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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論518」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第14号(2004.9.25発行)「進化するフロントオペレーション」11~※名称等は当時、一部文章省略

2.ケーススタディ(先進的フロントオペレーション)

スタッフの創造性・自主性を活かして生産性を向上(オークスベストコンディショニングクラブ)

同クラブのフロントマネージャーT氏は、フロントオペレーションの変容について次のように語っている。
「チェックイン・アウトは、来場者×2の作業量がありますので、自動化することでフロント業務量が大きく軽減できることになりました。特に近年、利用率が高まってきていることを考えると随分助かっています。ただ、デメリットとしてフロント周りでの会員様との触れ合いが少なくなったり、会員様が自分でチェックイン・アウトできてしまうことから、スタッフが他の仕事をしてしまい、挨拶さえしない状況が生まれてしまうことなどがあります。ですから各種フロント業務の自動化で業務が軽減された分、人にしかできないサービスを強化することが課題になります。」

そこで同クラブではフロントスタッフを3チームー「見学チーム」「ショップチーム」「館内美化チーム」に分けて、具体的な取り組みを始めることにした。
チーム毎に年度始めに目標を設定、その目標を達成するための施策を案出した。
新しいオペレーションの構築は各チームがリード役となって進めるが、実際の業務はフロントスタッフ全員で進めている。

「見学チーム」は見学や体験者の受け入れや館内セールスのオペレーションを見直し、入会率を高めることを目標に置いた。
その1つに体験利用者への対応についてがある。
以前は休館日に予約制で体験コースを提供したり、無料体験で多くの方に利用して貰うことを目指したこともあったが、現在は費用対効果を考え、体験利用は有料とし、入会した場合はその利用料を入会時に必要な費用に充当する方式にしている。
スタッフが特別に付く体験コースを設定しているわけではないので、体験者は通常の利用者に紛れてしまいがちになるが、同チームがこれを改善するオペレーションを考案した。
体験利用者に対してはまずフロントスタッフがカウンセリングを行い、その時の感触で入会可能性により違う色のバインダーを渡すことにした。
そのバインダーはカウンセリング結果などを挟み、フィットネスエリアのスタッフに渡して貰うように話す。
フィットネスエリアスタッフはバインダーの色で判断し、入会可能性の高い利用者には特に配慮して効果的なサービスを提供できることになる。
このようなオペレーションにしてからフィットネスのスタッフとの連携も強まり、入会率も高まってきているという。
また、同クラブでは初期定着策として「カエル物語」と題した10回目までの利用をフォローするプログラムを実施しているが、これについてもフロントとフィットネスのスタッフが協働して効果を高めてきている。

~ここまで~

体験者をバインダーやロッカーキー、目印バンドなどで識別する方法は、各社が取り組み、フォローを試みたと思いますが、差異が出るほど効果的であったかどうかは疑問が残るとアバター近藤は評価しております。

趣味と実益を兼ねてこれまで300クラブほどの体験利用をしてきましたが、そのような態度は気付くものであり、あまり気分は良くありませんでした(入会をほぼ決めている体験者以外は、押し売りをされないかとビクビクし警戒していて敏感です)。

それに体験者は1日に10人、20人も来るわけではありませんから、選別などぜずに全スタッフがウェルカムなサービスを提供すれば良いのではと思います。

これは接客ルールとして、不慣れな人から優先的にフォローをするという決めを普段からしておけば自然に対応できることではないでしょうか。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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