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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論413」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第7号(2003.9.25発行)「業態の研究」7~※名称等は当時、一部文章省略

Ⅲ業態の分析

①首都圏近郊駅前立地・大規模クラブ(充実のコアアイテムプラスαで魅力増すクラブ)

「当社はウェルネスクラブにおいては、最低限坪当たり売上高で50万円は確保したいと考えています。その場合の構成比は会費収入8割、付帯収入2割です。これまでの実績では坪当たり売上高/年で65万円を超えているクラブもあります。ブレークイーブンは売上高の多寡にもよりますが75~80%程度となるでしょう。コスト面では、人件費(法定福利費・委託費等を含む)が売上高比25%程度、家賃が売上高比20%以内(オーナー投資額の10~14%)で、これらは他のタイプのクラブとあまり変わらないのですが、最近は1日利用者数が急増していることとこのタイプのクラブは水回りを充実させていることから水道光熱費の負担が大きくなり、これも売上高によるのですが(売上高比)12%を超える場合が出てきています。」

利用率のアップに伴うコスト増については他タイプについても言えることであるが、同社ではこのコスト増分を吸収する策として、各種有料プログラムー「2ヶ月集中ダイエット」等ーの提供やプロショップの質と量の充実などにより付帯収入のアップを図っている。

また利用者増による空間上のボトルネックを解消するため、壁面を予め可動構造にしたり、第4・5のアイテムを付帯したりしておき、後にアイテム毎のキャパシティを調節することもしている。

この業態は「標準的なクラブ」の中でも規模が大きい分、特徴を出しやすい。

顧客に対する魅力をどのように出していくかは各社で異なるが、セントラルスポーツでは「ウェルネスクラブ」を次のように位置づけようとしている。

~ここまで~

パンデミック下の現在、20~40%減とも言われる会員数の減少に加え、水道光熱費も周知の要因により大きな負担となっていることでしょう。

さらに会員数減少となった主な顧客が未利用者・低利用者であったため、1日利用者数自体はあまり変わらないという話も聞きます。

また一般に付帯収入額は会員数と連動しますので、付帯収入を増やそうと号令をかけたところで、対象者が減っているため、難易度は非常に高いです。

このように考えますと前回のイニシャル面での整合性が無くなったことに加えて、ランニング面でも辻褄が合わなくなっていることが分かります。

このことが示す意味は、例えパンデミックがエンデミックになろうとも、この業態の回復は相当に厳しい現実であることが浮かび上がります。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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