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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論867」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第43号(2009.7.25発行)「ロマンとそろばん(商業アドバイザー・小柳剛照)」1~※名称等は当時、一部文章省略

アメリカでは、世界を代表する自動車メーカーが続けざまに経営破綻しました。
今や企業レベルを測る尺度は「大きさ」ではなく、健全な経営状態、社会への貢献度、理念の高さ、変化への柔軟な対応度、などでしょう。
企業は、大きければいいという時代ではなく、強いことが大切な時代です。

このような不況下でも強い企業を見ると、主要な戦略は価格訴求です。
ライバルを圧倒する低価格のアピール。
それが消費者を強く惹き付けることは、低価格の衣料品、弁当、ファストフード店に行列ができることからも、明らかです。

でも、たとえ低価格でなくても、それ以外の要因、すなわちサービスレベルや理念がしっかり確立されていれば、消費者は支持してくれる、という実例はあります。
見習うなら是非、そういう事例のマインドに学びたいものです。

そば好きに愛される店

そばの名店は各地にありますが、福島県内でそば好きに聞いたとしたら、「桐屋」という名前が必ず挙がるでしょう。
桐屋は会津若松市内に、「桐屋権現亭」と「桐屋夢見亭」の2店舗を運営。
観光客と、地元のそば好きの人々で、連日にぎわう繁盛店です。
この店で出される、つなぎなしの十割そばは、そば通も唸らせる味です。

経営者のK社長は、そばの里で知られる喜多方市山都町の出身。
山都町は村松友視の小説「夢見そば」の舞台になったところであり、小説に出てくる「水そば」の達人は、K氏の父親がモデルです。
その父親からそば打ちを仕込まれ、K氏は昭和46年に会津若松市内でそば屋を開業しました。
農協職員を退職しての独立でした。

しかし開業したものの、経営は苦しい日々が続きました。
そばの評判はいいのですが、独立に際し、複数の金融機関から融資を受けていて、それらの返済に追われる、という状態に陥っていました。
そこに、桐屋のそばを心から愛する人の助力があって、融資の返済を一本化。
さらに毎月の返済額を小さくすることができました。
それをきっかけに、桐屋の経営は順調に推移するようになりました。
お客さまに愛される店は、苦境に陥ったときも、お客さまが手を差し伸べて救ってくれたのです。

~ここまで~

2020年に起こったパンデミックは、フィットネス業界に大きなマイナスインパクトを与え、いまだ回復途上の企業が多くあります。

当社も例外なくダメージを受けたわけですが、休業要請に伴う1ヶ月半の休館期間中に「月会費を通常通り支払っても良い」と言って頂いた会員様(※感謝しつつお申し出は遠慮してます)や再開後の不安が払しょくされない環境下でも辞めずに通って頂いた多くの会員様に支えられ、苦境を脱することができたと、記事を見て改めて思い出しました。

最近の低価格無人ジムの増殖にあたって、「低価格でなくても、それ以外の要因、すなわちサービスレベルや理念がしっかり確立されていれば、消費者は支持してくれる」という言葉を胸に、ブレずに進んでいきたいと思います。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                   

お読みいただきありがとうございました。

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