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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論602」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第18号(2005.5.25発行)「米国クラブ業界のトレンド2005」5~※名称等は当時、一部文章省略

IHRSA設立に関わった一人で、この業界で30年を超える経歴を持ち、アメリカフィットネス業界の歴史と財務に知悉しているマネジメントビジョンCEOリック・カロー氏に「米国クラブ業界のトレンド」と題してセミナーを提供して頂いた。
現在カロー氏はクラブオーナーを退き、コンサルタントとして活躍。
この6年間で1300社以上のコンサルティングを手掛けている。

クラブ業界の課題
これまでは経営的な課題でしたが、運営面での課題はどんなものがあるでしょうか。
まず、新入会者向けの初期定着のシステムを改善する必要があります。
会員紹介はクラブ運営にとって非常に強力なものなので、それをいかに引き出すかということにもさらなる工夫が必要です。
利用頻度が低いメンバーも多くいます。
そうした人をいかに救い出して定期的な利用者にするかといったところにも工夫が必要です。
また、毎回同じことをやっている人に対していかに利用の幅を広げて貰うかというところにも工夫が必要です。
会員の利用時間を分散させる工夫も必要です。
一定の時間に会員の利用が集中してしまわないよおうにする必要があります。
1回の利用で多くのことをするのではなく、定期的にかつ幅広い利用の方法を提案していく必要があります。
メンバーのニーズを理解し、メンバーの不満足を満たすことも重要です。
メンバーの中にはがっかりしても苦情として出す人はほとんどいません。
なので、私たちはメンバーの気持ちを本当に理解することが難しい状況にあります。
ですので、メンバーに対するアンケートや調査も重要になっていくでしょう。
この業界は売り上げを上げるためにセリング志向を強めがちですが、それをするのにもっとやりやすい方法があります。
既存メンバーにより多くのプログラムやサービスを買って貰うという方法です。
他の課題としてメンバー同士の繋がりを作っていくということがあります。
これにより定着率を高くすることができます。
先ほど再投資が重要という話をしましたが、特にメンバーのニーズを把握し、それを満たすところに再投資していくことが重要です。

~ここまで~

記載されている運営面での課題は、どの内容もそうですねと業界関係者は誰もが感じると思います。
ただ、それを克服することは現在も「言うは易く行うは難し」といった状況でしょう。

翻って、当社のスクール制小型クラブの運営システムを概観すると、それらの課題が自然と解消されやすい仕組みだなと改めて感じることができます。
やはり、これまでの総合型クラブ中心で数千人を顧客対象とするビジネスでは根本的な対応に限界があると言わざるを得ません。

総合型クラブを展開する企業も、パンデミック下でその限界を痛感したのかクラブ内スクール化や小型クラブを志向する動きも出ておりますが、まずはその思想自体を健全に自己否定することが求められていると思います。

お読みいただきありがとうございました。


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