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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論660」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第21号(2005.11.25発行)「保険会社、行政、クラブによるヘルスケアー医療保険会社によるフィットネスクラブ会費補助制度の現状」3~※名称等は当時、一部文章省略

シルバースニーカーズ:
シルバースニーカーズは、メディケア(訳注:主として65歳以上の高齢者および年齢を問わず身体障害者のための連邦医療保険制度)を補完するプログラムで、アリゾナ州テンペを本拠とするヘルスケア・ディメンジョン社により開発された。
このプログラムにはメディケアの受給資格を持つ人々に対して、フィットネスクラブの入会金の免除、オフ・ピーク時のクラブの割引利用(1回利用あたり440円、1ヶ月5回まで利用可)、特別レッスンや健康に関するセミナーの実施、といったサービスを提供している。
民間クラブを含む全米数百のフィットネス関連施設が、このシルバースニーカーズのサービスネットワークに加盟している。

昨年9月に、ケンタッキー州ルイスヴィルを本拠とするヒューマナ社は、このシルバースニーカーズ・プログラムを19の州で提供すると発表した。
同社の顧客である37万人に上るメディケア受給資格者がこのプログラムに参加できるという。
このプログラムの恩恵を最初に受けたフィットネスクラブの1つ、ライフスタイル・ファミリー・フィットネス(以下LFF、フロリダ州ピッツバーグを拠点とするチェーン)の社長兼CEOで、かつてIHRSAのプレジデントも務めたジェフ・ダイヤー氏によれば、シルバースニーカーズを通じて、3500人のメディケア受給資格者がLFFを利用、うちLFFの既存会員はわずか22名であったという。
同氏は「ヒューマナ社が当社に支払った3478名分の利用料は2900万円にのぼりました。私たちが、プログラムをモニターし、ヒューマナ社に報告すると、それに応じてお金が払い込まれるというシンプルなシステムです」と語っている。

ヴァージン・ライフケア:
リチャード・ブランソン率いるヴァージン・グループの一角、ヴァージン・ライフケア社は、ヒューマナ社と組んで、被保険者の生活習慣改善努力に対して見返りを与える革新的なプログラムを開発した。
フロリダ州とテキサス州で今年暮れから展開される予定のこのプログラムは「ヘルスゾーン・キオスク」と呼ばれるユニットをフィットネスクラブに設置し、参加者が自分のフィットネス履歴、体重や体脂肪、血圧の変化などを入力、管理できるようにする。
そして、このクラブ利用データに基づき、クラブ会費の補助などが提供される。
同社の事業開発ディレクターで、かつてIHRSAのプレジデントも務めたラリー・クリーガー氏は「私たちは、保険機関とフィットネスクラブを結んで、クレジットカードのポイント制度のように、健康的な活動をするとポイントが貯まるようなプログラムを作ることを目指しています」と語っている。
同社は他の医療保険機関4社や大手フィットネスチェーン各社とも提携の交渉を進めている。

~ここまで~

シルバースニーカーズ・プログラムのようなサービスが日本でも行われ、例えば特定保健指導対象者にも生かされれば、指導対象者の活動実効性も担保されると同時にフィットネスクラブ業界にも恩恵が施され、3者がWin-Winになるのではないかと思いました。

日本のフィットネス参加率は、ここ30年間、3%前後を推移している事実を踏まえれば、残り97%の方々が参加するには上記のような仕組みがないといつまで経っても変わらないと考えるのが自然です。

3500名のうち既存会員22名だったという記事は心強いデータであり、厚労省の関連団体でも良いので、是非、実現して欲しいものです。

お読みいただきありがとうございました。

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