withコロナ時代・Jリーグマスコットたちの在り方問題ー海外マスコットの可愛らしさを添えてー
サッカーの試合自体はもちろん、スタジアムにはそれ以外の魅力もたくさんあります。
サポーターの応援やコレオグラフィ、スタグル、ハーフタイムのパフォーマンス、チアリーディングなど。試合の前から試合後まで試合を彩るもので溢れています。
その中でも忘れてはいけないのが、マスコットです。
毎年マスコット総選挙も開催されており、今年は横浜F・マリノスのマリノスケが王者となりました。
横浜F・マリノスは、昨年リーグ戦で優勝した勢いをマスコット総選挙でもいかんなく発揮。サポーターの後押しも光っていました。
J1からJ3まで総勢53体のマスコットたち。最下位の蹴っ飛ばし小僧も少し強面ですが、とても個性的です。来年は、順位を上げているかもしれません。
みんな違ってみんないい。それがマスコットです。
私は、世界中でサッカーの試合を見てきました。世界にはいろんなマスコットがいます。
ガンバボーイ的なリアルな少年っぽいマスコットはフィンランドリーグのHJKヘルシンキのマスコット。お付きのお姉さんが美しかったのが印象的でした。
田中亜土夢選手が再度移籍したことでも、話題になりましたね。
コロナ禍で1試合も出場できていませんが、フィンランド1部リーグは、7月に開幕が決まったようです。
田中亜土夢選手の活躍にも期待!!
続いて、私が毎年シンガポールに行って参戦している、インターナショナルチャンピオンズカップ。この大会では、一度にいろんなクラブのマスコットに出会えます。
高レベルなヨーロッパのサッカーを、半分の移動距離で見れる上、複数のマスコットとふれあうことができます。
もしかしたら、マスコットクラスタにとっても夢の大会かもしれません。
ここ数年で見たマスコットたちの一部をご紹介。
なぜか、プレミアリーグのマスコットばかりでした。
イングランドのサッカーリーグにプレミアリーグができた時のことです。
1980年代のイングランドでは、放映権の高騰などが背景にありつつも、スタジアムの危険性が問題になっていました。
イングランドのサッカーリーグの観客は、俗にいうフーリガンのような荒っぽい男性が中心の客層で、女性や子どもたちが安心して行けるスタジアムからは程遠かったといいます。
ヘイゼルの悲劇やヒルズボロの悲劇といった、サポーターの命が犠牲になるいくつかの悲しい事件も起こりました。
そういった背景から新しく生まれたプレミアリーグ。
女性や子どもたち、家族連れで観戦しやすいように、放映権で得たお金を各クラブへ分配。スタジアムなどの安全のための施設整備に加え、マスコットについても力をいれたという話を聞いたことがあります。
そういった経緯があったので、現在もマスコットに力を入れているリーグなのかもしれません。
ちなみに、プレミアリーグではなく、イングランド1部リーグ(プレミアリーグの下のカテゴリーなので実質2部)でも、マスコットを見たことがあります。
チャールトン・アスレティックFCの試合の一コマ。
プレミアリーグのマスコットに比べると洗練されていないような印象もありますが、これはこれで愛らしいです。子どもたちからも大人気でした。
いろんな世界のマスコットを見てきましたが、世界にも類を見ないほど多種多様、個性的で、愛らしいマスコットがたくさんいるサッカーリーグ、それがJリーグだと思っています。
そんなマスコットたちが、今窮地に立たされています。
新型コロナウイルスの感染対策として外部からスタジアムに持ち込む物品や人の数を可能な限り減らすという方針の下、マスコットの来場もNGとされる方針が示されたという報道が出たのです。
今までスタジアムで試合を見守ってきたマスコットたち。どのマスコットも例外なくスタジアムへは入れなくなります。
状況に合わせて、ガイドラインはアップデートされると思いますが、少なくとも再開直後に関しては、今までスタジアムにいるのが自然だったマスコットたちがいなくなるのです。
無観客とはいえ、マスコットが現地にいるだけで、ほっこりする人はいると思います。
しかし、感染対策のためと言われてしまっては、何も言えません。
一部では、これから暑くなってくるのでマスコットの熱中症対策にとしてはいいのかも、という意見があるそうです。
確かに、その一面はありますね。
今年の開幕戦で見たマリノス君。小さな椅子に腰掛けて戦況を見守る姿は、まるで守り神のようでした。
彼の試合出場記録が、伸びないというところも悲しいポイントかもしれません。
偉大な記録、450試合出場を記念して、以下のようなグッズも販売されていました。
ただ「来場はできない」としているだけで、マスコットが活躍する場は他にもあると思っています。
ということで、withコロナ時代のマスコットの在り方、考えてみました。
①ワイプで中継出演
コロナ禍の中、テレビ放送でも、遠隔地にいても出演ができるように、工夫されるようになりました。
マスコットも、スタジアムに入れないなら遠隔出演すればいいと思います。
問題はしゃべれないマスコットばかりだということ。
ただ、フリップを使ったコミュニケーションは取れるので、そこやジェスチャーでアピールしてもらえれば問題ないでしょう。
平畠さんがやっていたJマスコットの会が一つ参考になりそうな気がします。マスコットに対する愛があふれた平畠さんの会話の振り方最高です。
②この状況を逆手に取ってほしいマスコット
前述したマリノス君のような、ピッチ脇で選手を静かに、きっと心は熱く今盛るマスコットがいる一方でほとんど姿を見せないマスコットもいます。
Jリーグクラスタの皆さんなら、もうお分かりですね?
