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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論415」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第7号(2003.9.25発行)「業態の研究」9~※名称等は当時、一部文章省略

Ⅲ業態の分析

②首都圏近郊駅前立地・中規模タイプ、③地方郊外駅前/ロードサイド立地・標準規模タイプ(ムダなく、リーズナブルな標準クラブ)

②③のタイプについては、当業界で多く見られるタイプであるため、編集部でも以前から本誌などでよく取り上げている。

このタイプのクラブを出店していて、最近好調な企業としては、②のタイプとしてはオージースポーツ(コスパ)、文教センター(アスリエ)など、③のタイプとしては東祥(ホリデイ)、フィットネスマネジメント(レフコ)などがある。

実際にはこれらの企業だけではなく、このタイプは多くの中堅~大手チェーンが出店に際し、取る形態として多い。

近年そのフォーマットとしての完成度は益々高められつつある。

H社K社長は言う。

「最近はどの会社も学習と経験を積んで開発力をレベルアップさせてきています。細かい需要予測調査に基づいて、出店するマーケットに合わせた広さの確保、適切なアイテム選定とキャパシティ配分、無駄な動線やスペースのカットなど大切なポイントをきちんと押さえて成功確率の高い店舗づくりをしてきています。」

これは高いレベルでの競争が起こりつつあることを示していると同時に、このタイプ間のクラブ同士では、差別化ポイントがはっきりしなくなってきていることも示している。

この点についてK社長に聞くとこう答えた。

「確かにある意味同質化してきていて、顧客から見たら違いが分かりにくくなってきていると思いますが、これは一概に悪いこととは言えません。レベルアップの一過程としてはいいことかと思います。ただし、これからこの業界が発展していく上では、この業態の完成度をもっと高め、その中で個性を発揮していき多くのお客様が魅力を感じるものにしていくことが求められます。つまり、より多くのお客様が評価するコンセプトを持ち、それをハードだけでなくプログラムやサービスなどにもきちんと敷衍した上で、個々のサービスについてもお客様一人ひとりのウォンツを確実に捉えるものにしていかなければいけません。例えば、空間デザインや装飾にも独自のコンセプトに合ったエクスペリエンス(経験価値)を持たせるための工夫をしたり、マシンジムもしくはスパといったところをアンカーアイテムとすべく特に魅力的な空間づくりとプログラム構成をしたりするといったことなどです。」

~ここまで~

記事で、このタイプの例として挙げられている企業(クラブ)は既に撤退しているか、パンデミック以降に出店が止まっており、これらのミドルクラブの経営も非常に難しくなっていると言えます。

当時は、上記のレベルアップ策などによって、同業態への支持が高まっていきましたが、そこかしこに出店されたことで、差別化にも限界が生じたと思われます。

差別化できず数も多いとなると、競争上、一番中途半端なサイズとも評価できますので、前回までの①のクラブ以上に今後は苦しくなる可能性があります。

効率化が反作用するケースであると考えられます。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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