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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論741」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第30号(2007.5.25発行)「多様な業態が登場ー新規参入組と既存プレイヤーの静かなる戦い)」1~※名称等は当時、一部文章省略

女性専用サーキットトレーニングジムの出店ラッシュに刺激を受けるかの如く、新規参入組がこれまでになかった新しい業態を開発し、市場を活性化させている。
既存プレイヤーも新しい顧客にアピールして会員増を狙うべく新業態の開発に取り組んだり、またその機能を既存クラブに取り込むなどして新規参入組の新業態に対抗し始めている。

様々な新業態が誕生

このところ都心部を中心に様々な新業態が誕生している。
主役は既存プレイヤーではなく新規参入者だ。
「ジョーバ」のメーカー松下電工株式会社は今年2月東京・用賀に女性専用のバランスデザインスタジオ「リント」を開設した。
広さは75坪とコンパクト。
姿勢や体脂肪、柔軟性などをチェックした後、カウンセリングを実施。
その後、1ヶ月間、ストレッチポールやジョーバを使って、運動し、さらにその後、ニーズに合わせたコンディショニングあるいはステップアップのためのメニューを受ける。
月会費はスタジオレッスンの場合、週1回コースが13500円。
多忙な方のために月に1回だけスタジオに来て、後は自宅でレンタルされたジョーバで運動を行う会員種別もある。
月会費9900円のこのコースには全会員の約半数が参加している。
同スタジオは無理なくカラダと姿勢を整えることを重視している。
現在の主力顧客は30~40歳代の働く女性。
松下電工株式会社電器新事業開発センターM氏は、「まだ始めたばかりなのですが参加してくださっている方々には喜んでいただいています。今後、状況をみて多店化を検討していきたいと思っています」と語っている。

東京・渋谷の繁華街宮益坂下の交差点の一角には、3月30日、セレクトショップの「ジャーナルスタンダード」などを展開するベイクルーズグループの株式会社フィジカル・エア・コーポレーションが、加圧トレーニングとパーソナルトレーニングをメインにした成果指向型ジム「ボディ・バイ・ヴィタル」の2号店「オラ」を開業している。
パーソナルトレーニングを月4回受けることができる会員の月会費は27300円。
加圧トレーニングを受ける場合はこれに加えて、1回6825円が必要になる。

~ここまで~

新業態という響きには、何か成功を期待させる感覚が得られ、当時の各種メディアに取り上げられたことも多いでしょう。
そして、これらの記事に掲載された新業態が、15年以上経った現在、どうなったかを知ることは、この「逆タイムマシン経営論」フィットネス版の意義の一つです。

まず、一時期、家庭用なども売れ、話題になった「ジョーバ」は、2015年に生産終了となり、記載のクラブ「リント」も時期は定かではありませんが、現在、営業していないようです。

また成果指向型ジム「ボディ・バイ・ヴィタル」については、現在も営業中とのことですが、2号店以上の広がりは無かったようで、成長したとは言い難いところがあります。

実際、ジャーナリズム機能を持ったフィットネス関連誌は、残念ながらありませんので、どうしても広報誌的に掲載されるため、その後、どうなったかはあまり報道されません。
従って、新業態が流行っているといって、安易に飛びつくことは、特にこの業界では注意が必要だと思います。

お読みいただきありがとうございました。

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