9月18日(日):「オンライン」と「脳」

昨日は他社様のスポーツクラブ全店舗のマネージャーに向けた研修を担当させてもらった旨を記しましたが、本日も関連した話を少しばかり。

そこでも触れたように今回はコロナ禍で、かつ全国の店舗のマネージャーが参加できるようにオンライン形式で行い、途中にはZoomのブレイクアウトルームの機能を用いてグループディスカッションも交えた計4時間の内容でした。

私にとっても非常に充実感のある時間で、終わったあとには全力でやり切った感がすごかったのですが、包み隠さずに言えばそれと同時に疲労感もありました。

会場のセッティング、サポートをお願いしていた近藤さんには研修終了後に「疲労が色濃く顔に出ている」「4時間前とは全然違う」「今までに見たなかで最も疲れた様子」だったと言われました(笑)

他社様へ伺っての研修、会議などは私にとっての日常でもあるので、それ自体はなんら特別なことはないのですが、やはり最も大きな違いはオンラインであったことだと思います。

いろいろと工夫はしましたが、そこにはリアルにはない難しさがありますね。

最近だと東北大学の川島教授が書籍「オンライン脳」を上梓されており、そこではオンラインに伴う難しさや脳の観点から見た負担に言及しています。

距離、空間的な制約を超えるオンラインはこのうえなく便利ではあるものの、そのことと私たちの「脳がどう感じているか」は、まったくの別物だという指摘です。

例えば対面でのコミュニケーションだと実際に人と接することで脳がさまざまな刺激を受けることで活発に働きます。

これに対してオンラインでは画面のなかの情報に限定されるために刺激が少なく、脳の一部しか働かないといいます。

また、対面でお互い顔を見ながらよいコミュニケーションがとれた場合には、お互いの脳活動が「同期する」という現象が起きるそうです。

一方のオンラインでは脳が「同期しない」との実験結果が出ており、換言すれば脳活動が同期しないことは脳にとって「オンラインでは、コミュニケーションになっていない」とも表現されています。

つまり情報は伝達できるけれども、感情は「共感」していない、という状態ですね。

「脳」にフォーカスをするとオンラインにはこうした難しさがあるからこそ、リアルでの実施以上に疲れを感じやすいのだと思います。

もちろん、この点は私の側だけでなく、聞き手である参加者の皆さまにとっても同様だったはずです。

細かなニュアンスが伝わりずらかいもどかしさ、オンラインによる疲労感はあったと思いますが、それでもオンラインがあったからこそ今回の場が実現した面もありますからね。

その点は文明の利器に感謝をしつつ、それとあわせてツールの特性もふまえながら、その中での最善を今後も模索できればと感じた次第です。


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