「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論274」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌(元々はクラブマネジメント誌としてスタート)のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~クラブマネジメント通巻第36号(2001.9.25発行)「米英のフィットネスクラブ産業史」11~※名称等は当時、一部文章省略
2.英国のクラブ産業史
英国の民間クラブはデビッドロイドクラブに代表されていたことから、クラブ業界は社会からも非常に良いイメージで見られていた。
デビッドロイドクラブはテニスやプールを付帯した大規模多目的クラブで中流から上流の人々にターゲットしている。
93年以降英国経済が回復基調にあったこともあり、民間クラブは価格を下げずにメンバーを集めることに成功していた。
新規参入企業も同様の業態で参入し、サービスで差別化を図っていった。
その結果、英国のフィットネス市場は、これらの「プレミアムクラブ」と呼ばれる多目的中・高級クラブと、安い料金で利用できるオーソドックスな「ローカルオーソリティーレジャーセンター」と呼ばれる公共施設や小規模のジムに二極化されていった。
93年、この二極化するマーケットの隙間に目を付けた企業が現れた。
アメリカの「フィットネスオンリー」という業態にヒントを得て、「アフォータブルフィットネス」とのコンセプトを打ち立て業界に参入したフィットネスファーストである。
同社は、コートやプールを付帯せず、延床面積を平均約560坪以内に抑え、初期投資と経営的な運営コストを大きく低減させて、出店機会を広げた。
一方、サービスはデビッドロイドクラブなどの中・高級クラブに倣い、広いロッカールームと最新のマシンを揃え、無料で飲み物が飲めるラウンジの設置や無料のビデオレンタルなどの顧客ロイヤリティを高める新たなサービスを付加しながら、会費設定は他サービス比約半額とした。
安い会費と高いサービスが消費者に広く受け入れられて、同社は急成長し、成長率で世界一になるまでになる。
このジム・スタジオタイプは「バリュー・フォー・マネー」クラブとして1つの業態として現在英国内で注目を集めている。
~ここまで~
米国の初期と違い、英国では社会的なイメージが良い事業としてスタートを切れた様子が伺えます。
そして、ローコスト・ハイサービスの業態が進出したことで、一気に広がっていったと言えます。
日本においては、総合型クラブ業態がバブル期に一気に増えたこともあり、中・高級路線でありつつも、ハイサービスであったかは大いに疑問が残ります。
どちらかと言うと、ゴルフ会員権のような捉えられ方で、実質的な利用を促すようなゆったりとしたエクササイズ空間やリラクゼーション空間などはあまり見られなかったようです。
本日もお読みいただきありがとうございます。
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