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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論461」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第11号(2004.3.25発行)「コラボレーション」1~※名称等は当時、一部文章省略

生活者のニーズに応じた商品・サービスを社内の資源だけを活用して開発~提供していけばよいという時代は既に終わりを遂げている。
時代は外部資源をも積極的に活用することを求めている。
社内の資源と、社外の資源とを効果的に組み合わせることによって、これまでにない高い顧客魅力性と競争優位性を備えた商品・サービスを開発することができる。
所謂「コラボレーション(協働)」だ。
本特集では、マーケティングあるいはマーチャンダイジングの一手法として今、注目されているコラボレーションについて、導入の手引きを提供したいと考えた。
当業界におけるコラボレーションの先行事例も豊富に紹介したい。
積極的に取り組み、顧客価値、企業価値を高めたい。

1.コラボレーションとは何か

コラボレーションとは協同(共同)を表すcoと、労働を表すlaborの合成語であり、元来単独で解決することが難しいテーマに対して複数の主体が協力して有機的に働くことで解決を目指すという意味がある。
似た言葉にアウトソーシング(外部委託)やアライアンス(提携)、M&A(吸収合併)などがあるが、ことばの正確な意味からするとこのいずれとも異なる。

コラボレーションとは、専門や経験を違える者あるいは企業同士があるテーマに対してまさに協働するものであり、その結果、これまでにない新しく、しかも高い付加価値を持った商品・サービスを生み出し生活者を惹き付け、企業価値の向上に貢献し続ける価値連鎖創造の仕組み、またはその一部であると言えよう。

詩的な表現をするなら、「共鳴」と呼ぶこともできよう。
利害関係者が各々ユニークな音を持ち寄りながら、1つの美しいハーモニーを奏で、オーディエンス(聴き手)の心に弾かせていくといったイメージだ。
コラボレーションにおいて相手を組む他者は、一般的にはメーカー・サプライヤーであるが、場合によっては同業者・競合各社になったり、ディベロッパーや土地オーナーあるいは顧客(メンバー)やスタッフにまでなったりすることもある。

これまでの他者との関係でしばしば見られたWin-Loseの関係ではなく、Win-Winの関係を志向するものであり、従来型の分業、下請け、外部委託、ピラミッド型組織といった関係に代わり、融業、横請け、協働、ネットワーク型組織といった関係を目指そうとするものである。
つまりコラボレーションとはコンペティション(競争)とコーペティション(協調)の同時追求を目指す新しい「協創」関係の構築により収穫逓増を狙う仕組み、またはその一部と言えるのだ。
アウトソーシングやアライアンスのように単純ではない。
巷間知られる具体例を挙げるとするならば、イトーヨーカ堂グループの「チームマーチャンダイジング」がある。
イトーヨーカ堂グループはメーカー・サプライヤーと生産から物流・販売まで一貫してチームを組み、各社の情報とノウハウを持ち寄って、その時々に生活者が求める商品を開発し、いくつもの分野で高い成果を挙げ、顧客価値、企業価値を向上させ続けている。

~ここまで~

フィットネス業界の市場規模は、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド1社とほぼ同水準で、この20年間推移しているようなとても狭い業界です。

にも関わらず、外部資源を組み合わせ有効活用を図ろうという動きは弱いと25年以上、業界に携わる中で感じております。

今回のパンデミックにおいても、同業他社の施策を見て、良さそうだと思ったことを真似するような動きは相変わらずで、同質化競争から抜け出せない企業が大多数だと思います。

当社はパンデミック以前から同質化競争から抜け出すべく準備をしていたことで、回復基調は鮮明ですが、そのようにいかない企業は、今回の記事からも参考にできる考え方が見つけ出せるでしょう。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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