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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論739」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第29号(2007.3.25発行)「サービスの品質管理(商業アドバイザー・小柳剛照)」1~※名称等は当時、一部文章省略

いざなぎ景気以来の好景気が続いていると言われます。
ただ、大企業の業績は好調であっても、庶民のふところ具合にはなかなか反映されないのが実情のようです。
顕著な好況感が乏しいことに加え、どの家庭にも、たいていの生活用品、家電製品は揃っているものです。
となると、消費者は本当に必要と感じたものにしかお金を使わない、という心理になります。
加えて、消費者には「飽きる」という習性があります。
これまで引っ張りだこだったものが、急に潮を引くように、人気を失うこともよくあること。
ハード面でも、ソフト面でも、飽きられたら、お客様からいとも簡単に見放される事態になりかねません。
だから、従来の成功体験に甘えることなく、新時代を生き抜く道を、常に進み続けなければいけないのです。

「日本のハワイ」誕生の陰で

邦画界で数多くの賞を受賞した「フラガール」を、ご覧になった方も多いでしょう。
ご承知のとおり常磐ハワイアンセンター(福島県いわき市)の誕生秘話を描いた映画です。
主要なエネルギー源が、石炭から石油に転換された昭和40年前後、産炭地のほとんどが急激な衰退の道を歩みました。
昨年は、リゾート産業や映画祭で話題を集めた夕張市も、つに財政破綻。
かつて石炭で栄えていた町は、日本でもイギリスでも、ことごとく衰退したのでした。
世界で唯一とも言える、産炭地が活性化に成功した事例。
それが、常磐ハワイアンセンターでした。
夕張市の場合は、設計や運営ノウハウ面で外部への依存が高く、それがコストを膨らませ、財政を悪化させました。
一方、常磐ハワイアンセンターは、ほとんどが自前の手作り。
コストを抑えた建設・運営が図られました。
これが安定した経営基盤づくりには役立ちました。
しかし、そうは言っても、観光産業のノウハウのない、石炭しか知らない人たちの手探りの挑戦です。

~ここまで~

記事前半部分は、今の状況を記した記事としてもそのまま当てはまると皆さん感じることでしょう。
これが示すことは、景気が良かろうが悪かろうが、その恩恵は大企業が受けるもので、99.7%を占める中小企業つまり大多数の国民には反映されないと考えるのが自然の論理です。

つまり、景気の良し悪しに関わらず、トリクルダウン(富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透するという考え方)は、基本あまり期待できないことを前提として行動した方が、スッキリしっくりきます。

苦境時に外部依存したくなる気持ちは分からなくありませんが、最も状況を良く知るのは自分たちです。
そして、問題点や課題も本当は分かっていることが多いはずです(分からない場合は、外部の分析は役立つ)。

従って、多くの場合、必要なことは変革への行動であり、その覚悟を抜きにして、パンデミックからの回復はないと、フィットネス関係者も理解すべきだと考えます。

お読みいただきありがとうございました。

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