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8月4日(木):カルチャー変革に必要な4つの条件

このところは企業文化と関連して遠藤功さんの新刊「『カルチャー』を経営のど真ん中に据える」を引き合いに自分のなかでの整理も兼ねて同書の内容と紐付けたことを記していますが、本日もその続きです。

昨日は本書の主題である「カルチャーとしての現場力」を鍛えるための観点に触れましたが、それまで固着化したカルチャーを変革していくのは容易ではありません。

そうしたなか、同書では何からスタートするのか、どのような順番で展開するのかは会社の状況によって柔軟に対応する必要があるものの、カルチャーの変革に必要な条件は次の4つに集約されると説明しています。

●カルチャー変革に必要な4つの条件

1、経営トップの覚悟
カルチャー変革はトップダウンであり、「なんとしてもカルチャーを変えるのだ」というトップの強い意志と覚悟、コミットメントがなければ絶対に成功しない。最も重要な経営トップの仕事は、良きカルチャーを醸成すること。

2、「草の根運動」の粘り強い展開
カルチャーの変革はトップダウンでスタートするが、実行は現場主導のボトムアップであり、社員一人ひとりが意識、考え方、行動を変えなければ何も変わらない。だからカルチャー変革の草の根運動を泥臭く、現場から仕掛けなければならない。これはとてつもなく手間と時間を要するプロセスであるが、それを経て点から線へ、そして面への展開が不可欠。

3、「見える化」による意識変革と行動変容
草の根でじっくり取り組むといっても全社に対する情報発信は継続的に行われなければならない。経営トップが明確な意思表示をするだけでなく、草の根運動での取り組みの様子や成果を「見える化」し、啓発していく努力が必要になる。

4、「仕組み化」
変革の「芽」を伸ばし、育てるためには、どこかの時点で「仕組み化」が必要である。仕組みができることによって、変革を加速させ、定着させることができる。

この4つの条件はトップダウンはもちろんのことボトムアップも要るし、さらにはそれを時間をかけて取り組み、小さな成果から広がりをつくって仕組み化をする、ということだから会社として全方位的に取り組み、なおかつそれを時間軸のなかで継続し続けることを意味します。

裏を返せばそこまでの熱量や取り組みをしなければ良いカルチャーは醸成されていかない、定着しない、ということでもあるでしょう。

書籍には「組織の規模にもよるが、新たなカルチャーが醸成され、組織に根付くには最低でも10年はかかる。」と記載されていましたが、それぐらいの覚悟と取り組みが要るとの理解が妥当です。

だからこそ優れたカルチャーを有することができれば、それは他社が簡単には真似できない最強の模倣困難性であり、無形の資産になると言えるのだと思います。


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