間だった)
決勝ゴールを決めた長谷川選手もインタビューで心強かったと言っている。
もし、このJリーグ連合の応援スタイルに疑問を持った人がいたら、次はスタジアムで体感してからモノ申してほしい。
■応援するにはたくさんの理由があって……
先述した通り、6000人以上集まらないと赤字になる、という報道を見ていけるかどうかわからないけどチケットを買ったというツイートも見かけた。Jリーグを、サッカーを愛する仲間として困っているクラブへ助太刀致す!という気持ちだ。
J2を、Jリーグを代表して、アジアで戦っているので自分たちの代表として応援する人たちもたくさんいた。
そして、応援していた人たちの中には、各クラブゆかりの選手たち(レンタル含めて、所属経験がある選手)もいる。うちの子(レンタルだとまだうちの子)、元うちの子がいるのだ。
武富選手、クリスチアーノ選手、神谷凱士選手、マイケルウッド選手、蓮川選手、松田陸選手…。
1つのクラブ一筋でレジェンド的に活躍する選手も素晴らしいけど、そんな選手は稀で、各事情によって様々なチームに移籍する選手がほとんどだ。
同じリーグで、自分の推しチームと対戦して活躍されるのは困るだろうけど、合法的(⁈)に応援できるACLはいいな、と思った。
https://x.com/fjmariko/status/1709779664255000620?s=20
■やっぱりかわいいマスコット
Jリーグでも屈指の芸達者として知られているヴァン君は、ゴール裏甲府サポーターだけでなく、Jリーグ連合の前でもお茶目な姿を見せてくれた。
この動画にはフォーレちゃんは映っていないが、昨年の天皇杯決勝に続き、涙しているように見えた瞬間があった。
マスコットなのに、泣いているように見えるって本当にすごい。
それくらい溢れる思いがあるってことだ。
真剣勝負の場に華を添えていたマスコットたちもこの日の主役だったと思う。
■この興奮を味わう機会が2度ある!
このnoteを読んで?歓喜にあふれる関連ツイートを見て?「いいなぁ」と思ったそこのあなた!
まだこの興奮を味わう(味わえるかもしれない)チャンスは2回ある。
来月なので、まだ予定に余裕がある時期ではないだろうか?
今回はヴァンフォーレ甲府のJ2クラブ史上初ACLでの勝利を目撃できたが、
もしかしたら史上初グループリーグ突破の瞬間の目撃者になれるかもしれない。
でも、そんな記録は抜きにしても、あの独特の雰囲気に包まれた国立競技場を是非体感してほしい。
国立競技場の、サッカーファン・サポーターの、新たな歴史を一緒に刻もう!
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