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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論854」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第42号(2009.5.25発行)「不況に強いクラブになるためにー景気後退局面でのクラブ経営」5~※名称等は当時、一部文章省略

コストの見直し

ダーデン氏、コールドウェル氏とも、顧客に直接触れない部分でのコストカットには積極的である。
コールドウェル氏は、賃料と設備投資について以下のように語っている。
「賃料は、多くのクラブ企業にとって、もっとも大きな費目であり、今こそ再交渉すべき時です。設備投資については、必要な出費まで抑制してはいけません。競合が設備投資を見合わせている時期に、きちんと再投資することは、競合優位を築くことにもつながります」

ダーデン氏は、フィットネス機器のメンテナンスを自社内で行うことで、維持費用を削減した。
自社社員をプリコーやフリーモーションなどの機器メンテナンス研修プログラムに送り込み、メンテナンスのアウトソース費用をカットしたのである。
以前は毎月1200ドルを支払っていたが、それが無くなり、さらに以前よりも迅速にトラブルに対応できるようになったという。

同氏はまた、電気料金や、クレジットカード手数料についてもコスト削減の余地があると語る。
「電気料金については、複数のプロバイダーと、どのような料金体系が可能か相談してみることをおすすめします。長期契約を結ぶことで割引率を上げてくれるプロバイダーもあります。また、クレジットカード手数料も、今なら値下げ交渉に応じてくれる可能性があります。クラブ企業は、多額のチャージを発生させるので、カード会社に対してそれなりの交渉力を持っています。プログラムについても見直す余地があります。我々のクラブでは、比較的参加者が少なかったグループレッスンをいくつか終了させることで月500ドルのコスト削減を実現させました。また、金融機関から融資を受けている場合は、融資の契約条項を今一度見直すことをおすすめします。今の経済状況で、少しでも義務の不履行があれば、金融機関に融資を引き揚げたり、返済を迫る口実を与えてしまいます。そのような事態に陥らないよう、細心の注意を払ってください」と同氏はアドバイスする。

~ここまで~

当社クラブのコスト構造は、とてもシンプルであり、各費目について、元々無駄のない状態を保っておりましたが、パンデミック以降の厳しい局面に際し、様々な見直しや工夫を施すことで、さらに筋肉質な運営になっていると思います。

つまりは、コストについて、自分たちが思っている以上にまだまだ工夫の余地があることを示しています。
大きなクラブであればあるほど、大きな費目の人件費やプログラム費(業務委託費)に目を付けたくなるでしょうが、それ以外の小さい費目を削減することの積み重ねで、極力、価値の源泉たるヒューマンサービスに、悪影響を与えない努力が必要だと考えます。

お読みいただきありがとうございました。

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