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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論574」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第16号(2005.1.25発行)「サービスの最適化(商業アドバイザー小柳剛照)」2~※名称等は当時、一部文章省略

航空業界の中で

そんな航空業界激戦の中、1971年の開業以来、ずっと黒字経営を続けているのが、サウスウェスト航空です。
わずか3機のボーイング737型機からスタートしたこの会社は、大手航空会社とは一線を画する戦略で顧客を増やし、着実に実績を上げてきました。
9.11同時多発テロの後、アメリカでは飛行機離れが進みましたが、サウスウェスト航空はそれでも黒字経営を持続しました。
サウスウェスト航空と言えば、格安運賃、座席指定がない、ファーストクラスがない、機内食がない、などが特徴として挙げられます。
あるいは、荷物棚にフライトアテンダントが入っているなどのユーモアで、「おもしろい会社」というイメージもあります。
しかし他社が、それらの手法を真似してみても、たぶん上手くいかないでしょう。
同社の経営手法はすべて、理念を実現するために設けられている、とことん考え抜かれた手法だからです。

アメリカ人にも、飛行機には「ちょっと贅沢な移動手段」というイメージがあります。
だから顧客への最大のサービスは、料金を出来るだけ安くすること。
サウスウェスト航空はそのために、無くてもいいサービスをすべて削り、その代わり、コストの掛からない部分でのサービスで、顧客を喜ばせようと努力しているのです。

路線はすべて米国内の、片道1時間程度の近距離線。
そこを15~30分おきに、格安運賃で往復。
つまりは市内バス感覚で乗れる飛行機、というコンセプトを具現化したのです。
大手の参入しにくいニッチ(隙間)で優位に立つというは、ランチェスター理論の良い実践例とも言えそうです。

顧客第二主義

会社が大きくなった今でも、機種を統一し、メンテナンス作業を均一化。
機内の清掃は乗務員が実施。
それらのコスト削減努力が、格安運賃でも利益を確保できる理由です。
業界内での業績は大手に及ばなくても、シェアより利益重視。
それがサウスウェスト航空の安定経営のカギでした。

しかし乗務員は機内清掃までさせられ、点検クルーは整備時間を急かされて、不満はないのでしょうか?
ないのです。
同社は従業員がハッピーであることが何より大切である、という「顧客第二主義」を掲げているからです。
従業員の意志を尊重し、家族的な経営を心掛けてきたことが、サウスウェストの強さの秘密と言えそうです。

格安運賃、近距離便、棚から顔を出すフライトアテンダントなど、サウスウェスト航空のサービスは、航空業界の常識を逸脱しているかもしれませんが、顧客満足のため、理念のためにはベストの手段。
それらが融合してサービスが最適化されているから、他社がいくら真似ようとしても、難しいです。

~ここまで~

この記事を見て、「小商圏」「顧客との近さ」「コスト削減」「トレーナーが全業務を実施」と当社小型クラブのスタイルとの類似性を強く感じました。

当然それは、ランチェスター戦略における「弱者の理論」の実践に他ならないのですが、「顧客第二主義」とは言わないまでも、従業員(現場トレーナー)の意志を出来るだけ尊重する経営理念・運営方針も大きいと思います。

似たようなクラブを運営している同業他社はあるものの、同じような結果が出ない理由は、自ら生み出し最適化したという点での違いにあるようです。

お読みいただきありがとうございました。

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