浦和レッズのレディアです。
実は今、レディアの名前が思い出せず、ググったのはここだけの話。今年のゼロックススーパーカップで写真まで撮ったのに、ど忘れしました。
試合日でも、あまりにも姿を現さないので一部では「ニート」呼ばわりされています。
ただ、実はスタジアム・試合日以外では結構働いているというブログを発見しました。
今回、コロナの影響でマスコットがスタジアムから締め出されます。
スタジアムの外!レディアが輝ける場所が、もしかしたらそこにあるかもしれません。
たとえば、浦和レッズには目立ちのプロとも言えそうな槙野選手がいます。槙野選手プロデュースでレディアが生まれ変わるというのは面白そうです。
ここにきて、獅子奮迅の活躍。サポーターからも愛されるマスコットになり、来年のマスコット総選挙では、熱いサポーターたちの後押しを受けていきなりの1位獲得⁈
そんな未来もあるかもしれません。
ちなみに、今年のマスコット総選挙でレディアは47位でした。J1では圧倒的最下位です。
47位から驚異のジャンプアップで首位を取る。
夢がありますね。
③あわよくば収益化
子どもたちだけでなく、大人の心も癒し、魅了するマスコットたち。
今まではスタジアムに行けば、会うことができました。ふれあうことができました。
それができないのが現状です。スタジアムに行きたいのはもちろんだけど、マスコットにも会いたい、そう思っている人は多いでしょう。
先日、ヴィッセル神戸が高い営業収益をあげている反面、17クラブが赤字を抱えているという報道がありました。
マスコットを維持するのにも、お金がかかります。
どこのチームとは言えませんが、たまに少し汚れの目立つマスコットを見かけます。
クリーニングするお金がないんだろうか……と変な心配が出てくる瞬間です。
昨年でも、赤字のクラブが増えているのに、コロナ禍で来年はさらに状況が厳しいクラブが増えることが予想されます。
そこで、発想の転換です。
スタジアムでの出番が減ったマスコットを最大活用し、マスコットの維持費を捻出、さらにはクラブの収益とするのはどうでしょう。
今年のゼロックススーパーカップでは、マスコットと触れ合える企画チケット「超もふチケ」が売り出されました。
3万円と高額にも関わらず、競争倍率は5倍だったといいます。
この「超もふチケ」の収益は、マスコットたちの遠征費やおやつ代になると書かれていました。
オタクは推しのためなら、労力を惜しみません。
直接会えないとなると、いきなり3万円の高額設定は難しいと思います。
しかし、オンライン物販やサイン会(ふれあい会)などを行って、少額ずつでも集めれば、マスコットの維持費だったり、さらなる活動の糧となったりするのではないでしょうか?
塵も積もれば山となる。
マスコットに課金したい、と思っている人たち結構いそうな気がします。
温かい愛にあふれた人たちのパイはさほど、大きくなくても、一人一人の単価が高そうなイメージです。
「難しい課題は、大きなチャンス」
建築家の谷尻誠さんの名言です。
少しまでに、Instagramライブで彼がゲストで出ている配信を見たのですが、ピンチこそチャンス、行き当たりバッチリというような名言も出てきていました。
普段だったらじっくりと練って準備をしてから動くことも、今ならオンラインですぐに打ち合わせをしたり、距離や移動の労力を考えることなく動き出したりすることができます。
各クラブのご担当者様!!
マスコットを最大限に活用した、withコロナ時代の新しいJリーグ。考えてみませんか?
以上が本編です。
おまけでは、本編で書ききれなかったマスコット物販やサイン会(ふれあい会)の妄想をもう少し詳しく書いていきたいと思います。
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