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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論504」

皆さん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第13号(2004.7.25発行)「世界の動き・IHRSAキャンペーン」3~※名称等は当時、一部文章省略

「特別なコンディションにある方のための特別プログラム」(ヘルスフィット)

マサチューセッツ州ニーダムにあるヘルスフィット社の創業者J・A氏は、「ゲット・アクティブ・アメリカ」を利用して高齢者層にターゲットしたプロモーションに役立てることを計画した。
クラブで提供しているプログラムの中でも次に挙げる3つのプログラムは、クラブに通うという自己投資をする優れた理由を際立たせるものとなっている。
3つのプログラムはどれも、より多くの人がエクササイズに挑戦しようと思えるように構成されている。

その1つはヘルスフィットが付帯する「ライフスタイル・チェンジ・リソース・センター」でのプログラムである。
このセンターは医師が患者に対して望む生活習慣と、患者自身がその習慣を身に付ける上で必要とする能力にギャップがあることから、これを埋めるために作られたものである。
「このセンターは患者により好ましい食習慣や運動習慣を持って貰いたいと願う医師をサポートするために設立したものです。医師は患者にそうした願いを持っていながらも、患者一人ひとりが適切な習慣を得て、それが継続できることを見届けるまでの時間がないのが現状です。」

医師が患者をこのセンターに紹介すると、精神科医や臨床のソーシャルワーカー、行動変容について専門的な知識を持つエクササイズスペシャリストがその患者の状況を審査し、無料のカウンセリングと、必要に応じて地域の栄養と運動の専門組織の照会が行われる。
「その上で、私たちはその方にとって最も適切だと思われる環境を提供してくれる場を紹介します。それはヘルスフィットかもしれませんし、その他の民間クラブ、YMCA、公共の運動施設、減量センターかもしれません。このセンターは患者の方の健康及び生活の質を高めることを目指した公平な機関なのです。」と彼は強調する。

そして同センターは四半期ごとに報告書を地域の医師たちに送付している。
今回の「ゲット・アクティブ・アメリカ」に関しても、医師たちに情報を送り、この機会を活用して貰えるように促している。

2つ目のプログラムは健康チャリティー基金という斬新な概念を持つものである。
このプログラムは、地域のために価値ある活動をサポートしたいという人が、同時に自身の定期的なエクササイズに対する報酬も得られるというものである。
ヘルスフィットは同企画に興味を持つ団体に対して2週間クラブを解放し、週に5回以上運動をした人ひとり当たり25ドルをクラブがその人に代わって寄付金として積み立てるというものである。
これは家で行ったエクササイズもカウントされる。
A氏は「今年末までに合計2万ドルの基金を積み立てることを目標にしています。」と話す。

3つ目のプログラムは「健康奨学金プログラム25」と呼ばれるもので、ヘルスフィットが奨学金として2,500ドルを用意し、予防医学的にみて運動をする必要があるものの、資金的にクラブに入会することが難しい人に提供するものである。

~ここまで~

最近の業界有識者のコメントでなるほどと思ったのは、「日本では治すは医療機関が担い、鍛えるはフィットネス関連施設が担っているが、治すから鍛えるにスムーズに移行する為には、その間にある整えることを担える施設が欠かせない」という内容です。

残念ながら国内では、その機能を担えるフィットネス関連施設は少なく、現状は治療院やマッサージ施設が代替となっているものの、そこから運動へ積極的に移行するケースは少ないように思います。

当社クラブはそれに近い機能を目指してはおりますが、記事にあるような公平中立な機関が、お客様の状態に応じてどのレベルにあるかを判断し、紹介する仕組みはとても良いなと思いました。

このような機関が存在すれば、各対応レベルごとのフィットネス関連施設の住み分けや適正数維持が可能となり、現在のような同質化競争が緩和されるように思えます。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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