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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論626」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第19号(2005.7.25発行)「女性専用小規模サーキットスタジオ」3~※名称等は当時、一部文章省略

ビーライン中野新橋
ビーラインの東京1号店は新宿新都庁の裏手に広がる住宅街の一角、丸の内線「中野新橋」から徒歩3分にあるテナントビルの2階に、7月1日(金)にオープンした。
福岡でフィットネスクラブを経営する株式会社レックスがフランチャイジーとして経営・運営にあたる。
ビーラインはこれまで福岡を中心に展開を進めてきたが、この中野新橋店と同じビル内に東京オフィスを設け、ここを拠点として今後の関東地区のビジネス展開を進めていく。
関東エリアでは中野新橋店と同日に日立店がオープンした。

ビーラインのビジネスモデルについては本誌通巻16号に詳細に記しているのでここでは割愛するが、初期投資はこれまでの実績で420~691万円であり、創業者のS氏はスイミング業界の出身者であることもあり、スイミング事業者や地方の独立系フィットネスクラブ事業者を中心にフランチャイジーが見つかってきている。
福岡では会員として通っていた女性が実際にビーラインで独立するなど、理想としていた展開像が現実になってきている。

中野新橋店の延床面積は26坪。
看板と、のぼり旗を立てて視認性を高めている。
家賃は約25万円。
運営は店長M氏と女性アルバイトスタッフ1名の2名体制で行う。
これをビーライン東京事業部長のU氏がサポートしていく。
出店立地を探す際に、築年数の浅い物件に絞り、内装もビーラインのロゴカラーである緑と黒を配したすっきりと爽やかなイメージに加え、天井を抜いてライブハウスで使われるようなライティングも使用し、おしゃれな雰囲気を醸し出している。
U氏は「生活者の方々にとって新しいサービスであるため、店舗のイメージには気を遣った」と話す。
マシンとジャンピングボードを9台ずつ配置し、入会と定着促進のために体成分分析器を導入。
会員管理ソフトに連動させて、1ヶ月毎の運動効果が、データからも分かるように態勢を整えている。

プロモーションはオープン2週間前の6月16日(木)から毎日7回説明会を設け、16~22日(水)を第一次募集として、入会時にかかる健康管理費(10500円)の100%オフ、Tシャツプレゼントという2つの特典を提供した。
この1週間で約80名が入会。
第二次募集を6月末までとして同様に説明会を続けると同時に、既に入会した人はオープン前でも施設を利用できることにした。
告知媒体として半径1.5㎞圏にチラシも数回打った。
これまでのところ、チラシの効果に加えて近隣スーパーでの告知や体験者の口コミによる効果も予想以上に感じられている。
同店舗の損益分岐会員数は250名であるが、現在会員数は約120名で7月末に黒字転換できる予定である。

U氏は東京1号店の手応えについて、「説明会に来た方の約8割が入会して下さっている状況で、東京でも受け入れられるという実感が得られています。福岡ではこの業態の認知が進んできていますが、東京ではこれからだと思います。出店を進めてこの業態やビーラインの認知度を高めていくことで、成功確率が高められると思います。」と話している。

~ここまで~

以前、触れたようにカーブスが2000店舗越えを果たした一方で、同時期にフランチャイズ展開を図ったビーラインは現在まで数十店舗体制に止まり、その差は歴然となってしまいました。

ビジネスモデルはそれほど変わりませんので、やはりフランチャイズビジネスで実績のあった企業とスイミング業界出身者がフランチャイズ本部という点が、分かれ目になってしまったのでしょうか。

フランチャイズビジネスは、ともすれば加盟店との対立といったシビアな場面に遭遇することも多いことから、経験値とそれに伴うノウハウはやはり重要になるということでしょう。

お読みいただきありがとうございました。

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