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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論532」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第15号(2004.11.25発行)「スイミングクラブの成長戦略」5~※名称等は当時、一部文章省略

Ⅱ成長戦略案出の基本

例えば、スイミングスクールの既存商品を「プール」での「週の決まった時間に参加する」、「泳法グループレッスン」と定義するならば、新規商品は「プール以外のアイテム」、「会員制」、「泳がないレッスン」、「パーソナルレッスン」といったものになる。
また、既存市場を「子ども」と定義するならば、新規市場を「成人」、「高齢者」といったように定義できる。
または同じ子どもでも「選手を目指す子ども」を既存市場とするならば、「健康づくり」、「運動不足解消が必要な子ども」は新規市場となる。
もちろん地理的に違う市場も新規市場である。
こうして既存商品/既存市場を定義づけることにより、いくつかの革新(イノベーション)の方向性が見えてくる。

次にこれらの選択肢の中からどの戦略を選択するかを決める。
ここでは環境の変化と自社の強みを確認しておくことが重要となる。

環境の変化はマクロ環境的には、経済状況、人口動態、社会の価値観の変化など、市場環境的には市場規模、市場成長性、収益性、新製品・代替品、新規参入業者などの状況を確認する必要がある。
また、競合環境的には特に大手の動きを中心に確認しておく必要がある。

マクロ環境を大まかに捉える上で、人口動態の変化が把握できる出生率と、各時期の業界の動きを纏めてみると、どんな環境の変化を捉え、方向性を決めていったかが分かり、次項の事例研究で各経営者たちの視点が参考になる。
自社の強みと弱みの確認はTOWSマトリクスなどによる分析が役に立つ。

選択すべき戦略が決まれば、行動を取ることとなる。
追加投資が必要な場合は、ここで公的な融資制度を利用するケースが多い。
また、新規商品、新規市場に参入する場合は、十分なマーケティングを行い、進出しようとする市場における自身の商品力や価格を見極め、立地選定を含めた商品提供手段やプロモーションといった各要素を整合させていくことが必要となる。

次項では現存する成長クラブを例に、成功する成長戦略について研究していく。

~ここまで~

上記で紹介されている各種フレームワークは、伝統的な理論ではありますが、思考・思索の助けとしてまだまだ役立つものだと思います。

特に今回のパンデミックにおいては、「社会の価値観の変化」がダイナミックに生じましたので、これまで捉えていた既存商品/既存市場の中での対象者の考え方が大きく変容したと考えられます。

今後、フィットネス事業を存続ー成長させていこうという決意をされたならば、既存の会員様はもとより、その周辺の対象顧客も新しいライフスタイルを身に付けたという前提で自社商品を見つめ直し、フィットしていないようであれば、健全に自己否定した上で、大胆な変革を実行する必要があるでしょう。

お読みいただきありがとうございました。


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