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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論674」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第23号(2006.3.25発行)「消費されるフィットネスクラブスタッフー低い従業員満足度、課題山積」1~※名称等は当時、一部文章省略

2006年3月、社団法人日本フィットネス産業協会(FIA)は、報告書「フィットネスクラブにおける従業員満足度(ES)に関する調査研究」を発刊した。
ESは思いのほか低く、業界の成熟化に向けて、いくつもの課題を残す結果となった。
以下は、報告書の要約と提言である。

改善されない従業員満足度

以下は、調査結果の要約である。

(1)長続きしない業界
従業員の約5割が3年以下で辞めており、10年以上の勤務経験者は約16%程度だった。

(2)期待されない、賃金・将来性
健康・フィットネスに憧れがあり、また自己実現を図りたくて、業界企業の入社を決めたものの、その後は賃金や労働条件・会社の将来性に対して期待する者が減っている。

(3)低賃金、重労働
正社員の週当たり(週5日勤務)の平均労働時間は48時間を超えている。
また正社員の年収は300万円以下が45%で、全体の平均でも399万円であった。
契約社員に至っては9割以上が年収300万円以下であった。
パート・アルバイト(PA)の平均時給は873円、フリーインストラクターの平均フィーは4,316円だった。

(4)制限される能力向上
保有資格の状況は正社員45%、契約社員37%、PA22%、フリーインストラクター56%であったが、資格取得後の入社が過半数を占めていた。
社内資格は49%が導入しているが、接客や指導業務など現場の実践的な技術が中心で、従業員の将来的ビジョンを方向づける研修を実施している企業は少ない。

(5)見えない将来
将来の目標を持っていない従業員は全体で47%であった。
また、過半数がこの業界での勤務に限界があると考えていて、40歳以上まで勤務可能と考えている従業員は2割に満たなかった。
また全体の66%の従業員がこの業界で仕事をしていくうえで、何らかの不安や障害を持っていた。

(6)生活維持に不安を抱える従業員
給与水準、勤務時間・体制、業務量に対して強い不安を持っている従業員が多かった。

上記したように従業員の労働環境が悪いために、労働意欲を十分に引き出せていない現状が浮き彫りになった。
会社が若い従業員を早期に退職に追い込むか、あるいは従業員が退職できない状況の中でいたずらに「消費」している構図が示される結果となった。

~ここまで~

業界27年目のアバター近藤は、これまで何とか生き残ってこられましたが、記事当時の労働環境は確かに記載の傾向が強かったと振り返れます。

現在は賃金面でも労働時間面でもかなり改善されてますし、個人でパーソナルトレーナーやパーソナルジムを開くなどのキャリアの選択肢も増えていると思います。

ただ、他の先進業界と比較すれば、まだまだ劣っている面もあるため、この点は業界全体を挙げて、継続して取り組まなければならない課題だと認識すべきでしょう。

お読みいただきありがとうございました。

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